結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35798号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4225231号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成2年7月5日に登録出願、第11類「電子応用機械器具」を指定商品として、同10年12月25日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効理由(商標法第4条第1項第11号)に引用する登録第1449546号商標(以下、「引用A商標」という。)は、「TDK」の欧文字を横書きしてなり、昭和51年12月6日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同55年12月25日に設定登録され、同じく、登録第1783114号商標(以下、「引用B商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和57年1月20日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同60年6月25日に設定登録され、同じく、登録第1783115号商標(以下、「引用C商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和57年2月18日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同60年6月25日に設定登録されたものであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求める、と申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第121号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号違反について
本件商標は、黒塗りの図形に「dtk」の文字を白抜きしてなるものであり、「ディーティーケイ」の称呼を生ずる。
引用A・B・C商標は、いずれも本件商標の出願日前に出願され、登録されている。引用B商標及び引用C商標は、いわゆるデバイスマークと組み合わされているが、該マークは称呼に影響するものではなく、引用A・B・C商標は、いずれも「ティーディーケイ」の称呼を生ずる。本件商標より生じる「ディーティーケイ」と引用A・B・C商標より生じる「ティーディーケイ」の両称呼はともに同数音からなり、2音が相違するが、相違する音は、いずれも母音を共通にする近似音であり、清音と濁音の微差があるにすぎないものである。しかも、アルファベット「T」(ティー)と「D」(ディー)は判別して聞き取りにくく、とりわけアルファベットの発音に慣れていない日本人が発音した場合には、それを聞いて判別することはきわめて困難である。加えて、差異のある2音はただ単に相互に入れ替わっているにすぎないものであることに鑑みると、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語韻がきわめて近似したものとなり、とりわけ日本人には混同しやすいものとなる。
しかも、本件商標と引用A・B・C商標の指定商品は、一般消費者を需要者とする商品をも含む電子応用機械器具等である。かかる指定商品に該当する商品はテレビ、ラジオ等の宣伝広告、店頭販売はもとより、電話などによって、商談ないし販売の勧誘などがなされることも多く、需要者、とりわけ一般消費者が聞き誤って、混同が生じるおそれは大きいものといわなければならない。よって、本件商標と引用商標が称呼上類似することは明白である。また、本件商標の指定商品は、「電子応用機械器具」であり、引用A・B・C商標の各指定商品と同一ないし類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反するものである。
(2)商標法第4条第1項第10号違反について
請求人は「TDK」を要部とする商標(以下、「TDK商標」という。)を請求人が製造販売する各種商品につき使用し、請求人自身及び請求人の商品ないし役務を表示するものとして、本件商標が出願された平成2年7月5日の時点で周知著名な商標であったのであり、前記(1)で述べたことと同一の理由により、本件商標は、TDK商標に称呼上類似し、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に違反するものである。
(3)商標法第4条第1項第15号違反について
TDK商標が日本国内のみならず、全世界的に周知著名な商標であること、被請求人の商品と請求人の業務に係る商品との関連性が極めて強いこと、TDK商標を使用したオーディオテープ、ビデオテープ、MDといった商品が一般消費者をも対象に、広く宣伝広告されていることからすれば、頻繁に行われるテレビ、ラジオ等の宣伝広告、店頭販売、電話などによる商談ないし販売の勧誘などの際に、需要者、とりわけ一般消費者が聞き誤って、混同が生じるおそれは極めて大きいものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反するものである。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反するものであり、同法第46条第1項第1号の規定により無効とされるべきである。
被請求人は、何ら答弁するところがない。
本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その構成上部の黒塗り図形内に「dtk」の欧文字を白抜きにして表したものと容易に理解できるものであって、これより生ずる称呼をもって取引に資されるものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、「dtk」の欧文字に相応して「ディーティーケイ」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用A商標は、「TDK」の欧文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「ティーディーケイ」の称呼を生ずるものと認められる。
また、引用B・C商標は、「TDK」の欧文字を横書きし、前者はその左側部に、後者はその上部にそれぞれ同一図形の相似形を配した構成からなるところ、その文字部分と図形部分は視覚上分離して認識されるばかりでなく、図形部分からは特定の称呼、観念が生ずるものともみられないので、意味上においても両部分を一体のものとして把握すべき事情はないといえるものであるから、かかる場合構成中の「TDK」の文字部分を捉えて、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないとみるのが相当である。そうすると、引用B・C商標は、その構成中の「TDK」の文字に相応して、「ティーディーケイ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「ディーティーケイ」の称呼と引用A・B・C商標より生ずる「ティーディーケイ」の両称呼を比較すると、両者は、共に3音構成(長音を含む)よりなるものであって、異なるところは、第1音における「ディー」と「ティー」及び第2音における「ティー」と「ディー」の音の差、即ち、第1音と第2音において「ディー」と「ティー」の音を入れ替えたにすぎないものである。
そして、該差異音である「ディー」と「ティー」の音は、いずれも「ティ」の濁音と清音の微差にすぎない近似した音に長音を伴っている関係上、両音は酷似した音として聴取されるといえるものであるから、「ディー」と「ティー」の音を入れ替えたとしても、両称呼をそれぞれ一連に称呼したときは、全体の語感、語調が相似たものとなり、彼此聴き誤るおそれのあるものといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用A・B・C商標とは電話等口頭による取引が普通に行われる取引社会の実情よりすると、商標より生ずる称呼をもって取引指標とする場合も少なからずあるといえるから、前記の称呼において類似する商標であり、かつ、両商標の指定商品は同一又は類似のものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その余の請求の理由について判断するまでもなく、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録を無効とすべきものとする。
よつて、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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