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Trademark Appeal Case

結合商標の要部認定と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35782号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4275932号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4275932号商標(以下、「本件商標」という。)は、「京王企画」の文字を標準文字とし、平成10年4月1日に登録出願、第16類「印刷物」及び第42類「パチンコに関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同11年5月21日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第666398号商標(以下、「引用A商標」という。)は、「京王」の文字を横書きしてなり、昭和38年3月20日に登録出願、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの付属品」を指定商品として、同40年2月8日に設定登録、その後3回に亘り商標権存続期間の更新登録を行い、現に有効に存続しているものである。同じく、登録第3332049号商標(以下、「引用B商標」という。)は、「京王」の文字を横書きしてなり、平成4年9月29日に登録出願、第41類「動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競争の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその付属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録音済み磁気テープの貸与,その他の興行の企画・運営又は開催,(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競艇・小型自動車競争の興行に関するものを除く。),書籍の制作」を指定役務として、同9年7月18日に設定登録、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張

請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至甲第69号証(枝番含む。)を提出した。

本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第8号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項によりその登録を無効とすべきものである。

1.商標法第4条第1項第11号について

(1)引用A商標は、請求人のグループ会社に属する「株式会社京王百貨店」(以下、「京王百貨店」という。)の所有に係る登録商標である。京王百貨店は、昭和36年3月10日に設立され、昭和39年11月に新宿にオープンした店である。

本件商標は「京王企画」の文字よりなるところ、構成中の「企画」の文字は、通常「計画をたてること、又、その計画、くわだて、もくろみ」等を意味し、この「企画」の文字は古くから広範囲の分野で普通・一般に使用される極めて卑近な普通名称に過ぎず、いわゆる造語ではない。

これに対し、「京王」の二文字は、請求人会社が明治43年に採択した「造語」である。したがって、本件商標の要部「京王」と、引用A商標の「京王」とは、商標の外観、称呼及び観念において共通するから、本件商標と引用商標とは類似の商標である。

(2)引用B商標は、請求人所有の登録商標であり、「京王」の文字よりなり、指定役務は「娯楽施設の提供、その他」となっている。

しかして、本件商標の指定役務は、第42類「パチンコに関する情報の提供」であるところ、同役務は、特許庁商標課で定めた「類似群コード」によると、本来第41類に属すべきものであるから、本件商標と引用商標の指定役務は類似するものである。

また、本件商標の要部は「京王」の文字部分にあるから、「京王」の文字よりなる引用B商標とは外観、称呼、観念を共通にするものであり、標章が類似し、かつ、両者の指定役務は類似するものである。

したがって、本件商標は第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

2.商標法第4条第1項第15号について

(1)引用登録第3273373号商標(以下、「引用C商標」という。)は、「京王」の文字を横書きしてなり、第39類「鉄道による輸送」等を指定役務とするものであり、本件商標の出願前から著名な商標となっている。

「京王」の文字は、東京の「京」と八王子の「王」にちなんでつけられた名称であって、「京王」なる文字は商標法上のいわゆる「造語」であることが明らかである(この点については、甲第6号証として提出した東京高裁の判決書においても「造語」であると認定されている)。

「京王グループ企業」は、1994年当時において、請求人以外に、次のように4つに大別される。

運輸グループ(6社)、流通グループ(11社)、レジャー・サービスグループ(13社)、建設・不動産・その他(9社)。

そして、グループの各企業の商号は、殆ど「京王」の文字を頭部に表示した商号を採択しており、これによって各企業は「京王」の出所表示を明示している。

引用C商標は、請求人の登録商標として本件商標の出願前より、「鉄道による輸送」の役務において著名であり、更に引用A商標も「京王百貨店」の登録商標として百貨店のサービスマークとして本件商標の出願前より著名性を獲得し、現在に至っている。

(2)引用登録第4242825号商標(以下、「引用D商標」という。)は、「京王」の文字を横書きしてなり、第42類「宿泊施設の提供」等を指定役務とするものであり、「京王プラザホテル」等により役務「宿泊施設の提供」について長年使用された結果、本件商標の出願前から著名な商標となっている。

本件商標は、「京王企画」の文字よりなり、第16類「印刷物」及び第42類「パチンコに関する情報の提供」を指定商品及び指定役務とするものである。

これに対し、「京王」の二文字は、前記のように、請求人会社が採択した「造語」である。しかも、前記のように引用C及びD商標の「京王」のマークは、いずれも日本国内において、「鉄道による輸送」及び「ホテルサービス業」につき、需要者の間に広く認識されている商標であり、本件商標の出願前より、各役務について周知・著名な商標となっている。

また、商標審査基準に照らしても、本件商標と引用C及びD商標である「京王」との関係を見た場合、本件商標は他人の著名な商標(京王)と他の文字(企画)とを結合した商標とみられるものである。したがって、本件商標「京王企画」が四文字の外観構成がまとまりよく一体に表されていても、これに接する需要者・取引者は、本件商標中の「京王」の文字に着目し、引用商標「京王」との関連性を想起するから、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがある商標として推認されてしかるべきものである。

したがって、本件商標は第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

3.商標法第4条第1項第8号について

「京王」なる標章は、「京王グループ」の中核たる請求人、或いは「京王百貨店」をはじめとし、グループ企業の「京王プラザホテル」、「京王ストア」、「京王自動車」、「京王運輸」、「京王建設」、「京王不動産」らをしめす商号として、本件商標の出願前から著名な略称となっている。

したがって、本件商標は第4条第1項第8号の規定に違反して登録されたものである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙第32号証及び参考資料を提出した。

1.商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標「京王企画」は、標準文字で表され、軽重の差なく一連に横書きされ、その外観構成がまとまりよく一体に表された商標である。また、称呼上も、「ケイオウキカク」の7文字でまとまりよく一連に称呼され、これを「ケイオウ」と「キカク」に区別して発音される格段の理由はない。また、観念上も、「京王企画」からは、「京すなわち東京の王の企て、もくろみ」という独自の観念が生ずる。特にパチンコの業界では、「王」、「勝」、「帝」等の文字は、「パチンコ機等において勝つ、すなわち損をせず利益を得る。またはパチンコ機を制覇する。」等の観念を有し、特別の観念を有するものである。

ここで、請求人は、本件商標「京王企画」の「企画」だけを分離して、「『企画』の文字は『計画をたてること、又は、その計画、くわだて、もくろみ』等を意味し、...広範囲の分野で...使用される...普通名称に過ぎず、いわゆる『造語』ではない。」旨、主張している。しかし、「企画」という単語は、指定商品「印刷物」において、印刷物に関する普通名称ではなく、また、印刷物の内容を具体的に表示するものでもない。したがって、「企画」という単語は、指定商品「印刷物」において、自他商品識別力を有する単語であり、本件商標「京王企画」は全体として1つの造語である。よって、本件商標の要部は「京王企画」のみであり、これを「京王」と「企画」に分離して「京王」のみを本件商標の要部とすべき必然性はどこにもない。

また、本件商標「京王企画」の由来は、被請求人すなわち本件商標の商標権者の名称「株式会社京王企画」の「株式会社」を省略したものであり、商標権者の商号そのものを表すものである。

これに対し京王百貨店の有する商標「京王」は京王電鉄株式会社の「京王」と容易に観念される。

以上検討したように、本件商標「京王企画」と商標「京王」は非類似の商標であり、指定商品「印刷物」の流通経路における取引業者、一般の需要者をして、商標「京王」と本件商標「京王企画」を彼是混同し、出所の混同を生ずることはない。したがって本件商標「京王企画」は指定商品「印刷物」において、第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)被請求人は、本件商標の指定役務 第42類「パチンコに関する情報の提供」が、第41類の「娯楽施設の提供」に属すべきものであることを認める。

請求人は、本件商標に対して引用B商標を引用し、本件商標「京王企画」が第4条第1項第11号に該当する旨を主張している。

しかしながら、被請求人の商標「京王企画」と請求人の商標「京王」とは、前記したとおり、それぞれの外観、称呼、観念のいずれも類似するものではなく、全体としても、非類似の商標である。

したがって、本件商標は第4条第1項第11号に該当しないものである。

2.商標法第4条第1項第15号について

同第15号は、同第10号から同第14号に掲げる類似概念により規定される一般的出所の混同の範囲を超えて、非類似商標間または非類似商品若しくは役務間でその商品若しくは役務の取引者、需要者が具体的に出所の混同を生ずるおそれがある場合に適用の意義があると解される(「商標法審査基準」参照)。

したがって、本号は、類似範囲を超えて適用されるのであるから、本号を適用するにあたり、「他人の業務に係る役務又は商品と混同を生ずるおそれがあるかどうかの認定にあたっては、取引の実情等個々の実態を充分考慮する」必要がある。

本件商標と請求人の商標が非類似の商標であることは、先に述べたとおりであり、これを前提として、同第15号を、本件商標と請求人の商標にあてはめた場合、本件商標の指定商品「印刷物」の譲渡等もしくは指定役務「パチンコに関する情報の提供」を受ける需要者、取引業者が請求人の商標に係る「京王グループ」の関連企業の1つから印刷物の譲渡等若しくは役務の提供を受けたものであると出所混同をするおそれがあるか否かという点が問題となる。

この点について、被請求人である本件商標の権利者 株式会社京王企画は、全国的なパチンコ業界およびパチンコの一般利用者において、独自の企業努力により、独自の信用(グッドウイル)を確立している(乙各号証参照。)。

これに対し、請求人に係る「京王グループ」が、鉄道、車両(第39類)による輸送その他、宿泊施設の提供、その他(第42類)等の業種において、著名であったとしても、本件商標が対象とするパチンコ業界およびその利用者においては、周知とは言いがたい。むしろ、パチンコ業界およびその利用者においては、上述の企業活動を現実に行っている被請求人の本件商標のほうが、全国的にも周知といえる。

このように、株式会社京王企画が平成8年より現在に至るまでの5年間、上記事業を行っているが、請求人に関する「京王グループ」と出所の混同を生じた事実は一度もない。本件商標の登録公報が発行され、登録異議申立期間が経過し本審判請求がされる平成11年12月24日に至るまで、請求人に係る「京王グループ」が被請求人に対し、出所混同の防止について何らの行動も起こさなかったという事実がこれを証明している。

以上検討したように、本件商標は第4条第1項第15号に該当するものではない。

3.商標法第4条第1項第8号について

(1)請求人は、本件商標「京王企画」は、請求人および請求人のグループ会社らの商号の「著名な略称」を含むものであるから、同第8号の規定に該当する旨主張している。

ここで、同第8号に該当するか否かの判断において、「『著名』の程度の判断については、商品又は役務との関係を考慮するものとする。」旨が、前述の「商標審査基準」に同第8号の判断基準として示されている。

また、本号の趣旨は、自己の氏名、名称等が他人によりその商品またはその役務の商標として使用され、それによって世人がそれらの氏名、名称と商品または役務との間になんらかの関係があるように認識し、そのために氏名、名称を有する者がこれを不快とし、その人格権を毀損されたものであると感ずるであろうことが、社会通念上客観的に明らかであると認められるような場合において、人格権保護の建前から事前にこのような者の承諾を得せしめようとすることにあると解される。また、たまたま氏名、名称が同一でも商標ないし商品とその人との関係が、一般世人に認識されないような場合に至るまで承諾を要するとすることは、人格権保護の趣旨からしても行き過ぎであると解される。

本件に上記審査基準および本号の趣旨をあてはめた場合、本件商標「京王企画」をパチンコの業界において、そのパチンコ・パチスロに関する印刷物に付して販売等をしたり、パチンコ等に関する情報を提供した場合に、パチンコ業界の取引者や一般利用者が「京王グループ」となんらかの関係があるように認識するか否か、という点が論点となると解する。

パチンコ店というのは、他のレクリエーション施設とは異なり、遊戯場等の一角に存在するものではなく、通常独立した店舗を構えるものである。また、パチンコの情報のみに関する専門雑誌が数多く出版され、通常のレクリエーションとは独立した独特の雰囲気を持つ固有の業界である。京王グループは過去から現在に至るまで、パチンコ業界における関連事業を何ら有していない。これに対し、被請求人である株式会社京王企画は、過去5年間、自己の業務に係る商品「印刷物」および「パチンコに関する情報提供」に関して、自己の名称たる「京王企画」を大々的に宣伝・広告し、誠実な商品または役務提供を行い、パチンコ業界において、顧客の多大な信用(グッドウイル)を獲得している。このような状況下においては、例え請求人に係る京王グループの略称「京王」が著名であったとしても、株式会社京王企画の商品やサービスを、パチンコ業界の取引者や一般利用者が「京王グループ」となんらかの関係があるように認識することはありえない。

したがって、本件商標「京王企画」は第4条第1項第8号にも該当しないものである。

(2)請求人は、「京王」なる語が、請求人にかかる「京王グループ」の造語であり、著名であるため、被請求人の商標「京王企画」は同第8号に該当し無効である旨述べている。

「京王」の語は、被請求人の商標「京王企画」の指定役務「パチンコに関する情報の提供」が属するパチンコ業界においてしばしば見受けられるものであり、特定のグループを意味する言葉ではない。また、「京王」の語を冠した企業はパチンコ業界以外にも存在する。さらに、新潟県新潟市には、「京王」と言う地名が存在し、この地名「京王」を冠したと思われる企業も存在する。

なお、上記の企業は、いずれも、請求人にかかる「京王グループ」に属するものではないものと思われ、上述した以外にも、「京王」の語を冠した企業は全国に多数存在するが、これらが、請求人にかかる「京王グループ」との出所混同を生じているものでもない。

このため、「京王」の語は、必ずしも請求人にかかる「京王グループ」の造語と言えるものではなく、直ちに請求人にかかる「京王グループ」を意味するものでもない。

したがって、被請求人の商標「京王企画」は、第4条第1項第8号に該当するものではない。

第5 当審の判断

1.本件請求人の提出に係る甲各号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)本件請求人である「京王電鉄株式会社」は、明治43年9月21日に「京王電気軌道鉄株式会社」として創立されたものであるところ、その「京王」の名称は、東京の「京」と八王子の「王」にちなんでつけられたもの(甲第19号証)であって、この事実は東京高裁判決においても認定されている(甲第6号証)。

さらに、甲第24号証(枝番を含む。)乃至同第32号証の「大百科事典(平凡社)」「日本語大辞典(講談社)」ほかの各辞典類には、「京王電氣軌道」「京王帝都電鉄」の項及び記載を見出すことができるが、「京王」の文字(語)自体は項目として掲載されてはいない。

(2)「京王電鉄株式会社」を中心とする企業グループ(以下、「京王企業グループ」)は、運輸グループ6社(「京王電鉄株式会社」、「京王自動車」、「京王運輸」等)、流通グループ11社(「京王百貨店」、「京王ストア」等)、レジャー・サ−ビスグループ13社(「京王プラザホテル」、「京王観光」等)及び建設・不動産・その他のグループ9社(「京王建設」、「京王不動産」等)のように多角的な業務を行っており、現在では東京を中心とする関東圏のみならず、全国的な企業グループである事実が認められる(甲第41号証)。

「京王電鉄」「京王百貨店」「京王プラザホテル」を指称する際に「京王線」「京王デパート」「京王ホテル」等の他に、単に「京王」と略称する事実が認められる(甲第33号証乃至同第39号証、甲第47号証乃至同第53号証、甲第60号証)。

また、昭和24年1月5日付けのものをはじめ、平成11年1月4日付けまでの日本経済新聞の東京株式相場の輸送欄には「京王」が継続的に記載されている(甲第59号証の1乃至同12)。

なお、前記「京王企業グループ」の中には、本件商標の指定商品である第16類「印刷物」と関係の深い「書籍、文具等の販売」を行っている「京王書籍販売株式会社」も存在している。

2.以上よりすれば、「京王」の文字は、固有の語義を有する既成の語とはいえず、請求人に係るいわゆる造語と認められるものである。そして、本件商標の登録時はもとよりその登録出願時において、前記「京王企業グループ」の多岐に亘る業務を表示するものとして需要者間に広く認識され、著名な商標となっていたと認め得るものである。

3.しかして、本件商標は「京王企画」の文字よりなるものであるところ、「企画」の文字は「計画をたてる」等の意味合いを表す既成の語であるが、これと「京王」とが結合することによって、全体が特定の意味合いを表し常に不可分一体のものとして把握・認識されるものとなっているとは認められない。そして、前記した著名な商標である「京王」の文字をその構成中に含むものであるから、これに接する者は、当該「京王」の文字に着目し前記企業グループの「京王」を連想し、本件商標を使用する者が恰も「京王企業グループ」の一員であるかの如く認識する場合が少なからずあるものと推認し得るものである。

4.被請求人は、本件商標「京王企画」がパチンコ業界及びその利用者においては、全国的に周知である旨主張しているが、提出された乙各号証によってはその事実を認めるに不十分であるというべきである。また、パチンコが娯楽遊戯の一として大衆に愛好されていることはよく知られていることである。その利用者・需要者も限定された範囲に止まるとは言い難く、レジャー・サービスを始めとして前記グループの事業の需要者も当然に含まれるものである。

5.してみれば、本件商標をその指定商品又は指定役務について使用した場合は、これに接する取引者・需要者をして、該商品若しくは役務が請求人又は請求人と関係のある者の取り扱いに係る商品若しくは役務であるかの如く誤認させ、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。

6.したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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