結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30531号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
I 本件商標
登録第2698128号商標(以下「本件商標」という。)は、「JET PILOT」の欧文字と「ジェットパイロット」の片仮名文字を上下2段に書してなり、第21類「装身具、ボタン類その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年12月28日登録出願、同6年10月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
II 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1.本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者または使用権者のいずれもが使用したことがないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。
2.答弁に対する弁駁
(1)乙各号証の何れも、標章「JET PILOT」が、本件審判請求時までに、バッグ類及び袋物類に付されていたことを客観的に示すものではない。
(2)即ち、商標使用権設定契約書(乙第1号証)は、私文書であり、本件審判請求時までに存在していたかどうか、にわかに知ることはできない。実際、平成10年5月25日現在、登録された使用権者は存在しなかった。また、たとえこのような契約書が存在していたとしても、これのみからは、標章「JET PILOT」が本件審判請求時までにバッグ類及び袋物類に付されていたかどうか全く知ることができない。
(3)乙第2号証ないし乙第10号証についても、標章「JET PILOT」が、本件審判請求時に、バッグ類等に付されていたことを客観的に知ることはできない。撮影の年月日欄には任意の年月日を記入することも可能であり、この日付のみをもって、本件審判前にこれらの標章が各製品に付された事実を信じることはできない。これら、標章を付されたバッグ類が実際の取引に供されたことを示す証拠が皆無であるからである。
請求者は、乙第1号証から乙第10号証について、検証及び証人尋問を申請する。
III 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
1.本件商標は、商標権者及び使用権者により、その登録出願以来現在まで継続して使用されている。
(1)使用権者である徳永商行株式会社(大阪市淀川区西宮原2丁目2番17号)は、被請求人の親会社であって、被請求人の承諾を得て、例えば「装身具、ボタン類、かばん類、袋物」等の商品について、本件商標を使用している。
同じく、株式会社ポーム(大阪市中央区上汐2丁目5番18号、以下「ポーム」という。)は、被請求人と商標使用権設定契約をし(乙第1号証)、平成7年9月25日以降本件商標を「手下げかばん」「パス入れ」「ポシェット」「デイバッグ」等の商品に使用している。
(2)乙第2号証及び乙第3号証は、1996年(平成8年)ポームにおいて商品発注の際に使用されたオーダーシートの一部である。
また、乙第4号証ないし乙第8号証は、ポームにおける本件商標の使用説明書である。
これにより、本件商標が平成7年9月以降現在に至るまで継続して使用されていることが明らかである。
(3)乙第9号証及び乙第10号証は、被請求人が「JET PILOT」の商標を商品「手下げカバン」について使用した使用説明書であり、これによっても本件商標の使用の事実は明らかである。
IV 当審の判断
1.乙第1号証によれば、被請求人は、平成7年9月25日にポームとの間で、本件商標に関し、使用許諾契約を締結したことが認められる。
2.本件商標の使用の事実を立証する証拠について
(1)被請求人が、上記ポームにおいて商品発注の際に使用されたオーダーシートの一部であると主張する乙第2号証及び乙第3号証を徴するに、これらの書証はいずれも不鮮明であるが、乙第4号証ないし乙第8号証とを総合すれば、本件商標と社会通念上同一と認められる「JET PILOT」の商標が本件商標の指定商品に属する「かばん類、袋物」等に使用されていることが認められる。
しかしながら、上記オーダーシートには、商品の発注日、発注先等の記載がなく、たとえポームが平成7年9月25日をもって、本件商標の使用を許諾されている立場にあったとしても、該オーダーシ一トに掲載されている商品が、本件審判の請求登録前3年以内に取り引きされたものであると明らかにしない以上、乙第2号証及び乙第3号証によっては、本件商標が本件審判の請求登録前3年以内に使用されたものと認めることはできない。
(2)被請求人が、ポームにおける本件商標の使用説明書である旨述べている乙第4号証ないし乙第8号証は、本件商標と社会通念上同一と認められる「JET PILOT」の商標を使用した「かばん類、袋物」等の写真と認められるところ、これらが実際に取り引きされたという事実を立証する書類は、僅かに乙第2号証及び乙第3号証のみであり、乙第2号証及び乙第3号証とても、前記2.(1)で認定したとおりであるから、これら商品の取引が本件審判の請求登録前3年以内にあったのか不明であり、したがって、乙第4号証ないし乙第8号証からは本件商標が本件審判の請求登録前3年以内に使用されたものと認めることはできない。
(3)被請求人が「JET PILOT」商標を商品「手下げカバン」について使用した使用説明書であるとする乙第9号証及び乙第10号証は、単に「手下げカバン」の写真があるのみで、これらについて実際に取引がなされたことを立証する証拠が何ら提出されていないものであるから、これらの証拠をもって、本件商標が本件審判の請求登録前3年以内に使用されたと認めることはできない。
3.以上によれば、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が請求に係る商品について使用されているとしても、乙各号証をもってしては、本件審判の請求登録前3年以内に日本国において、本件商標を請求に係る商品について使用していたことを証明することはできないものといわなければならない。また、被請求人は、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
なお、請求人は、乙第1号証ないし乙第10号証について、検証及び証人尋問を申請しているが、本件は、提出された書証により、上記のとおり判断し得るところであるから、これを行わないものとする。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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