結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30957号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3106495号商標(以下、「本件商標」という。)は、「BRM」の欧文字と「ビーアールエム」の片仮名文字とを二段に書してなり、平成5年6月11日に登録出願、第29類「 乳酸菌を主成分とする粒状・粉末状・顆粒状・液状・クリ―ム状・ぺ―スト状及びカプセル入りの加工食品,乳製品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を含む。),豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,食用油脂,カレ―・シチュ―及びス―プのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、同7年12月26日に設定の登録がされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第7号証を提出した。
(1)本件商標は、継続して3年以上、すなわち遅くとも平成8年7月19日から今日に至るまで、日本国内において、商標権者、専用使用権者、または通常使用権者のいずれもがその指定商品について使用していない。さらに、本件商標をその指定商品について使用していないことについての正当な理由があるものとも認められない。
(2)弁駁の理由
被請求人の答弁に対して次のように弁駁する。
乙第1号証2頁によれば、「BRM」とは「BiologicaI Response Modifier」の略記で生体応答調節物質のことであり、同物質は通常それぞれの頭文字をとって「BRM」と称され、「BRM」自体で生体応答調節物質を意味するように使われている(甲第3号証ないし同第7号証)。したがって、被請求人提出の証拠に記載されている「BRM」は本件商標の使用ではなく、専ら一般名称又はその略称としての使用であり、商標としての使用は認められない。
(3)以上により、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき取り消されるべきものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証を提出した。
(1)本件商標は、被請求人である二チニチ製薬株式会社により、現在も商品「乳酸菌を主成分とする粒状・粉末状・顆粒状・液状・クリーム状・ペースト状及びカプセル入りの加工食品」に使用されている(乙第1号証及び同第2号証)。
被請求人は、この乳酸菌をメインとした醗酵技術のほか、関連会社たる株式会社ボンアールとともに、乳酸菌抽出物含有食品の開発を広く行っている。その事業内容および主要商品の概要については、被請求人及び株式会社ボンアールのインターネット・ホームページにおいて紹介されている通りである(乙第3号証)。被請求人の「BRM」商品に対応する乳酸菌 FK−23 菌についても詳細に説明されている。また、該ホームページは、少なくとも1998年6月1日より公開されている。
以上の資料からも分かるように、「BRM」商品は、被請求人により独自に開発・製品化された商品であり、その販売先は国内にとどまらず、輸出も行なっている現状にある(乙第4号証)。これら資料から、現在、「BRM」が自他商品識別力をもつ商標として使用されている事実は明らかである。
(2)被請求人は、健康食品及び医薬品の製造販売を主目的とする会社であるが、社内では主に商品開発、研究、製造を行い、販売等の営業活動は外部の別会社である株式会社ボンアールに委託している。株式会社ボンアールは、代理店方式の訪問販売を行い、商品は代理店からエンドユーザーに販売されている。本件商標が記載されたパンフレット(乙第1号証)は、株式会社ボンアールに対して、被請求人が製品宣伝・説明のために使用したものであることから「研修」の文字が入ってはいるが、これはそのままエンドユーザーへの製品宣伝・説明にも使用されているものである。
かかる事情により、乙第1号証が、商標「BRM」を商品について使用している「商品に関する広告」「取引書類」に当ることは明らかである。
(3)以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年間において上記商品について使用されているものであり、商標法第50条の規定に該当するものでなく、取り消されるべき商標ではない。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る商品について当該商標を所定の期間内(審判請求の予告登録日前3年以内)に使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消を免れない。
そして、商標は、自己の業務に係る商品と他人の業務に係る商品とを識別することをその本質的機能としているから、現実の使用においても、自他商品識別標識として認識されるような態様で使用されるべきであり、登録商標と形式的に同一の表示が商品に使用されていても、当該表示が自他商品識別標識として機能していると認められない場合、すなわち商品の普通名称あるいは商品の説明的語句等として認識されるような場合には、当該登録商標の使用は否定されるべきものと解される。
これを本件についてみるに、乙第1号証は、被請求人に係る「BRM商品パンフレット」であって、そこに示された「BRM」の文字は、「Biological Response Modifier」の略語すなわち免疫力を高める働きを持つ「生体応答調節物質」を意味する語句として使用され、また、その記載内容は、「生体応答調節物質」(BRM)の効能を説明する研修資料であるから、「BRM」の文字が特定の商品を識別する標識として使用されているものとはいえない。さらに、その作成時期または使用の時期も不明である。
乙第2号証は、被請求人に係る「乳酸菌FK−23菌参考資料」であって、同記載によれば、健康維持食品「プロテサン」及び乳酸球菌「FK−23」に関し、「消化補助」「代謝補助」等と並んで「BRM」が腸内細菌のはたらきを説明する語句の一つとして使用されているほかに「BRM」の記載は見当たらない。
そして、同じく乙第3号証は、被請求人に係る健康維持食品「プロテサン」及び乳酸球菌「FK−23」に関するインターネットのホームページによる商品案内であって、商標「BRM」の使用を何ら証明するものではない。
乙第4号証は、被請求人に係る「商品出荷伝票及び価格表」であって、その取引内容は商品「FK−23」に関するものであり、「SAMPLE」及び「PRICE LIST」に記載された「BRMー10」「BRMー20」等の文字も、物質名としての「BRM」の種類名を記載したものとしか認識されないから、「BRM」が商標として使用され、取り引きされていることの証左とはなり得ない。
そして、他に上記証拠から本件商標を商標として使用している事実は認められない。
したがって、被請求人の提出した証拠(乙第1号証ないし同第4号証)をもってしては、本件商標が自他商品識別標識として認識される態様で使用されていることは証明されない。
そして、請求人の提出に係る甲第3号証ないし同第7号証によれば、「BRM」は、癌(腫瘍)の治療に用いられる物質名を表すものとして当業界において取引上普通に用いられていることが認められる。また、この点に関し、被請求人提出の証拠に記載されている「BRM」は本件商標の使用ではなく、専ら一般名称又はその略称としての使用であって、商標としての使用は認められない旨述べる請求人の主張に対し、被請求人は何ら反論するところがない。
以上によれば、被請求人は、本件審判請求の予告登録日前3年以内に本件商標をその指定商品について使用したことを証明し得たものといえないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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