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Trademark Appeal Case

周知商標POLOの混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第90637号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4081555号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4081555号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成3年4月5日に登録出願され、「ROYAL QUEEN’S POLO TEAM」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、同9年11月14日に設定登録されたものである。

第2 本件登録異議申立の理由

本件登録異議申立人「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」(以下、「申立人A」という。)は、「本件商標は、申立人Aが同人の業務に係る商品「被服類」に使用し広く一般に知られている「POLO」の文字をその一部に有してなるものであるから、これをその指定商品に使用された場合は商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。」旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第11号証(枝番を含む。)を提出した。

同じく、本件登録異議申立人「公冠販売株式会社」(以下、「申立人B」という。)は、「本件商標は、その出願日前の商標登録出願に係る申立人Bの登録商標に類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品又はこれに類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、あるいは、申立人Bの業務に係る商品等と混同を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。」旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出した。

第3 登録取消理由の通知

当審において、平成11年11月24日付取消理由通知書をもって商標権者に対して通知した本件商標の取消理由は、次のとおりである。

1 本件商標の構成について

本件商標は、前記のとおり「ROYAL QUEEN’S POLO TEAM」の欧文字を横書きしてなるものである。

そして、わが国において「ポロ競技」が盛んに行われ一般に親しまれているとはいえないばかりでなく、本件商標を構成する文字は、全体として特定のチーム・団体などを何等想起し得るものではない。

そうとすれば、本件商標は、親しまれた英語の「ROYAL」、「QUEEN’S」及び「TEAM」の各語と「POLO」の語との結合とみられるから、需要者をして、構成中に「POLO」の文字を含むものと容易に認識されるものと認められる。

2 「POLO」又は「Polo」の文字からなる商標について

(1)ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)について

「男の一流品 大図鑑」(株式会社講談社昭和53年7月20日発行)、及び、「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(サンケイマーケティング(サンケイ新聞データシステムマーケティング事業部)昭和58年9月28日発行)によれば、以下の事実が指摘できる。

(a)ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして迎えられ、幅が広いネクタイをデザインし、これが若者に支持され、世界に広まったこと。

(b)ラルフ・ローレンは、翌年独立し、社名を「ポロ・ファッションズ」(現在の「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」の前身)として、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、カバンなどのデザイン製作を開始し、1971年には婦人服デザインにも進出したこと。

(c)ラルフ・ローレンは、アメリカのファッション界では最も権威のある「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、他にも賞を受賞し高い評価を受け、「POLO」ブランドを世界に通用させたこと。

(d)そして、ラルフ・ローレンは、自己の取り扱いに係る商品に使用する商標を「ポロ競技」にヒントを得て採択したこと。

(2)「POLO」又は「Polo」の文字からなる商標について

前出「男の一流品 大図鑑」、「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」及び「世界の一流品大図鑑’80年版」(株式会社講談社昭和55年6月20日第二刷発行)によれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして前記「POLO」の外、「Polo」の文字(第2文字目以降を小文字で表示した商標)も使用されていることが認められ、これは、「POLO」商標と、相互に同一の称呼(「ポロ」)及び観念(「ポロ競技」)が生ずるものと認められ、両者は社会通念上同一の商標とみて差し支えないといえるものである(以下、「POLO」及び「Polo」の文字からなる商標を一括して「POLO商標」という)。

(3)「POLO商標」の我が国での使用・紹介について

「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」(株式会社洋品界昭和55年4月15日発行)の「ポロ」の項、「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」(ボイス情報株式会社昭和59年9月25日発行)の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項、及び、昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事を総合すれば、我が国においては、ポロ・ファッションズ社(あるいは、ラルフ・ローレン)との契約に基づき、西武百貨店が、昭和52年にラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴の取り扱いを、同53年からは婦人服の取り扱いを開始したことが認められる。

また、前掲の書籍・新聞の外、「別冊チャネラー ファッション・ブランド年鑑’80」(株式会社チャネラー昭和54年9月20日発行)、「男の一流品大図鑑’81年版」(株式会社講談社昭和56年4月25日第二刷発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(株式会社講談社昭和56年6月20日第二刷発行)、「流行ブランド図鑑」(株式会社講談社昭和60年6月25日第2刷発行)によれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ジャケット、シャツ、ネクタイ、眼鏡に「POLO商標」が使用されていることが認められる。

(4)「POLO商標」の著名性について

以上、(1)乃至(3)の認定事実を総合して検討すれば、「POLO商標」は、我が国においては、遅くとも本件商標の出願の時までにはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、被服類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識され、かつ著名となっていたものと判断され、その状態は現在もなお継続しているというのが相当である。そして、他にこの判断を覆すに足りる証拠はない。

3 出所の混同のおそれについて

本件商標は、その構成中に「POLO」の文字を有するものである。

一方、前記認定のとおり、「POLO商標」が、我が国において、遅くとも本件商標の出願の時までには、「ラルフ・ローレン」のデザインに係る商品である被服類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品を表示するものとして、当該商品に関する取引者、需要者の間において著名となっていたといい得るものである。

しかして、本件商標の指定商品は「被服、その他本類に属する商品」であって、「POLO商標」が使用されている商品と同一または類似のものであって、共にファッション性を有する関連の深い商品であることから、これら商品に係わる取引者、需要者が本件商標に接した場合には、「POLO商標」の著名性ゆえに「POLO」の文字部分に注意を惹かれ、「POLO商標」を連想・想起し、それがあたかも、「ラルフ・ローレン」又は前述関連会社、あるいは、これら者の事業と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

なお、「ラルフ・ローレン」の「POLO」、「Polo」の商標について、本件判断とほぼ同様の東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)も存在するところである。

4 結語

以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわなければならない。

第4 商標権者の意見

上記取消理由に対して、商標権者は、その意見を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第21号証(枝番を含む。)を提出した。

1 「POLO」の語の自他商品識別力の欠如

(1)本件商標を構成する「POLO」の語は、ポロ競技を意味する英語である。ポロ競技は、我が国においてもその存在は広く知られているものである。

(2)ポロ競技に際してプレイヤーが着用する衿つき半袖シャツは、古くから「POLO SHIRT/ポロシャツ」と称され、現在では遊び着的な衿つきシャツを広く指称する普通名称になっている。また、商品「POLO SHIRT/ポロシャツ」は、我が国の取引の実際において、「POLO/ポロ」と略称されているから、「POLO/ポロ」の語は、商品「被服」について自他商品の識別機能を果たし得ない普通名称である。

また、商品「ポロシャツ」は、米国の取引の実情においても、仏国の取引の実情においても「POLO」と略称されているから、「POLO」の語は、米国および仏国においても商品「被服」について自他商品の識別機能を果たし得ない普通名称である。

(3)使用主義法制を採る米国において「POLO」を含む商標が「被服」「時計」「眼鏡」等を指定商品として、複数の第三者によって多数登録されている。

(4)ラルフ・ローレンは、我が国において「POLO」の語を「Polo by RALPH LAUREN」あるいは「POLO RALPH LAUREN」として、「RALPH LAUREN」の語と関連づけて長年に亘って商品「被服等」に使用することにより、「POLO」の語とラルフ・ローレンとの関連性を一般に強くアピールしているのであるから、「POLO」の語に強い自他商品識別力を認めることはできない。

(5)我が国において、「POLO」の語を含む結合商標「POLO CLUB」「WORLD POLO CHAMPIONSHIPS」「BEVERLY HILLS POLO CLUB」が、それぞれ第三者によって商品「被服等」に使用されており、それぞれ取引者・需要者から高い認知を得ているだけでなく、ラルフ・ローレンに係る「POLO商標」とは明確に区別して取引きされている。

(6)以上のとおり、「POLO」の語に強い自他商品識別力はなく、「POLO」の語を含む結合商標の全てについて、直ちにラルフ・ローレンを想起するという関係は成立していない。

2 本件商標について

本件商標がラルフ・ローレンに係る「POLO商標」と商品の出所について混同を生ずるか否かを判断するにあたっては、上記1の事情を勘案して、本件商標中の「POLO」の文字部分が、取引の実際において、独立して自他商品の識別機能を発揮する部分として認識される外観上、観念上あるいは称呼上の要素(分離抽出要素)があるか否かによって判断しなければならない。

(1)外観上の要素について

本件商標は、「ROYAL」「QUEEN’S」「POLO」「TEAM」の各語を同一の書体で表し、等間隔にて左横書きに配した構成のものである。そして、本件商標を構成する各語は、いずれも日本人にとってもなじみの深い簡潔な英単語である。特に、「POLO」の語はポロ競技を意味する既成の英単語として広く知られており、また、ポロシャツの略称(普通名称)としても広く一般的に用いられているから、本件商標の外観構成上、取引の実際において「POLO」の文字部分が独立して自他商品の識別機能を発揮する部分として分離抽出される要素は全く存在しない。

(2)観念上の要素について

ポロ競技は、欧米の富裕層が楽しむスポーツ競技であることから、高級イメージがあり、本件商標は、かかる「ポロ競技」を意味する「POLO」という語のもつ高級イメージを利用したネーミングであり、「女王の」の意味を有する「ROYAL QUEEN’S」の語と、「ポロ競技のチーム」を意味する「POLO TEAM」の語とを結合した商標である。また、欧米には各地にポロ競技のクラブが多数存在しており、ポロ競技はいわゆる貴族趣味のスポーツであることから、この両語は観念的に密接な関連性を有しているというべきである。

しかも、本件商標を構成する「ROYAL」「QUEEN’S」「POLO」「TEAM」の各語は、いずれも日本人にとってもなじみの深い簡潔な英単語であり、「POLO」の語は、ポロシャツの略称(普通名称)としても広く一般的に用いられているものであるから、本件商標からは「女王のポロチーム」の自然の観念が生じ、観念上、「POLO」の文字部分が独立して自他商品の識別機能を果たすと認識しなければならない要素は全く存在しない。

(3)称呼上の要素について

本件商標は、外観構成上一体的に表示されていること、本件商標を構成する各語はいずれも日本人にとってもなじみの深い簡潔な英単語であり、この四者が一体となったからといって、全体の称呼が冗長になるものとも認められないこと、本件商標は観念的にも「女王のポロチーム」の意味を有する語であること、「POLO」の語はポロシャツの略称(普通名称)として、広く一般的に用いられていること等から、本件商標中の「POLO」の文字部分に相当する「ポロ」の称呼が独立して自他商品の識別機能を果たすと認識しなければならない要素は全く存在しないから、本件商標からは「ロイヤルクイーンズポロチーム」の一連の称呼のみが生じるとみるのが相当である。

3 以上のとおり、本件商標は、ラルフ・ローレンに係る「POLO商標」と商品の出所について混同を生ずるおそれがないものであり、商標法第4条第1項第15号には該当しないものである。

第5 当審の判断

1 商標権者は、(1)「POLO」の語は「ポロ競技」を意味する英語として、我が国において広く知られている、(2)ポロ競技に際してプレイヤーが着用する「POLO SHIRT/ポロシャツ」は、現在では遊び着的な衿付きシャツを指称する普通名称となっており、「POLO/ポロ」と略称される、(3)米国において「POLO」を含む商標が「被服」「時計」「眼鏡」等を指定商品として、第三者によって多数登録されている、(4)ラルフ・ローレンは、「POLO」の語を「RALPH LAUREN」の語と関連づけて使用することによって一般にアピールしている、(5)「POLO」の語を含む結合商標が他にも存在し、ラルフ・ローレンに係る「POLO商標」とは明確に区別されている、との主張を前提に、「POLO」の語には強い自他商品識別力はないと主張する。

しかしながら、本件商標の商標登録出願時において、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される「POLO商標」は、「POLO」、「Polo」の文字とともに、「by Ralph lauren」の文字及び「馬に乗ったポロ競技のプレイヤーの図形」などの各標章であると認められるところ、我が国においては、これら標章を総称して単に「POLO(ポロ)」と呼ばれて、取引者、需要者の間に広く認識されていたこと、しかも、「POLO商標」の付される商品と本件商標の指定商品とが同一ないし関連性が高いものであることは取消理由通知のとおりであり、そうである以上、本件商標の指定商品について「POLO」の語は、他人の業務に係る商品を表示するものという点で特異な存在であって、強く印象づけられるものというべきであるから、その主張は採用することができない。

商標権者の述べる上記(1)ないし(5)の意見については、次の理由により、いずれも採用することはできず、上記判断の妨げとはなり得ない。

(1)については、一般世人が購読すると認められる「スポーツ用語」(株式会社教育社、1992年11月25日発行)、「ニュースポーツ百科」(株式会社大修館書店、1995年9月20日発行)、及び高等学校などの教材に使用される「NEW COLOR SPORTS 1995」(一橋出版株式会社、1995年4月1日発行)等には、「ポロ競技」についての記載はなく、また、1998年(平成10年)1月17日付読売新聞(東京、夕刊6頁)には、「『ポロ』の国内初の競技場が、福岡県粕屋町に建設されることになった」ことに関する記事において、ポロ競技は「日本では競技人口約30人の超マイナースポーツ。」なる記載が認められ、以上の状況よりすれば、「ポロ競技」は、我が国においては、その愛好者は極めて少なく、馴染みの薄いスポーツであると認められる。この点について、「球技としてのポロは、我が国においてはほとんどなじみのないものであることは、当裁判所に顕著な事実である。」旨認定した、東京高等裁判所の判決(平成11年(行ケ)第192号(平成12年2月29日言渡)、平成11年(行ケ)第250号、平成11年(行ケ)第251号、平成11年(行ケ)第252号、平成11年(行ケ)第290号(以上、平成11年12月16日言渡)も存在するところである。

(2)については、たとえ普通名称としての「POLO SHIRT/ポロシャツ」の語が「POLO/ポロ」と略称される例があるとしても、そのことが、特定の商品に使用された「POLO」あるいは「ポロ」の語に接する取引者・需要者をして、ラルフ・ローレンあるいは同人に関係する者の取扱に係る商品の如く認識するか否かに関係するのは、専ら「POLO」あるいは「ポロ」の語が普通名称として用いられている可能性が認識される場合に限られ、それ以外の場合には関係しないことは明らかである。

(3)については、米国において「POLO」の語を含む第三者の登録が多数あるとしても、そのことが本件の判断に影響しないことは明らかである。

(4)については、取消理由通知に示した、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「別冊チャネラー ファッション・ブランド年鑑’80」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」、「流行ブランド図鑑」などの書籍において、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士用品等が、「POLO」、「ポロ」の表題のもとに紹介されていることが認められること、さらに、1989年(平成1年)5月19日付朝日新聞(夕刊)には、「『ポロ』の偽を大量販売」の見出しのもと、「・・・『Polo(ポロ)』の商標で知られるラルフローレンブランドのにせポロシャツを通信販売で大量に売っていた・・・」の記事、1993年(平成5年)10月13日付読売新聞(大阪版、朝刊)には、「偽『ポロ』眼鏡枠を摘発」の見出しのもと、「・・・ポロ競技のマークで知られる米国のファッションブランド『POLO(ポロ)』の製品に見せかけた眼鏡枠を販売していた・・・」の記事、1999年(平成11年)6月8日付朝日新聞(夕刊)には、「偽ブランドの販売で元社長に有罪判決」の見出しのもと、「・・・米国ブランド『ポロ』などのマークが入った偽物のセーターやポロシャツ約三万六千枚を販売目的で所持し、商標権を侵害した。」の記事が認められ、これらの報道においては、ラルフ・ローレンに係る標章が、「ポロ」、「Polo(ポロ)」、「POLO(ポロ)」と称されていることが認められることから、ラルフ・ローレンに係る標章は総称して単に「POLO(ポロ)」と略称していたというべきである。そして、「POLO(ポロ)」の標章は、遅くとも本件商標の出願時までには、我が国においては取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その認識の度合いは現在においても継続しているというべきであるから、「POLO」の語単独では強い自他商品識別力を認めることはできないとする、商標権者の意見は採用できない。

(5)については、商標権者の提出に係る乙第13号証には、調査の対象となった消費者が、そのブランドを知るか否かの認識は記載されているものの、それぞれのブランド相互の関係についての認識は調査対象となっておらず、その関係が不明であるから、かかる資料によっては、「POLO」の語を含む結合商標が他に存在するとしても、それらがラルフ・ローレンによって使用される「POLO商標」と明確に区別されている証左とすることはできない。

2 商標権者は、本件商標の指定商品について、「POLO」の語に強い自他商品識別力がないことを前提として、本件商標中の「POLO」の部分に、取引の実際において、独立して自他商品の識別機能を発揮する部分として認識される外観上、観念上あるいは称呼上の要素(分離抽出要素)がないことを挙げて、商品の出所の混同が発生しないと主張する。

しかしながら、本件商標の指定商品について、「POLO」の語に強い自他商品識別力がないとの商標権者の主張が採用できないことは前示のとおりであって、ラルフ・ローレンに係る標章が「POLO(ポロ)」と呼ばれて著名であったことを無視して商品の出所の混同可能性を否定するものであるから、かかる商標権者の主張は、採用することができない。

3 以上のとおり、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するものとした先の取消理由(上記第3)は妥当なものであって、これについて述べる商標権者の意見は、いずれも採用することができない。

なお、商標権者が、同人の主張と同趣旨の判断を示しているとして引用する、東京高等裁判所の平成11年(行ケ)第253号(平成12年1月27日言渡)は、現在最高裁判所に係属中の事件であって、直ちに本件審理・判断の基準とするのは、必ずしも適切でない。そして、一方において、本件判断とほぼ同様の判断を示した東京高等裁判所の判決は、上記1において引用した判決のほか、平成11年(行ケ)第267号(平成11年12月16日言渡)、平成11年(行ケ)第268号(平成11年12月21日言渡)、平成11年(行ケ)第288号(平成12年1月25日言渡)、平成11年(行ケ)第289号(平成11年12月21日言渡)、平成11年(行ケ)第298号(平成12年2月1日言渡)、平成11年(行ケ)第299号(平成12年2月1日言渡)、平成11年(行ケ)第333号(平成12年3月29日言渡)、平成11年(行ケ)第334号(平成12年3月29日言渡)の一連の判決があり、いずれも確定しているものである。

したがって、本件商標は、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録は取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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