sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

商標「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)…」と「せっけん類(薬剤に属するものを除く。)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く…」の称呼類似性の判断(第46条第1項第1号|審判平成10年審判第35348号)

審判番号
平成10年審判第35348号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)…」引用商標「せっけん類(薬剤に属するものを除く。)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く…」
争点(論点)
称呼類似性の判断
適用条文
第46条第1項第1号
指定商品・役務の区分
第4類
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第35348号・不服)は、本件商標「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)…」と引用商標「せっけん類(薬剤に属するものを除く。)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く…」について、商標法第46条第1項第1号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼類似性の判断」です。指定商品・役務は第4類に属します。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2558024号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙(1)に表示したとおりの構成よりなり、平成3年6月7日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として平成5年7月30日に設定の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の引用商標

請求人が、本件商標の無効の理由に引用する登録第2704574号商標(以下「引用商標」という。)は、別紙(2)に表示したとおりの構成よりなり、昭和63年4月6日に登録出願、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く。)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く。)香料類」を指定商品として平成7年2月28日に設定の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張

請求人は、「登録第2558024号商標の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を概要次のように述べ、証拠方法として甲第1号証の1乃至同2号証の2を提出している。

1.請求の理由

(1)本件商標は、以下に述べるように商標法第46条第1項第1号に掲げる無効理由を有するものであり、その登録が無効とされるべき登録商標である。

(2)本件商標は、引用商標と指定商品を同一にするとともに、商標自体が類似している。しかも、本件商標の登録出願は、平成3年6月7日であり、引用商標は昭和63年4月6日の登録出願である。したがって、本件商標の登録出願は、引用商標に対して後願である。

それ故本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであり、商標法第46条第1項第1号に掲げる無効理由を有するものである。

(3)そこで、本件商標と引用商標との類比について比較する。

本件商標はその構成から「アスニア」と称呼し、引用商標は「アテニア」と称呼されるものである。これらの商標は夫々英文字からも称呼が生じるが、カタカナ文字を有するため、我々日本人に読みやすいカタカナ文字から称呼が出ることは明白である。しかもこれらの両商標は、夫々造語であり、観念が生ぜず、それ故これらの商標を聴取した者は単純に称呼のみでこれらを区別するため、称呼は極めて重要である。

これらの上記両商標の称呼は共に4音から成り、第1音の「ア」、第3音の「二」及び第4音の「ア」が同一である。第2音だけが「ス」と「テ」で相違する。したがって、一般的に聴取者に強い印象を与える第1音が同一であり、またその上聴取者に余韻ののこる末尾の第4音が夫々同一である。またこの末尾の音の前の第3音も同一である。それ故これらの「アスニア」及び「アテニア」は語調、イントネーションも同一であり、これらを聴取した者には極めて似ている印象を与える。

したがって、これらの商票の称呼を時、処を異にして称呼したり又はこれらを聴取した場合、相紛らわしく、称呼上類似するものと思われる。

(4)以上のように、本件商標は、引用商標と類似し、指定商品も同一であり、引用商標の後願であるので、商標法第8条第1項の規定に違反し、登録は無効とすべきである。

2.答弁に対する弁駁

請求人は、答弁に対して何等弁駁していない。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、「請求人の請求を棄却する、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を概要次のように述べている。

1.請求の理由のうち(1)については、「しかしながら」以下を除いて認める。また、請求の理由のうち、(2)については、「商標自体が類似している。」とする点以外を除いて認める。

2.請求の理由のうち、(3)については、「本件商標はその構成から『アスニア』と称呼し、引用商標は『アテニア』と称呼されるものである。」点については認める。

しかしながら、その他の点、すなわち本件商標と引用商標とが類似するとする点については争う。

3.さて、本件商標と引用商標とは、称呼が共に4音からなり、第1音の「ア」、第3音の「ニ」及び第4音の「ア」が同一であり、第2音が「ス」と「テ」と相違する。

しかしながら、「ス」はサ行に属し、母音が(u)であり、舌先を上の歯茎との間付近で調音させる無声摩擦音であるのに対して、「テ」は夕行に属し、母音が(e)であり、舌先を上前歯のもとに密着させて破裂させる有声破裂音である点で相違する。かかる相違は、需要者である聴取者にとってきわめて判別しやすい音である。

しかも、「ス」が無声摩擦音であり、「テ」が有声破裂音であることから、本件商標「アスニア」は特にアクセントを持たないのに対して、引用商標「アテニア」はアクセントが「テ」にある。したがって、聴取者にとって語調及びイントネーションは類似するものではない。

したがって、本件商標と引用商標とは称呼が類似した商標ではない。

また、本件商標と引用商標とは、その指定商品を「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯磨き、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」としている。

これらの商品は、需要者が直接肌に付けるものであり、需要者の体質等に合致しない場合には肌荒れ等の問題を引き起こすことがあるという特性を有している。

このため、需要者は商標のわずかな違いにも敏感になるが通常である。 すなわち、本件商標と引用商標とは、上述したように、称呼自体が非類似であり、しかも商品の特性から需要者が混同を生ずるものではない。

上述した理由により、本件商標と引用商標とは非類似のものであるから、商標法第8条第1項の規定に違反するものでない。

第5 当審の判断

よって、判断するに、本件商標及び引用商標は、別紙(1)及び(2)に表示したとおりの構成よりなるものであるから、両商標は外観上互いに区別し得る差異を有するものである。

次に、これを称呼上よりみるに、本件商標と引用商標とは、いずれも「A’snir」、「アスニア」及び「ATTENIR」、「アテニア」の各欧文字と片仮名文字を上下二段に書してなるものであるところ、両者はいずれも下段の片仮名文字が、上段の欧文字の読みを特定した振仮名と認められるものであるから、書された振仮名に従って、前者よりは「アスニア」、後者よりは「アテニア」の各称呼を生ずるものというのが相当である。

そこで、本件商標から生ずる「アスニア」の称呼と引用商標から生ずる「アテニア」の称呼とを比較するに、両者は共に4音構成よりなるところ、「ア」「二」「ア」の3音を同じくし第2音において、「ス」と「テ」の音の差異を有するものである。

しかしながら、該差異音「ス」は、舌端を口蓋に寄せて発する無声摩擦子音(s)と母音(u)の結合した摩擦音であるのに対して、「テ」は、舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させて発する無声子音(t)と母音(e)との結合した破裂音とその調音方法を著しく異にし、かつ、共に4音と比較的短い音構成よりなることも相俟って、これらの差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、したがって、両者はこれを一連に称呼した場合、全体の語調・語感が相違し、聞き誤るおそれはないものといえる。

また、本件商標と引用商標は、共に特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、観念上比較すべくもないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものであるから、本件商標が商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものということはできず、同法第46条第1項により、その登録を無効とすることはできない。

よって結論のとおり審決する。

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