sokuhyo

Trademark Appeal Case

エアコン洗浄スプレーの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−4658(T2000−4658/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成10年12月16日に登録出願、指定商品については、平成11年12月8日付けの手続補正書をもって、第3類「スプレー式洗浄剤」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、エアーコンディショナーの汚れを徹底的に洗浄してきれいにするスプレー式の洗浄剤であることを表したものと容易に理解させる『エアコン』『徹底』『洗浄スプレー』の文字を格別な印象を与えるとも認められない態様で表してなるものであるから、このような商標を本願指定商品中『エアコンディショナー用のスプレー式洗浄剤』に使用しても、単に商品の用途、品質、効能を表したものにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、その構成別掲のとおり、黒色の背景の中に、「エアコン」、「徹底」及び「洗浄スプレー」の文字を三段に横書きしてなるところ、その構成中の「エアコン」の文字は「エア‐コンディショナー〔air conditioner〕の略」としての意味を、また、「徹底」の文字は「のこる所なく行きとどくこと」の意味を有する(いずれも「広辞苑第5版(発行所 株式会社岩波書店)」による。)ものである。

さらに、本願指定商品を取り扱う業界をみるに、例えば、2000年8月5日の日経流通新聞の4頁に、「エアコン洗浄剤――除菌・消臭効果も向上、スプレー式で扱い手軽(売れ筋)」の見出しの下に、「エアコン内部のほこりやかび、汚れを落とし、消臭や除菌効果もある洗浄スプレーが売れている。エアコンのフィルターを取り外し、冷却フィン(熱交換機)にスプレーするだけの手軽さが人気の理由で、九九年の市場規模は前年の六倍近い四十五億円に急拡大、今年はさらに五億―十億円の増加が見込まれる。」の記載があり、2000年7月18日の日経産業新聞の24頁に、「エアコンクリーニング――激戦、1万円以下も、市場は急拡大(新サービスの値段)」の見出しの下に、「拡大を続けるエアコンクリーニング市場にとって競争相手となりそうなのが、市販されている家庭用のクリーニングスプレー。〜価格が受けて販売は好調。」の記載があり、2000年6月15日の読売新聞(東京朝刊)の18頁に、「家庭用のエアコン洗浄スプレー剤 使い方を間違うと電気系統にトラブル」の見出しの下に、「シュッと吹き付けるだけでエアコンの内部を洗浄できる家庭用スプレー剤が一昨年の発売以来、人気商品になっている。〜スプレー剤は一昨年、製薬会社から相次ぎ発売された。〜それまで業者頼みだったエアコン内部の洗浄が『だれでもできる』とあって、たちまち人気商品に。年間百万本売り上げる製品も出てきた。」の記載があり、1999年8月13日の中国新聞(中国朝刊)に、「気になる商品 エアコン関連グッズ 清浄や除菌 脱臭効果」の見出しの下に、「エアコンが欠かせないこの季節。〜エアコンの内部を洗浄するスプレーなど関連グッズもいろいろ売り出されている。」の記載、さらに、「エアコンの冷却フィンの汚れはこれまで専門の業者頼みで、費用もかさんだ。こうした悩みを解決するエアコン洗浄スプレーの売り上げが伸びている。先駆けとなった日新メディコ(名古屋市)の『エアコン洗浄ジェットα』は昨年百万本以上売れた。」の記載があり、1999年5月12日の中国新聞(中国朝刊 地経)に、「情報ポケット スプレーで洗浄と消臭」の見出しの下に、「エステー化学は、エアコン内部のスプレー洗浄剤『エアコンの中を!! 洗浄消臭』を、20日から中四国、九州のスーパー、ホームセンター、薬局などで販売する。ジェットスプレーで噴射し、エアコンの内部の金属のひだ状部分まで、ほこりやカビ、たばこのやになどの汚れを排水ホースから外に洗い流せる。」の記載があり、1999年5月8日の毎日新聞(地方版/福岡)に、「[いきいき暮らし]快適エアコンライフ! 内部洗浄剤がブームの予感 /福岡」の見出しの下に、「今年は製薬会社などが相次いでエアコンの内部洗浄ができるスプレーを売り出し、ブームになる気配だ。〜スーパーで一つのコーナーを占めるまでになっている。使い方は基本的にどれも同じ。エアコンのコンセントを抜いて前面パネルとエアフィルターを外し、金属製の冷却フィンにスプレーを吹きつけると、汚れが洗浄液に溶けて排水ホースから流れだす仕組み。」の記載があり、1998年8月22日の産経新聞(東京朝刊)の23頁に、「【トレンドチャート】クリーン エアコン洗浄スプレー」の見出しの下に、「お宅のエアコン、冷房の効きは大丈夫? ほこりを取って、ダニや花粉、カビも掃除しなきゃ。『エアコン一台丸洗い』をうたった日新メディコ〜の家庭用エアコン洗浄スプレー『ジェットα(アルファ)』=写真=が大人気だ。フィルター奥のアルミフィンに1缶分の洗浄液を吹き付けるだけでエアコン内が洗浄され、汚れた廃液が排水パイプから出てくる。」の記載があり、また、1998年5月31日の読売新聞(大阪朝刊)の19頁に、「[憩い]夏の備えお早めに エアコン掃除 網戸の張り替え」の見出しの下に、「エアコンの風のいやなにおいはカビが原因のことが多い。専用の洗浄剤を使えば、においや汚れをかなり除くことができる。」の記載、さらに、「専用のスプレー式エアコン洗浄剤を、使用方法に沿って吹きつけ、カビを洗い流す。」の記載があるとおり、本願指定商品を取り扱う業界においては、洗浄剤を吹き付けるだけでエアコン内部を洗浄し、ほこりや汚れ等を落とす洗浄スプレーの製造又は販売が活発に行われている事情がある。

そして、これらの事情を勘案するならば、本願商標は、たとえ、「エアコン」の文字に「エア‐コンディショナーの略称」以外にも別の意味があるとしても、その指定商品の取引者又は需要者をして、その構成中の「エアコン」の文字が「エア‐コンディショナー」を指称するものとして、また、「徹底」の文字が後ろに続く「洗浄」の文字の意を強調して「のこる所なく洗浄する」程度の意味合いを表示するものとして理解されるとみるのが自然であり、これに、本願の指定商品を指称する「洗浄スプレー」の文字を加えた「エアコン徹底洗浄スプレー」の文字全体でみても、「エア‐コンディショナーをのこる所なく洗浄するスプレー」程度の意味合いを表示するものとして認識されるとみるを相当とする。しかも、黒色の背景の中に、白抜き状にしたり、白く縁取りをしたりして該文字を書してなるとしても、それをもって、その方法が普通に用いられ得る域を脱し、商品を選択する際の目印となるほどの格別の印象を与えるとは認め難い。

してみれば、本願商標は、その指定商品中、「エア‐コンディショナー用のスプレー式洗浄剤」に使用したときは、その商品の用途、品質、効能を表示するにすぎず、また、「エア‐コンディショナー用でないスプレー式洗浄剤」に使用したときは、あたかもエア‐コンディショナー用であるかの如く商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、「エアコン」の文字が自他商品の識別力を有するとし、本願商標も登録されるべき旨主張しているが、請求人が示す登録例は本件と事案を異にする(商標の構成態様のほか、審査又は審理における判断時なども異なる。)ものであり、同一に論ずることはできないことから、採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。