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Trademark Appeal Case

商標使用の証拠不十分

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30866(T2000−30866/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標 本件登録第3258445号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成6年6月20日登録出願、商標の構成を後掲に示すものとし、指定商品を第9類「眼鏡」として、同9年2月24日に設定の登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。

(1)本件商標が日本国内で指定商品「眼鏡」について、継続して3年以上使用された事実を認めることができない。よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定商品「眼鏡」について、その登録を取消されるべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

被請求人の提出した乙各号証は、被請求人の主張する「使用」を証明するに足りるものではない。

(ア)乙第1号証について

乙第1号証は、被請求人が商品カタログと称する物のおそらくは写しであると推測できないものでもないが、大きさや、写しの大きさ、写しの倍率、写しの各頁の構成等に統一性を欠き、被請求人の称する商品カタログそのものとの関連が全く理解できず、乙第1号証これ自体証拠性の乏しいものである。そして、この乙第1号証には、「眼鏡」に商標であろうと推測可能な「EYEQ」の文字乃至は図形が付された写真が散見され、「EYEQ」833等の文字ないしは図形が幾つかの頁に載せられているのみである。乙第1号証が正しく商品カタログの写しであることがいわゆる「不知」の状態にある限り、乙第1号証は、法第2条第3項にいう「使用」に該当しないことは明らかである。

また、仮に、乙第1号証が当該商品カタログの写しであったとしても、これには、その発行日やカタログの有効期間の記載もなく、「何時使用されたか」を示す根拠とはなり得ない。

このように、乙第1号証は、それ自体証拠性のきわめて乏しいものである上に、「何時登録商標が使用されていたか」を証明する根拠が全く存在せず、いわゆる「審判請求の登録前3年以内の登録商標の使用」を証することの出来ないものであると確信する。

(イ)乙第2号証について

乙第2号証は、株式会社三共社のホームページであるが、このホームページ自身が、おそらくは2001年1月12日現在のものであるから、本件審判請求の日(平成12年7月26日)より前のものではないので、本件審判請求の性質上、証拠として無意味と云わねばならず、また、被請求人が注意的に付したであろう赤のマーカー付の表示も、カタカナ文字の「アイキュー」、ゴチック体英文字の「EYE−Q」であって、特徴ある書体より成る本件商標と比し、社会通念上同一と認められない。

このように、乙第2号証は、その本件審判の請求の登録前のものでなく、また、本件商標と社会通念上同一とは認められない表示のみを使用したものであるから、いわゆる「審判請求登録前3年以内の登録商標の使用」を証するに、何の価値もないものと確信する。

(ウ)乙第3号証について

乙第3号証は、眼鏡光学出版株式会社のオンライン・マガジン「EYEWEAR FAN」であるが、これもおそらくは2001年1月12日現在のもので、本件審判請求の日より前のものではない。被請求人は、これらホームページのアドレスのうち、「http://www.gankyo.CO・jp/200010/goods−b,html」「http://www.gankyo.co.jp./199903/goods−b,html」を示し、名々「200010」「199903」に赤いマ一カーペンの印を付してある。答弁書の文面から、これはおそらくは、このアドレスの付されたホームページが各々2000年10月、1999年3月に製作されたことを示すものと思われるが、その根拠に乏しく信用性に欠け、またそのうち2000年10月と主張するものについては、本件審判請求の性質上何の意味もないものである。そして各々の頁には「新型は、EQ(EYEQ)シリーズで久々の発売となる」「初のサングラスモデルEYEQ sunシリーズ発売」なる記載があるのみで、本件商標が当該指定商品「眼鏡」に使用されたことを証するものではない。

「商標の使用」は、「自己の商品を他人の商品と区別するために、実際の取引の場において、自己の商品と密接に関連させて自己の商標を使用する行為」を云うものであるが、例えば、単に「EYEQ sunシリーズ発売」の記載からは、本件商標が「実際の取引の場で」使用されたのか、どのように「自己の商品と密接に関連させて」使用したのか、そして使用された商標の態様は「本件商標と社会通念上同一」であったのか、が明らかでなく、たとえ、このホームページの記載が1999年3月現在のものであったとしても、被請求人の云うように「三共社が本件商標を付した本件商品を販売した事実が示されております」ということを証するものではない。

このように、乙第3号証は、被請求人のいう「1999年3月付け及び2000年10月付けの新製品ニュース」であることの蓋然性は高くなく、それ自身の証拠性に乏しく、また「1999年3月付けの新製品ニュース」と称されるものの記載からは、到底「商標の使用」を推認することができないものであるから、いわゆる「審判請求の登録前3年以内の登録商標の使用」を証するに足りない。

(エ)乙第4号証ないし乙第6号証について 乙第4号証ないし乙第6号証は、株式会社三共社からの納品書控の写しであると認めるとしても、本件審判の請求の登録前3年以内に品目名EQ808、EQ812等のフレアが取引に供されていたことを示すにすぎない。被請求人は、『品目名が「EQ」は本件商標「EYEQ」の略称である』旨主張し、乙第3号証の「EQ(EYEQ)シリーズ」の記載をその根拠としているが、前述せる如く、乙第3号証自身に証拠性が欠ける上に、「EQ(EYEQ)シリーズ」の記載のみをもって、『品目名「EQ」は「EYEQ」の略称である』旨主張するのは著しく客観性に欠けるのである。

「EQ」を使用する本件取引の主体である株式会社三共社自身の商品カタログと称する乙第1号証にも、全く「EQ」なる記載が見当たらないのに、当該取引に関して第三者であるところの業界向け専門誌オンラインマガジン「EYEWEAR FAN」に「EQ(EYEQ)シリーズ」の記載が存在するからといって、当該納品書発行日当時、「EQ」が「EYEQ」の略称に使用されていたと直ちに断ずることはできないのは当然かと考える。

また、被請求人は、各納品書に乙第1号証の商品カタログと称するものの一部を添付し、品目名と対比させているが、前述したように、EQとEYEQとの一致性について疑わしいばかりではなく、乙第1号証の商品カタログと称するもの自体が、当該納品書の発行日当時に存在したことにつき何の証拠もなく、本件商標を付した商品が納品書発行日当時取引に供されたことを示すことはできないものと考える。

更に付言するならば、本件商標は「EYEQ」のアルファベット大文字4文字を横に連ね、EYEを巾狭に、Qを他の3文字に対して略2倍の巾広に構成し、且つ、ロゴ化して成るものである。この本件商標を鑑みれば、指定商品を眼鏡とする関係上本来なら、眼を表す「EYE」の部分はいわゆる品質表示語に該当し、残るQの部分についても簡単且つありふれているので、全体に顕著性ないものとしてその登録を拒絶されて然るべきものであるが、それが登録を得たのは前述せる「EYE」と「Q」との結合態様が「普通に用いられる方法」でなく表示されたものであると認定されたからであるとも考えられますが、そのような場合、当然に「登録商標の使用」と認められる態様の幅は極めて狭く、被請求人が赤いマーカーペンで印した乙各号証におけるゴチック体等巾の「EYEQ」や片仮名の「アイキュー」の使用があったとしても、それはもはや「登録商標の使用」とは云い難いのである。

結局、本件商標の使用を証明するためには、本件商標そのものが商品「眼鏡」そのものに付され、広告や納品書等の取引書類に付される行為が実際の取引の場で、「審判請求の登録前3年以内に」行われていたことを直接的に証明する必要があると考えられるが、被請求人の示す乙各号証にはそのような証拠は一切存在しない。

(オ)以上のとおり、被請求人の提出した乙各号証は、本件審判の請求の登録前3年の間に、日本国内において、本件商標登録の指定商品「眼鏡」について、本件商標を使用したことを証するものでない。

3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。

(1)本件商標の現在までの経緯

本件商標は、欧文字「EYEQ」よりなり、第9類「眼鏡」を指定商品として、平成9年2月24日登録されて以降、今日に至るまで許諾による通常使用権者である販売代理店「株式会社三共社」によって使用されている。

(2)登録商標の使用の事実

(イ)使用に係る商品

本件商標に係る商品「眼鏡」(以下、「本件商品」という)に本件商標が使用されていることを明らかにするため、商品カタログ(乙第1号証)を提出する。カタログから明らかなように、フレアー(Flair)コレクションの一つとして、本件商標は本件商品に使用されている(乙第1号証)。本事実は、日本国内における販売総代理店(許諾による通常使用権者)である「株式会社三共社」のホームページからも明らかである(乙第2号証)。

なお、直輸入品であり、またビジュアルな情報が重視されるという本件商品の性質上、「株式会社三共社」によって日本国内で頒布されているカタログのほとんどは独文表記のままとなっている。しかしながら、カタログには、フレア(Flair)シリーズを構成する商品として本件商標が付されており、三共社では、本カタログをもって、商品カタログとして顧客に呈示し、及び提供している。

また、眼鏡店向けのオンラインマガジンとして、眼鏡工学出版社が発信している「EYEWEAR FAN」には、業界ニュースが掲載されており、この1999年3月付け及び2000年10月付けの新製品ニュースにて、販売代理店たる三共社が本件商標を付した本件商品に販売した事実が示されている(乙第3号証)。

(ロ)商品販売の事実

上記(イ)で述べた本件商品が国内で取引されている事実を示すために、許諾による通常使用権者である「株式会社三共社」が本件商品を販売したことを示す納品書を添付する。

乙第4号証:カタログ(乙第1号証)記載の「EYEQ808」、「EYEQ812」、「EYEQ816」が販売・納品された事実を示す。

乙第5号証:カタログ(乙第1号証)記載の「EYEQ817」が販売・納品された事実を示す。

乙第6号証:カタログ(乙第1号証)記載の「EYEQ810」が販売・納品された事実を示す。

以上の事実は、本件商標にかかる商品の取引きがいずれも日本国内の市場にて実際に行われていることを示している。なお、上記に掲げた添付資料(乙第4号証ないし乙第6号証)中で、品目名が「EQ」と記されているが、これはまさに本件商標である「EYEQ」の略称として使用されているものである。乙第3号証における本件商標についての記載「...EQ(EYEQ)シリーズ...」はかかる略称の使用を裏付けるものである。

(ハ)登録商標の使用の時期

乙第3号証によれば、国内顧客からの発注により通常使用権者である株式会社三共社から「EQ808」「EQ812」「EQ816」が平成11年1月22日付けで顧客に納品されている。また、乙第4号証によれば、国内顧客からの発注により同社から「EQ817」が平成11年1月18日付けで顧客に納品されている。さらに、乙第5号証によれば、国内顧客からの発注により同社から「EQ810」が平成11年1月16日付けで顧客に納品されている。

従って、被請求人による本件商標の使用は、商標法第50条第2項に規定する「審判請求の登録前3年以内の登録商標の使用」に該当するものである。

(3)以上のとおり、本件は、商標法第50条第2項所定の取消要件には該当するものではない。

4 当審の判断

本件商標は、後掲したとおり、欧文字の「EYEQ」と思しき綴り字を冒頭の「E」のステム部及び末尾の「Q」のみを太軸の線で表し、かつ、「Q」の文字はほぼ正円図形様に表してなるもので、全体として欧文字をやや特異に表現してなる固有の商標と認められる。

被請求人は、本件商標をその指定商品である「眼鏡」に使用しているとして乙各号証を提出しているので、以下、検討する。

(1)乙第1号証は、(a)商品現物写真、(b)カタログ見本、及び、(c)同写しを不規則に10数枚綴り合わせたものであって、やや統一性に欠ける印刷物ではあるが、全体として、被請求人または関連事業者に係る「Flair」(フレアー)ブランド製品(以下、「Flairブランド」という。)のうち、本件商標(EYEQ)に係るシリーズ商品に関しその現物写真及びカタログまたはパンフレット類(写しを含む)を各品番毎に適宜収集し綴じ合わせた資料集(以下、「広告用印刷物」という。)とみられるものである。

これら広告用印刷物のいくつかに左端下部に表示された「11/97」、「1/98」、「8/98」、「1/99」、「8/99」及び「8/2000」等の日付はそれら広告用印刷物の作成時期を示すものとみて差し支えないものと認められる。そして、広告用印刷物に掲載された眼鏡には、一様に本件商標及び「Flairブランド」の表示がされており、さらに、一枚目貼付の眼鏡写真のものは同じく一枚目に貼付された「8/2000」の日付のある広告用印刷物の一葉のものと符合することが認められる。

また、同じく2枚目と末尾に綴られた広告用印刷物には当該取り扱い事業者である「株式会社三共社」(SANKYOSHA OPTICAL Co,Ltd)(以下、「三共社」という。)の表示があり、三共社が被請求人の述べる本件商標の通常使用権者であることを推認するのに十分である。

(2)乙第2号証は、株式会社三共社に係るいわゆるインターネットホームページ情報であって、このうち、特に「’99秋のフレアーコレクション」なるタイトルの当該情報によれば、「フレアーモデル,・・・アイキュー,・・・のシリーズがございます。」、「Index EYE−Q」等の紹介見出しとともに、当該品番を「EQ810」、「EQ808」等として紹介されている10数例の各製品は、そのレンズ部に一様に本件商標と社会通念上同一といえる商標が表示されていて、本件商標に係るシリーズ製品は、「EQ・・・」の品番表示を統一的に用いている状況が認められる。

また、上記タイトル最下部の注釈欄にある「Flairブランドがドイツ連邦共和国のDr.Eugen Beck社(被請求人会社)により国際商標登録されていること」、「日本においては登録第4200958号として商標登録されていること」、「フレアー製品の販売供給は日本の総代理店であるフレアーインポート事業部に委ねられている」等の説明によれば、本件商標(EYEQ)に係るシリーズ商品を含むFlairブランド製品が被請求人会社及び関連事業者によりわが国へ供されていることが認められる。

(3)乙第3号証は、「EYEWEAR Fan」(アイウエア ファン)なる眼鏡業界専門誌(オンラインマガジン)であって、このうち、特に、1999(年)3(月)付「新製品Head Line」、「三共社」の項によれば、「フレアーに初のサングラスモデル”EYEQ sun”シリーズ発売」とする記述が認められる。

(4)乙第4号証ないし乙第6号証は、三共社に係る日付をそれぞれ99.1.16、99.1.18及び99.1.22とする納品書控え3葉であって、これら納品書には、当該取引品目(品目名)を「フレア EQ−808・・・」の如く記載し、いずれの場合も「フレア EQ−・・・」の表示を統一的に用いていること、また、これら納品書の記載等よりして、当該取引の対象商品は眼鏡レンズであることが認められる。

以上の(1)ないし(4)の各認定によれば、本件商標は、その通常使用権者と認められる「三共社」により、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、眼鏡に属する眼鏡レンズに使用されていたものと認められる。そして、ほかに、この認定を覆すに足りる証拠は見出せない。

請求人は、乙第1号証を不知として証拠力を否定しているが、たとえ、不規則・不揃いのものであったにしても、提出された広告用印刷物中には、カタログまたはパンフレット類の現物見本を含むほか、写しであっても当該製品写真を用いるなどして極めて精緻に作られていて、その原本の存在を十分に窺わせるものであり、かつ、当該作成時期(「11/97」、「1/98」、「8/98」、「1/99」、「8/99」及び「8/2000」)について疑問の余地はないから、それら乙第1号証の証拠力の欠如を述べる請求人の主張は妥当でなく、採用の限りでない。

また、請求人は、乙第2号証の三共社に係るホームページ情報が本件審判請求日後であるとして証拠力を否定し、或いは、当該「アイキュー」または「EYE−Q」の表示は本件商標と同一のものとはいえないとして、本件商標の使用は証明されない旨述べているが、少なくとも当該日付の時日において「’99秋のフレアーコレクション」なるタイトルの下、被請求人またはその関連事業者に係る前記(2)の内容の製品情報が存在したことは事実であり、かつ、前示商標登録に関する点及び前記「EYE−Q」(アイキュー)に対応する本件商標の表示並びに前記乙第1号証及びその他の乙号証との関係等を総合して判断するに、むしろ、本件商標が当該シリーズ商品の商標として用いられた状況を客観的に示すものであって、信用性を有するものというべきであるから、その主張は妥当でなく、採用の限りでない。

さらに、請求人は、広告用印刷物または納品書等に「EQ」と表示されたものが「EYEQ」製品、すなわち、本件商標に係るシリーズ商品を指すものかどうか疑問である旨述べているが、前記認定の各点を総合するに、「EQ」は、本件商標に係るシリーズ商品の品番表示とみて差し支えなく、これを否定するに足りる証拠はないから、その主張は採用することができない。

その他、請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。

してみれば、被請求人は、本件審判の請求に対し、所定事項の主張・立証をなし得たものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条により、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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