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Trademark Appeal Case

造語商標と著名標章の類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−9513(T2000−9513/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおり「CITIPOST」の欧文字を横書きしてなり、平成10年11月2日登録出願、指定役務については、当審において、平成12年10月23日付提出の手続補正書により、第39類「メッセージ又は小荷物の速配、メッセージの配達、小荷物の配達、新聞の配達、貨物の発送」と補正したものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、1990年11月郵政省が大都市の郵便局不足を解消するため、東京などの4都市に設置した委託郵便局を意味する語として著名な『シティ・ポスト』に類似する『CITIPOST』の文字を書してなるものであるから、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、あたかも、上記のもの、あるいは上記のものと何等かの関係があるものの業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張の要点

原査定の引用の「シティ・ポスト」は、多数の市民を抱える大都市の郵便局又は郵便ポストが不足しているために、多数の市民が集まるデパートや繁華街に郵便物の投函場所を確保する目的で設けられたものである。すなわち、都市の中に置かれている通常の郵便ポストと何ら変わらない。原査定において、この「シティ・ポスト」が著名であるというが、現在は全国で17個所存在するにすぎない。これらの多くはデパートの中にあるが、片隅に置かれており従業員ですら知らない場合があり、また大規模な設備を有するものでもなく、且つ又ファックスでの通信や「E−メール」が盛んに用いられている昨今において、その存在すら知らない者が圧倒的に多く、また、その存在を知っていてもそれが「シティ・ポスト」と呼ばれていることすら知られていない。そして、本願商標は「シティ・ポスト」でもなければ、「CITY POST」でもなく、「CITIPOST」という造語である。「シティ・ポスト」や「CITY POST」からは、「都市の郵便局」という観念を容易に観念することができる。日本においては、信書の送達事業は郵便法により、日本国の独占事業とされているから、「CITY POST」や「シティ・ポスト」からは、「郵便物」を集配する、まさに「都市」の「郵便局」を意味するものとして認識される。しかし、本願商標は、一連不可分に「CITIPOST」と構成されてなる造語商標である。称呼は、「シティポスト」であり同一であるが、これからは、「都市の郵便局」という観念は出てこない。

本願指定役務は、貨物運送取扱事業法で認められている「貨物の配達の役務」に関する「メッセージ又は小荷物の速配、メッセージの配達、小荷物の配達、新聞の配達、貨物の発送」を指定役務とし、「メッセージの配達」も「信書」以外のものの配達である。郵政省が「シティ・ポスト」の標章で使用している役務とは異なる役務に使用しているものである。

したがって、本願商標は、郵政省の「シティ・ポスト」と混同を生ずるおそれがあるとは考えられないので商標法第4条第1項第15号に該当しない。

4 当審の判断

(1)「シティ・ポスト」の標章の周知著名性について

「シティ・ポスト」の語は、簡易郵便局法の一部を改正する法律(平成2年法律第53号)を根拠法として、郵政省(現郵政事業庁、以下同じ)が、1990年(平成2年)11月1日(東京都・横浜市・名古屋市の大都市型簡易郵便局)、同年11月2日(大阪市の大都市型簡易郵便局)から業務を開始した大都市型簡易郵便局の営業標識として使用されているものであって、平成2年10月16日付読売新聞東京朝刊9頁(「デパートなどに郵便局『シティ・ポスト』来月開設」と題する記事)、同日付日本経済新聞朝刊7頁(「デパートなどに郵便局、郵政省、来月から9カ所で」と題する記事中「9カ所に『シティ・ポスト』と名付けた簡易郵便局を設置」)、同日付中日新聞朝刊9頁(「旅行代理店に郵便局『同居』」と題する記事中「『大都市型簡易郵便局』(愛称=シティ・ポスト)を開設」)、同年10月20日付日経流通新聞2頁(「百貨店などに郵便局」と題する記事中「東京や大阪の百貨店、旅行代理店など9カ所に『シティ・ポスト』と名付けた簡易郵便局を新設」)等の紹介記事により、発足当時より広く一般に知られているものであり、その設置地域は、東京都、横浜市、名古屋市及び大阪市の4大都市を中心として、全国20カ所に及び、書留及び速達を含む内国郵便物の引受け、郵便切手の販売及び印紙の売りさばき、郵便貯金、普通為替、定額小為替、郵便振替、道路交通法に定める反則金等の受入れ、簡易生命保険契約の申込受理、保険料の受入れ、満期保険金及び生存保険金の支払い、郵便年金契約の申込受理、掛金の受入れ、年金の支払等をその取扱事務としている。

そして、この「シティ・ポスト」なる語は、それまで使われていなかった用語であって、一種の造語と認められるものであり、発足後も、平成3年6月27日付読売新聞(家庭経済)8頁「郵便局にこんな利点」と題する記事中に、「目玉の一つが、シティ・ポストだ。」との記載、同年11月22日付読売新聞東京夕刊23頁「東京・杉並にスーパーマーケット内郵便局の第1号誕生」と題する記事中に、「郵政省が昨年から始めた「シティ・ポスト」で、都内ではこれまでに、百貨店、旅行代理店など6か所設置されている。」との記載、平成4年5月20日付日本経済新聞名古屋朝刊21頁「6月、JTB内に開設、栄にシティ・ポスト」と題した記事等により、「シティポスト」の語は、郵政省が大都市における郵便局の不足の解消に資すべく、地域社会の振興を図るために設置した大都市型簡易郵便局の愛称として、本願登録出願前より、取引者・需要者の間に広く認識されていたことが認められ、その状態は現在においても継続しているものと認められる。

(2)出所の混同を生ずるおそれについて

本願商標は、「CITIPOST」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「シティポスト」の称呼を生じ、郵政省が設置している前記大都市型簡易郵便局「シティ・ポスト」とその称呼を共通にするものである。

そして、郵政省が設置している大都市型簡易郵便局(愛称「シティ・ポスト」)の取り扱う役務には、平成3年6月27日付読売新聞8頁「郵便局にこんな利点」と題する記事中「百貨店が多いため、買い物をして持ち帰るのが面倒な時には、そのままシティ・ポストに持ち込み、郵便小包(ゆうパック)で自宅に送れば便利だ。」とあるように、本願指定役務と同一若しくは類似の役務も含まれている事実が認められる。

してみれば、本願商標をその指定役務について使用した場合、取引者、需要者は、全国的に周知になっている大都市型簡易郵便局の愛称「シティ・ポスト」を想起し、その役務が、郵政省の取扱いに係る役務であるかのごとく誤認し、その役務の出所について混同するおそれがあるものというのが相当である。

したがって、本願商標は、他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標といわざるを得ず、商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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