結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30273号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2622768号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成3年12月6日に登録出願され、「ALMAX」と「アルマックス」の文字を併記してなり、第16類「無機繊維織物、交織物、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成6年2月28日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「フェルト及び不織布、オイルクロス、ゴム引防水布、ビニルクロス、ラバークロス、レザークロス、ろ過布」についての登録を取り消す、との審決を求め、その理由および答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(1)本件商標は、商標権者により指定商品中、上記商品について、継続して3年以上日本国内において使用されていない。
また、本件商標の商標権には、専用使用権は設定されていない。加えて通常使用権も登録されていない。
したがって、本件商標は指定商品中、上記商品について、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
▲1▼ 「不織布」の使用について
被請求人は、乙第1号証の1及び2に商品形態は「(1)ヤーン、(2)クロス・スリーブ・テープ」であり、本件商標は「クロス」として販売しており、この「クロス」は「布地」全般を意味するので、「不織布」を含んでいる、したがって、本件商標は「不織布」に使用されていると主張する。
しかしながら、本来「クロス」は「織物」を意味するので、この「クロス」の語の存在が「不織布」についての本件商標の使用を立証するものではない。かりに、「クロス」の語が「布地」全般を意味し、「不織布」を含むものであっても、布地には「織物、編物、フェルト、不織布」等の様々なものがあり、「クロス」が即「不織布」を意味するものでない以上、「不織布」について使用されていたことを何ら立証するものではない。
そして、乙第1号証の1及び2の概要の項には「アルマックスはヤーンのほか織物、チョップドファイバー,組紐,スリープ,テープなども販売しています」との記述があり、不織布に使用している旨の記述はないから、この証拠方法における「クロス」とは「織物」を指すと言える。
さらに、不織布とは「糸の形態を経ずに、繊維シート(ウェブ)を機械的・化学的・熱的に処理し、接着剤や繊維自身の融着力で接合してなる布」であり、一方、織物とは「経糸(たていと)と緯糸(よこいと)とを組み合わせて機にかけて織った布」である(甲第1号証)が、乙第1号証の1及び2の「アルマックスクロスの品番」の項には「タテ糸、ヨコ糸」の記述があり、この記述から問題の「クロス」が織物であって、不織布ではないことが明らかである。
被請求人は、乙第3号証において「3.アルマックスは用途も多彩。さまざまな分野で活躍しています。その用途の一部として、3)耐火断熱材料 金属・セラミック熱処理スペーサー/断熱カーテン/高温フィルター/耐熱パッキン材」と示されているが、これら商品は原材料が「不織布」であることを前提としていると主張している。しかしながら、この記述は、本件商標が使用されている「アルミナ長繊維」の用途を示したものに過ぎず、本件商標が「不織布」に使用されていることを何ら立証するものではない。
▲2▼ 「ろ過布」の使用について
被請求人は、本件商標が使用されている「アルミナ長繊維」は高温フィルターの原材料となるので、本件商標は「ろ過布」に使用されていると主張する。しかしながら、▲2▼の項で述べたように、これは「アルミナ長繊維」の用途を示したものに過ぎず、被請求人によって本件商標が「ろ過布」に使用されていることを何ら立証するものではない。
以上述べた如く、被請求人は商標法第50条第2項に言う登録商標の使用を何ら立証していない。
よって、請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると次のように答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)を提出した。
(1) 請求の理由の認否
▲1▼審判請求書の第1頁から第2頁にかけての本件商標に関する書誌的事実についての記載は認める。
▲2▼同第2頁5行目の「しかるに、」から第8行目迄は争う。
▲3▼同第2頁9行目以下は否認する。
(2)「不織布」についての使用
乙第1号証が示すとおり、本件商標は、商品「高純度αー長繊維」に使用されていることは明らかであり、その商品形態は、「(1)ヤーン、(2)クロス・スリーブ・テープ」であるとされている(「4.アルマックス製品形態」参照)。即ち、本件商標に係る商品「高純度αーアルミナ長繊維」は、「クロス」として製造販売されることが明示されている。
この「クロス」は、乙第2号証から明らかなように、「布」又は「布地」全般を意味するので、「織物」に限定されるものではなく、「不織布」を当然含んでいると理解すべきである。
従って、本件商標は、当該商品について直接にあるいは宣伝として「不織布」に使用されていることになる。
乙第3号証では「3.アルマックスは用途も多彩。さまざまな分野で活躍しています。」とし、その用途の一部として、「3)耐火断熱材料 金属・セラミック熱処理スペーサー/耐熱カーテン/高温フィルター/耐熱パッキン材」が示されているが、これら商品は原材料が「不織布」であることを前提として製造されるものである。例えば、建築用の耐火断熱材料が不織布を使用しているのはよく目にするところである。
(3)「ろ過布」についての使用
「ろ過布」における「布」は、「織物」であろうと「不織布」であろうと問うところでなく、また、「ろ過布」における「ろ過」とは「フィルター」である。
これに対し、本件商標に係る商品「高純度α−アルミナ長繊維」は、「クロス」であるから「布」であり、これを原材料とする「高温フィルター」は、高温用に使用される「ろ過布」にほかならない。従って、本件商標は「ろ過布」について使用されている。
(4)以上のように、本件商標は、その指定商品である「不織布」及び「ろ過布」に使用されていることは明らかであり、本件審判の請求は成り立たない。
商標法第50条による商標登録の取り消し審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取り消しを免れない。
そこで、本件審判において被請求人より提出された乙第1号証の1及び2、同第3号証について判断するに、乙第1号証の1は、株式会社テクノプラザ発行の「材料マニュアル’97 第14集」(抜粋)と認められ、又乙第1号証の2は、工業製品技術協会発行の「セラミックデータブック’97」(抜粋)と認められるところ、それぞれには本件商標を表示した製品紹介がされているが、その製品形態の欄には、織物(組織)の特徴といえるタテ糸、ヨコ糸の記載があり、被請求人が本件商標の使用を主張する不織布又はろ過布と認められる記載(表示)は見当たらない。そして、上記の乙第1号証の1及び2の製品紹介の頁には、「三井鉱山マテリアル(株式会社)」の表示はあるが、被請求人(商標権者)である「三井鉱山株式会社」の表示のないものである。また、乙第3号証は、被請求人発行の「高純度α−アルミナ長繊維」と題するパンフレット(抜粋)と認められるものであり、本件商標が大きく表示され、その用途として「高温フィルター」の記載はあるものの、被請求人が本件商標の使用を主張する不織布又はろ過布と認められる記載(表示)は見当たらないばかりでなく、同パンフレットが、本件審判請求の登録前3年以内に発行されたことを裏付ける記載はない。
他に、本件商標が被請求人(商標権者)によって本件審判の請求の登録前3年以内に商品「不織布」又は「ろ過布」について使用されたことを客観的に証明する証拠の提出はない。
以上のとおり、被請求人が提出した乙各号証によっては、被請求人が本件商標を請求に係る商品について使用していたものということはできない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により本件審判の請求に係る商品「フェルト及び不織布、オイルクロス、ゴム引防水布、ビニルクロス、ラバークロス、レザークロス、ろ過布」について、使用されていたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「フェルト及び不織布、オイルクロス、ゴム引防水布、ビニルクロス、ラバークロス、レザークロス、ろ過布」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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