sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用事実の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31029号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3163158号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3163158号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ヴェルシェ」の片仮名文字と「Verger」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、第25類「被服」を指定商品として、平成5年4月15日に登録出願、同8年6月28日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。

(1)請求の理由

本件商標は、本件審判請求前3年間わが国において被請求人によって使用された事実はない。また、登録原簿上、本件商標について専用使用権者並びに通常使用権者は登録されていない。

(2)答弁に対する弁駁

A 被請求人は、答弁書において、乙各号証を提出して、「本件商標は、商標法50条の規定に該当しない。」と主張する。

しかしながら、以下述べるように、被請求人によって提出された上記乙各号証によっては、「商標権者らによって、本件審判請求の予告登録(平成11年8月25日)前3年以内に本件商標が使用されていた」事実は証明されていない。

B 乙号証の検討

a 乙第1号証

本号証は、商標権者の「店舗賃貸借契約書」の写しであるが、これは、本件商標を使用していることを証明するものではない。

b 乙第2号証

本号証は、ブティック「Look at me」の外観の写真(乙第1号証の1)、婦人用スーツの写真(同第2号証の2及び3)及びブラウスの写真(同第2号証の4及び5)であるが、これらが撮影されたのは、平成11年11月29日、すなわち、本件審判請求の予告登録後であるから、前記予告登録前3年以内に、写真で示された態様で販売されたことを証明していない。

同様に、仮に、上記答弁書と共に写真中のタグについての本タグが提出されたとしても、そのタグが前記予告登録前3年以内に写真で示された態様で使用されていたことを証明するものではない。

c 乙第3号証

本号証は、購入者による証明書であるが、このような証明書は、その証明形式・内容からして、具体的・客観的な証明力が乏しい。

特に、この証明書の内容は、登録商標の特定のされ方もあいまいであり、また、本件商標の使用に関する具体的な事実を証明していない。それ故、この証明書の内容からは、「指定商品について、商標法が認めるような『登録商標の使用』が実際にあったか否か」の具体的な事実を客観的に判断できない。

C 以上述べたとおり、被請求人によって提出されて上記乙各号証によっては、本件商標の上記使用事実は証明されていない。

3 被請求人の答弁

第1回答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第4号証を提出した。

答弁の理由

被請求人は、商標権者らは、本件商標を登録時以降現在まで継続して使用している。

商標権者の林孝子は、平成9年1月から東京都杉並区阿佐谷南3-27-2 エスアイビル 一階において、ブティック「Look at me」を直接経営し、婦人服を中心とした衣服のデザイン及び販売業を継続して行っていることは添付書類の乙第1号証及び同第2号証より明らかである。

当ブティック「Look at me」で扱う商品は常時約50種類であり、その大部分は輸入商品であるが、被請求人「林孝子」のデザインに係る婦人用スーツ、ブラウス類は、当店のオリジナル商品として本件商標を付して、店舗の開設時いらい常時店頭に陳列して販売している。

添付書類の乙第2号証の2に店内に陳列しているスーツの写真を、同第2号証の3にスーツのタグを撮影した写真を示す。添付書類の乙第2号証の4にブラウスの陳列状況を、同じく同第2号証の5にブラウスのタグと値札を示す写真を示す。

タグは、絹の生地に刺繍で商標を描いたものであり、本答弁書と同時に提出する物件提出書によって1巻き(タグ200枚)を証拠品として提出する。なお、本タグは約800枚在庫している。

スーツなどの製作に当たっては、デザインと生地に製作数量分のタグを付けて縫製者に依頼する。縫製者は裏地を仕上げたところでタグをミシン縫いし、次いで表生地に裏地を取り付けて仕上げる。これらの縫製作業は、個人的な技能者によって行われている関係で、発注から仕上げまでには1ヶ月以上の日時を要するのが実情である。

添付書類の乙第3号証は、当店の顧客によって、商品のヴェルシェが当店にて平成9年1月から平成11年11月の期間内において販売されていたことを証する書証である。

第2回答弁

乙第3号証の3乃至7を追加する。

4 当審の判断

商標法第50条による不使用取消審判にあっては、その第2項において、「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明し又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしないない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消を免れない。」と規定されている。

そこで、被請求人提出に係る乙各号証を検討するに、乙第1号証は、商標権者の「店舗賃貸借契約書」の写しであるが、これによっては、本件商標を実際に使用していることを証明するものでない。乙第2号証の1ないし同第2号証の5は、これらが撮影されたのは、平成11年11月29日であるから本件審判請求の登録前3年以内に販売されたことを証明していない。乙第3号証は、顧客による証明書であるが、このような証明書は、画一的、定型的な様式による証明書であって、このような場合、必ずしも証明すべき内容を十分に把握してなされたものとも理解できず、また、証明の内容についても特定できておらず、具体性に欠けるものであるから、採用できない。そして、乙第4号証は、「衣裳用タグ」であるが、これのみにおいては、これが、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に使用したものということもできない。

また、乙3号証の3は、請求外「河西正隆」の確認書及び業務日誌の写しであるが、そこに示されたものは、平成10年8月21日の項に、被請求人より「Tシャツ」を購入したとする事実である。そして、このことは、業務日誌に掲載することは不自然な事柄であるばかりでなく、答弁の全趣旨に照らして、 被請求人が「Tシャツ」を扱っているものとする蓋然性が見当たらないから、採用するに由なく、さらに、乙3号証の4乃至7は、請求外「黒田庸子ほか3名」の顧客による証明書の写しであるが、このような証明書は、被請求人の求めに応じ、必ずしも証明すべき内容を十分に把握してなされたものとも理解できず、また、証明の内容についてもこれを裏付けるものもなく、採用できない。

してみれば、被請求人は、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明していない。

5 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法50条第1項の規定により、登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。