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Trademark Appeal Case

包装用袋の商標使用の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30753号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

商標法第50条の規定により、登録第2204732号商標の登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

I 本件商標

本件登録第2204732号商標(以下「本件商標」という。)は、「LITTLEMERMAID」の欧文字と「リトルマーメイド」の片仮名文字を上下2段に書してなり、第21類「装身具、かばん類、袋物、造花、化粧用具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和62年9月28日登録出願、平成2年1月30日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

II 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1.被請求人は、本件商標をその指定商品のいずれについても継続して3年以上日本国内において使用していない。

また、本件商標について専用使用権者、通常使用権者として使用している者も存在しない。

2.答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、本件商標を「手提げ紙袋」(乙第2号証)及び「クラッチバッグ」(乙第3号証)に使用した旨主張する。(以下、使用に係る両商品をまとめていうときは、「使用商品」という。)

▲1▼乙第2号証及び乙第3号証によれば、筆記体で書かれた「Little Mermaid」の文字が、使用商品の中央に大きく表示され、また、それぞれを包装した紙、もしくは箱の端に「リトルマーメイド」の文字を表示したシールが貼られている。

▲2▼使用商品は、答弁書の記載から明らかなとおり、被請求人のフランチャイジーであるパン小売店舗(以下、「加盟店」という。)において販売される「パン」等を入れて顧客が持ち帰れるように渡す、いわば包装用の袋である。

(2)上記のとおり、使用商品は、加盟店のサービス品であり、そこに表示された「Little Mermaid」の文字が商品としての「かばん、袋物」の商標でないことは明白である。

この法理は、巨峰事件(福岡地裁飯塚支部昭和46年9月17日判決、甲第2号証)において、「巨峰」種の葡萄の入った段ボール箱に大きく表示された「巨峰」の標章は、その客観的機能からみても、製造者の主観的意図からみても、内容物たる巨峰葡萄の表示であり、包装用客器たる段ボール箱についての使用ではない旨判示したとおりである。

本件の場合もこれと実質的に同一であり、本件使用商品に表示された「Little Mermaid」「リトルマーメイド」の標章は、その客観的機能からみても、使用者の主観的意図からみても、商品「パン」の商標ないし加盟店の店名表示であり、独立した商品たる「袋物」等についての使用ではないことが明らかである。

(3)これら使用商品の包装紙及び包装箱に貼られたシールは、その中に被請求人ないしそのフランチャイジー用の包装用紙袋が入っていることが外見からわかるようにするために貼られたにすぎないものと解され、商品たる「袋」の出所等を示す識別標識として機能するものではない。

(4)そもそも、乙第2号証及び乙第3号証に示す使用商品は、商品「パン」等を包装するためのものであって、旧第18類に属する「紙製包装用容器」の概念に包含されるものであり、本件商標の指定商品(旧第21類)ではないと解される。

したがって、仮に、使用商品に商標が使用されていたとしても、その使用は、本件審判請求に係る商品についての使用ではない。

3.以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の「袋物」等に使用されているものではなく、また、他に本件商標がその指定商品に使用されたことを立証する証拠も何ら提出されていない。

III 被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない旨答弁し、その、理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。

1.(1)被請求人は、「リトルマーメイド」と称呼されているフランチャイズペストリーチェーン店等を全国的に展開している(乙第1号証)。

乙第1号証に記載の加盟店は、平成10年9月30日現在725店舗あり、被請求人、あるいはその子会社であり、本件商標の通常使用権者である株式会社アンデルセン(以下「アンデルセン」という。)からパン、ペストリー製品の原材料等を継続的に購入しているとともに、店舗を運営するに際し使用する各種の物品を継続的に購入している。

そして、これら加盟店のオーナーは被請求人あるいはアンデルセンとは全く異なっており、別人のパン小売店舗として位置づけられている。

(2)各加盟店等の店舗においては、顧客が購入を欲するパン、ペストリー等を自ら選んで、店内に用意したセルフトレイ(お盆)に載せ、レジで購入するのであるが、各店舗では乙第2号証や乙第3号証に示す買い物袋(使用商品)に入れて品物を渡している。

(3)手提げ紙袋(乙第2号証、「LM」はリトルマーメイドを示す。)は、通常100枚単位で包装され、その包装箱外面には「リトルマーメイド」との登録商標が表記されている。

また、クラッチバッグ(乙第3号証、「LM」はリトルマーメイドを示す。)は、通常1000枚単位で箱詰めされ、その包装箱外面にも「リトルマーメイド」との登録商標が表記されている。

そして、被請求人、あるいはアンデルセンは、使用商品を各加盟店、あるいは取引のあるパン小売り店へ販売している(乙第4号証、乙第7号証)。

(4)乙第4号証は、平成10年6月16日にアンデルセンがLM天王台店に、1000枚入りのクラッチバッグを2ケース販売した際に受け取った商品受領書の控えである(受領書の記載では100枚入りで包装されたものを20個5940円で販売した)。

LM天王台店は、乙第1号証のNo,564に記載されている「LM天王台店」のことで、1995年4月15日に千葉県に開店した店舗である。

(5)乙第5号証及び乙第6号証は、乙第4号証の買い物袋に関してのLM天王台店の店長である宇井清三の証明書である。前者はアンデルセンから購入したことを、後者は乙第4号証の受領書に相違ないことを証明したものである。

(6)乙第7号証は、1998年3月4日にアンデルセンがLM幡ケ谷店に、手提げ紙袋を100枚、1215円で販売した際に受け取った商品受領書の控えである。

2.以上のように、商標権者あるいは通常使用権者は、本件商標を指定商品「買い物袋」に使用している。

IV 当審の判断

1.被請求人が本件商標の使用を主張する乙第2号証及び乙第3号証に示した使用商品についてみるに、答弁の理由及び乙各号証を総合すれば、該使用商品は、被請求人のフランチャイズチェーンの加盟店が、商品「パン、ペストリー」等を販売する際に、販売した商品を入れ、顧客に商品を引き渡す目的で使用されるものであること、被請求人及びその通常使用権者が使用商品を各加盟店等に販売していることが認められる。

2.前記1.の認定事実よりすると、使用商品は、パンなどの商品の販売に付随して、一般消費者に無償で配布される包装用容器というべきものであり、その取引系統も一般消費者を対象としないものと認められる。

そうとすると、使用商品は、物を入れて持ち歩くといった実用性とともに身辺の装飾をも兼ね備えた性格を持つ商品区分第21類に属する「袋物」等とは、その用途、目的等を著しく異にするばかりでなく、その取引系統についても、商品区分第21類の「袋物」等が主として一般消費者を対象に小売り販売する形態をとるものであるから、これと相違するものというべきである。

3.以上によれば、被請求人及び通常使用権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していると主張する使用商品は、包装用容器であって、商品区分第21類に属さない商品と認められるから、本件商標は、その指定商品について使用されていないといわざるを得ない。

4.したがって、被請求人(商標権者)もしくは通常使用権者は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標をその指定商品のいずれかに使用してたことを証明していないばかりでなく、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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