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Trademark Appeal Case

不正目的登録の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91630号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4307070号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4307070号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年6月12日に登録出願、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第25類「洋服、セーター、水泳着、帽子、サンダル靴、その他の靴類」を指定商品として、同11年8月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている別掲(2)のとおりの構成よりなる商標(以下、「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、その商品について使用するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号の規定に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

(2)本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

(3)本件商標は、申立人の商品を表示するものとして日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている引用商標と同一又は類似の商標であって、本件商標の使用により引用商標の出所表示機能を稀釈化し、その名声を毀損させるおそれがある、すなわち、不正の目的をもって使用されるものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由(要旨)

本件登録異議の申立てがあった結果、平成12年6月5日付け取消理由通知書をもって商標権者に対して通知した本件商標の取消理由は、次のとおりである。

〈取消理由〉

本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、出願日、商品及び役務の区分、指定商品、登録日は前記1記載のとおりである。

しかして、申立人(ビクター・ジョン・オッテン)の提出に係る甲号各証によれば、別掲(2)のとおりの構成よりなる引用商標は、1993年頃より、米国において、申立人の業務に係る商品「サーフボード及びその関連被服」について使用されてきたものであり、申立人は、サーフボード及びサーフィングの専門誌である「Longboard Magazine」に広告を掲載するとともに、1996年頃からは「STiCKMAN」のインターネットホームページを開設し、引用に係るサーフボード等の製品の紹介を行う等各種の広告宣伝活動を行ってきたものであることを認めることができる。

そうとすれば、引用商標は、本件商標の出願時において、少なくとも米国においては、申立人の業務に係る前記商品を表示するものとして、取引者・需要者の間において広く認識されていたものとみるのが相当である。

しかして、本件商標は、別掲(1)のとおり、特徴のある棒線画の人物の描写方法を同じくするばかりでなく、「STiCKMAN」の欧文字の「i」の文字部分のみを小文字としている等、その他の細部に至るまで引用商標とほゝ同一にするものであり、また、本件商標の指定商品も申立人の業務に係る商品とは密接な関連性を有するものである。

してみれば、本件商標は、引用商標と偶然に一致したものとは認め難く、商標権者は、本件商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、米国における需要者の間に広く認識されている引用商標とほゝ同一の商標であることを承知のうえ、当該商標が未だ我が国において登録されていないことを奇貨として、不正の利益を得る等の目的のもとに出願し、権利を取得したものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用をする商標に該当するものであるから、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見等

本件商標の現在の商標権者は、申立人が日本に輸出する商品の輸入代理店であり、本件商標については、申立人のために、当初の商標権者であったサンセット商事株式会社から譲渡を受け、申立人の商標に関する権利を守るために所有しているものである。

したがって、本件商標について現在の商標権者は、申立人の利益を害するなど、不正の目的はなく、商標法第4条第1項第19号に該当することにはならない。

また、本件商標について、申立人から商標権者に対し商標権の名義を変更することについて申し入れがあり、商標権者も基本的に同意しているので、本件審理につき、いま暫くの猶予をいただきたい。

5 当審の判断

登録異議の申立制度は、商標登録に対する信頼を高めるという公益的な目的を達成するために、何人も一定の不登録事由があることを理由として登録異議の申立てをすることができることとし、その申立てに基づいて特許庁が登録処分の見直しを行い、瑕疵ある場合には登録の是正を図るものである。 したがって、当該商標登録に瑕疵があるか否かの判断時期は登録時(査定時)と解するのが相当である(一定の申立理由は出願時にも該当することが要求される。)。

そうとすれば、商標権者の「本件商標について現在の商標権者は、申立人の利益を害するなど、不正の目的はない」との主張は、現時点における事情を述べたものにすぎないから、その主張を採用することはできない。

また、平成12年9月27日付け「上申書」における商標権者の「本件商標について、申立人から商標権者に対し商標権の名義を変更することについて申し入れがあり、商標権者も基本的に同意している」との主張も、その後、相当の期間が経過しており、商標登録原簿を調査しても移転の手続がなされていないし、しかも、商標権の名義を変更することについて商標権者に申し入れをしたという申立人から何の上申もない。

してみれば、本件商標についてした先の取消理由は妥当なものと認められるものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであって、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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