結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−31399(T2000−31399/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
1.本件商標
本件登録第256908号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおり、「満点」の漢字を縦書きしてなり、大正10年12月17日農商務省令第36号を以て公布、同11年1月11日より施行された商標法施行規則における類別(現行「商品の区分」に相当)第45類に属する「佃煮、昆布、其ノ他他類二属セサル食料品及加味品(但シ『小麦ノ蛋白質ヲ酸類ヲ以テ加水分解ヲ為シ白色ノ粉末トシタルモノ』及其ノ類似品ヲ除ク)」を指定商品として、昭和8年12月23日登録出願、同9年9月12日設定登録、その後、同29年4月5日、同51年5月10日、同59年9月17日及び平成7年2月27日の四度に亘る商標権存続期間の更新登録を経て、有効に存続しているものである。
2.請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品中、「肉製品、加工水産物(『かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり』を除く。)」を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を(一)のように述べるとともに、被請求人の答弁及び上申に対し、(二)以下の旨弁駁した。
(一)請求人の調査によれば、本件商標は、過去3年以上に亘り取消請求に係る商品に全く使用されていないことが判明したので、その登録は商標法第50条の規定により取り消しを免れない。
(二)被請求人は、乙第1号証乃至同第37号証を提出し、本件商標を指定商品中、「加工水産物」にあたる「加工こんぶ、加工ひじき」に使用している旨答弁しているが、提出に係る証拠は、いずれも証拠力に乏しく、本件商標の使用事実の立証能力に欠ける。
(1)被請求人は、商品の実物を撮影した写真(乙第1号証、同第12号証及び同第13号証)を提出しているが、これらの撮影日は、平成13年2月19日又は同2月13日であって、本件審判請求の登録日(平成12年12月8日)[平成12年12月13日の誤記]以降であるので、いずれも本件審判請求の登録日前の使用の事実を立証するものとはいえない。
(2)被請求人は、商品「満点 サッポロ巻」の化粧箱(乙第2号証及び同第3号証)を提出しているが、これらの化粧箱には、その作成年月日又は販売日の記載がないので、これらがいつ使用されたかが不明である。
また、当該箱の蓋付近に見られる「賞味期限01.10.10」の記載は、商品の賞味期限が2001年10月10日であることを示しているものの、賞味期限が製造日からどのくらいなのかが不明であるから、賞味期限の記載のみでは、これらがいつ製造されたのかが不明である。
さらに、被請求人は、当該商品が「加工水産物」にあたる「加工こんぶ」であると主張しているが、「加工こんぶ」が「加工水産物」にあたるか否かは不明であるので、これらの証拠が、本件商標を「加工水産物」に使用している証明となり得るのかが疑問である。
(3)被請求人は、納品書(控)(写)(以下、「納品書」という。)(乙第4号証乃至同第10号証)を提出しているが、これらの日付が、平成10年12月15日、同29日、同11年1月21日、同11月29日、同10年12月8日、同11年4月15日及び同12年6月7日であって、本件審判請求の登録日前に「大形」又は「中形」の商品が納品されたことはわかるけれども、当該納品書には、本件商標及び商品が一切記載されていない。
被請求人は、「大形」又は「中形」が「満点 サッポロ巻」の大形巻又は中形巻を意味すると述べているが、その整合性を裏付ける証拠の提出はないので、これらの納品書で本件商標の使用が立証されているとすることは疑問である。
(4)被請求人は、「煮汁のもと」の包装材用シール(乙第11号証)を提出しているが、それには、「味付乾燥」の記載はあるものの、原材料等の表示がないので、当該商品が何であるかが不明である。
また、被請求人は、その現物の写真(乙第12号証)を提出しているが、当該写真では、その原材料及び被請求人が言う「賞味期限2000年9月11日」のいずれも判読できないうえ、これらの証拠には、作成年月日又は販売日の記載がない。
さらに、「煮汁のもと」が「加工水産物」であるとするのは疑問である。
むしろ、それは「加工水産物」ではなく、即席スープや即席みそ汁等が含まれる「カレー・シチュー又はスープのもと」(類似群32F10)に属すると考えるのが妥当である。
(5)商品「加工いか」(乙第13号証乃至同第25号証)「加工こんぶ」(乙第1号証乃至同第11号証、乙第26号証乃至同第28号証)「加工魚」(乙第29号証乃至同第31号証)は、いずれも本件商標の指定商品中の「加工水産物」であるのが不明であり、これらの証拠をもって、本件商標が「加工水産物」に使用されている証明となるかは疑問である。
(6)被請求人は、各商品のシール(乙第11,14,19,23,26,29号証)や宣伝用ちらし(乙第16,21,24,28,31号証)を提出しているが、それらの作成日及び頒布日の記載がないので、それらがいつ作成され、頒布されたのかが不明である。
しかも、それらのうちには、「かむ運動はあごを発達させ...」や「...かむ運動には最適です」の記述があるので、当該商品は、「加工水産物」というよりも「(よくかむことを目的とした)健康食品の一種」と考えられる。
そのほかに、被請求人は、「ひよこ豆」、「落花生」、「プルーン」及び「ブルーベリー」のシールや写真(乙第32号証乃至同第37号証)を提出しているが、これらは、本件商標の指定商品とは無関係であり、いずれも「加工水産物」の使用に係る証拠ではない。
(7)被請求人は、取引先の陳述書等を添付した上申書(平成13年4月24日付)を提出しているが、陳述書以外の各証拠は、先の答弁書に添付の証拠と同種であり、いずれも証拠力に乏しく、本件商標の使用の立証能力に欠ける。
特に、被請求人は、オギノ食糧株式会社及び株式会社森野商店の陳述書、商品の写真及び両社宛ての納品書(乙第38号証及び同第41号証)を提出しているが、当該写真には、平仮名「まんてん」標章が付されているものの、本件商標「満点」は見当たらない。
しかも、当該納品書には、本件商標「満点」の表示はなく、平仮名「まんてん」標章の記載だけのもの、あるいは、「まんてん」標章の記載すらもなく、単に「いかバー」、「あたりめ」、「いわしっ子」という記載がなされているものがあり、これらと商品の整合性もない。
したがって、当該納品書では、商品に本件商標「満点」を使用しているとするのは疑問である。
(三)被請求人は、本件商標「満点」の使用とは別に、平仮名「まんてん」又は片仮名「マンテン」標章を多くの「加工水産物」に使用している証拠(乙第13号証乃至同31号証)を提出するとともに、これらは、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標であるから、これらの使用は、商標法第50条第1項の括弧書きに規定する登録商標の使用に該当すると主張している。
しかしながら、同括弧書きに言う登録商標の使用と認められるものとは、「...平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するもの...」であり、この「相互に変更するもの」であるためには、「同一の称呼及び観念を生ずる商標」であることを要する。
しかるに、漢字の「満点」を平仮名「まんてん」や片仮名「マンテン」標章で表示した本件のような場合には、平仮名「まんてん」や片仮名「マンテン」標章は、本件商標である漢字の「満点」とは同一の称呼であっても、その称呼から、本件商標「満点」のみならず、空全体を表す「満天」又は天全体を表す「万天」の観念をも生ずるので、当該「まんてん」又は「マンテン」標章は、前記括弧書きの「同一の称呼及び観念を生ずる商標」には該当せず、これらは、本件商標「満点」と社会通念上同一の商標ということはできない。よって、上記証拠は、本件商標の使用を示す証拠とはならない。
因みに、前記括弧書きは、社会通念上同一の商標を「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するもの」と対象を限定しており、「平仮名、片仮名及びローマ字」は、その「相互に変更するもの」に該当するとして積極的に例示されているけれども、本件商標「満点」の表示文字である「漢字」と「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するもの」についてまでは例示していない。
むしろ、請求人提出の特許庁発行「平成8年改正商標法等の概要[基本・運用編]第28頁」(甲第1号証)によれば、「社会通念上同一と認められない商標」の例として、「同一の称呼を生ずる場合であって、平仮名及び片仮名と漢字のいずれかに別異の観念が含まれるときの相互間の使用」があり、例えば、登録商標が漢字の「桔梗」で、実際に使用されている商標の態様が、平仮名「ききょう」であった場合、同じ称呼が生じる「帰郷」なのか、又は「桔梗」なのかが分別できないことから、このような場合には、社会通念上同一の商標とは認められないとしている。これはまさしく本件と同様の事例である。
以上のように、商標法第50条の括弧書きにおける「相互に変更するもの」とは、「同一の称呼及び観念を生ずる商標」でなければならないので、本件商標である漢字の「満点」と平仮名「まんてん」標章とは、前記括弧書きにいう「同一の称呼及び観念を生ずる商標」とはいえない。
したがって、「まんてん」標章は、本件商標「満点」と社会通念上同一の商標とは認められないので、その証拠は、本件商標「満点」の使用にはあたらない。
(四)被請求人提出の三重国分株式会社及び株式会社丸中商店の陳述書、商品の写真及び両社宛ての納品書(乙第39号証及び同第40号証)における写真には、商品の外箱に「満点」の文字が見受けられ、そのうちの「満」の文字の上段には、やや小さく「美味」という文字が記載され、同様に、「点」の文字の上段には、「栄養」という文字が記載されていること及び「満点」が「申し分のない」の意を有することからすると、この「満点」の文字は、商品の品質誇称である「美味満点」、「栄養満点」に繋がる表示というのが自然である。
してみると、当該「満点」の文字は、商標として機能していない。
一方、前記写真における「満点」の文字の下には、極めて大きく「サッポロ巻」の文字が表示されており、被請求人が、当該「サッポロ巻」という商標の登録(登録第794519号)を既に昭和43年に受けていることからすると、自他商品を識別する商標は、「サッポロ巻」のみであって、「満点」は、単に商品の品質表示に止まり、商標としての使用とはいえない。
したがって、写真に見られる商品「昆布巻」の化粧箱をみる取引者、需要者は、「サッポロ巻」印の商品と理解・認識するのが自然であって、「満点」印の商品とみるのは不自然であり、普通ではあり得ない。
以上のとおり、被請求人提出の証拠では、本件審判請求の登録日前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件商標を取消請求に係る商品に使用したものとは認められない。
3.被請求人の主張の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、証拠方法として乙第1号証乃至同第41号証を提出するとともに、(一)の旨述べ、請求人の弁駁に対し、(二)以下の旨答弁及び上申した。
(一)請求人(「被請求人」の誤記。以下、同様の誤記は職権で訂正した)は、以下に示すとおり、本件審判請求の登録日である平成12年12月13日前3年以内、すなわち、同9年12月14日から同12年12月13日までの間に、本件商標を指定商品中の「加工水産物」(類似群32F01)に属する「加工こんぶ」及び「加工ひじき」に使用していたので、本件取消審判請求は理由がない。
(1)乙第1号証は、「加工こんぶ」(商品「昆布巻」)である「満点 サッポロ巻」の実物を撮影した写真である。当該商品には、大形巻と中形巻の2種類があり、いずれの化粧箱(乙第2号証及び同第3号証)にも、本件商標が印刷されている。
乙第4号証は、「満点 サッポロ巻」の大形を平成10年12月15日に「太田商店」に、乙第5号証は、それを平成10年12月29日に「ひらかた」に、乙第6号証及び同第7号証は、それを平成11年1月21日及び同11月29日に「木村商店」に、それぞれ納入した際の納品書である。当該納品書には、「大形」とのみ記載されているが、これは、「満点 サッポロ巻」の大形巻を意味している。
これらの納品書の商品中には、単価が316円のもの(乙第4号証)と、291円のもの(乙第5号証乃至同第7号証)とがあり、後者は、納品書中の左下に「三友食品(株)九州支社 長崎」(乙第5号証)、「花菱乾物(株)」(乙第6号証及び同第7号証)と記載されている。
後者の取引においては、被請求人が、商品を「ひらかた」又は「木村商店」に直接納入するが、代金の支払は、「ひらかた」又は「木村商店」から「三友食品(株)九州支社 長崎」又は「花菱乾物(株)」に対してなされ、被請求人には、「三友食品(株)九州支社 長崎」又は「花菱乾物(株)」から手形で支払われる。「三友食品(株)九州支社 長崎」又は「花菱乾物(株)」は、リベートとして、製品1個あたり25円を取得するので、その分、被請求人に支払われる単価は減額されている。
乙第8号証は、「満点 サッポロ巻」中形を平成10年12月8日に「株式会社丸中商店」に、乙第9号証及び同第10号証は、それを平成11年4月15日及び同12年6月7日に「株式会社新光」に納入した際の納品書である。納品書の下段に「中形(8本×30ケ×6合せ)」と記載されているのが、「満点 サッポロ巻」の中形巻である。
これらの納品書の商品中には、単価が262円のもの(乙第8号証)と251円のもの(乙第9号証及び同第10号証)とがあり、後者は納品書の左下に「三友食品(株)九州支社 山口」と記載されている。
後者の取引においては、上記と同様に、「三友食品(株)九州支社 山口」は、リベートとして、単価にして11円を取得するので、その分、被請求人が受領する金額は安くなっている。
乙第11号証は、ひじき、納豆、油揚げを味付け乾燥させた「煮汁のもと」である「満点 まんてん」の包材用シールであり、同第12号証は、その現物の写真である。賞味期間は、2000年9月11日と記載されていることから、その約1年前に製造したものである。
(二)商標法第50条第1項括弧書きの主張について
(1)被請求人は、本件商標「満点」の使用とは別に、平仮名「まんてん」又は片仮名「マンテン」標章を多くの「加工水産物」に使用している(乙第11号証乃至同第31号証)。
これらは、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標であるから、これらの商標の使用は、商標法第50条に規定する登録商標の使用に該当する。
(三)提出証拠
(ア) 写真
乙第13号証は「加工いか」である「まんてん かみいか」の、乙第18号証は「加工いか」である「まんてん あたりめえ」の、それぞれの実物を撮影した写真である。
(イ) シール
前記写真等に見られる大袋には、「まんてん」標章を付したシールが貼付してある。
乙第14号証は「加工いか」である「まんてん かみいか」の、乙第19号証は「加工いか」である「まんてん あたりめえ」の、乙第23号証は「加工いか」である「まんてん いかバー」の、乙第26号証は「加工こんぶ」である「まんてん こんぶ」の、乙第29号証は「加工魚」である「まんてん いわしっ子」の、それぞれの大袋に貼付するそれぞれのシールであって、それぞれに「まんてん」標章が付されている。
(ウ) 小袋用包装材
乙第15号証は「加工いか」である「まんてん かみいか」の、乙第20号証は「加工いか」である「まんてん あたりめえ」の、乙第27号証は「加工こんぶ」である「まんてん こんぶ」の、乙第30号証は「加工魚」である「まんてん いわしっ子」の、それぞれの小袋用包装材である。
被請求人は、前記大袋内に「加工いか」「加工こんぶ」「加工魚」を包装した小袋(乙第15号証、同第20号証、同第27号証、同第30号証)10袋又は40袋を詰めて販売しているが、乙第15号証及び同第20号証は、その小袋3つ分の、乙第27号証及び同第30号証は、その小袋2つ分の包装材であり、実際には、両脇の黒い長方形の印刷してある個所で裁断して、それぞれ1つずつの小袋としている。当該小袋には、「マンテン」、「まんてん」標章又は本件商標「満点」のいずれかが付されている。
(エ) 宣伝用ちらし
乙第16号証は、「まんてん かみいか」の、乙第21号証は、「まんてん あたりめえ」の、乙第24号証は、「まんてん いかバー」の、乙第28号証は、「まんてん こんぶ」の、乙第31号証は、「まんてん いわしっ子」の、それぞれ宣伝用ちらしである。
乙第31号証の当該ちらしには、「キビナゴを天然素材そのまま乾燥(遠赤焼き)したものです。」と記載されており、「加工水産物」であることが明記されている。
(オ) 納品書
乙第17号証は「まんてん かみいか」を平成10年9月11日に「オギノ食糧株式会社」に納入した際の、乙第22号証は「まんてん あたりめえ」を平成10年2月18日に「株式会社ジーケーエス」に納入した際の、乙第25号証は「まんてん いかバー」を平成10年12月16日に「オギノ食糧株式会社」に納入した際の、乙第38号証及び同第41号証は「まんてん いわしっ子」を平成11年6月30日等の日に「オギノ食糧株式会社」に、並びに、平成11年2月23日等の日に「株式会社森野商店」に、それぞれ納入した際の納品書である。
当該納品書には、漢字、平仮名、片仮名の全てを記載するのは実際的ではないので、「(マン46)」「(マン40)」「(マン55)」といった記号を記載している。
当該記号のうちの「マン」は、「マンテン」、「まんてん」標章又は本件商標「満点」のいずれかを付した商品であることを示すものであり、「46」「40」「55」は、被請求人の社内で各製品に付している整理番号である。
「品番・品名」欄に記載された「(マン46)かみいか」は乙第17号証の「まんてん かみいか」を、「(マン40)あたりめ」は乙第18号証乃至同第21号証の「まんてん あたりめえ」を、「(マン55)いかバー」は乙第24号証の「まんてん いかバー」をそれぞれ示している。
(カ) 陳述書
被請求人は、本件商標「満点」又は「まんてん」及び「マンテン」標章を「加工水産物」に使用した上記証拠のほかに、これらを付した商品を被請求人から購入した顧客である「オギノ食糧株式会社」(以下、「(a)」という。)、「三重国分株式会社」(以下、「(b)」という。)、「株式会社丸中商店」(以下、「(c)」という。)、及び「株式会社森野商店」(以下、「(d)」という。)によるその旨を証明した各々の陳述書を提出する。
これらの陳述書(乙第38号証乃至同第41号証)は、商品の包装状態の写真(写)等及び各種納品書を伴っており、当該陳述書には、(a)が昭和62年ごろより、(b)が昭和48年ごろより、(c)が昭和30年ころより、(d)が昭和53年ころより、いずれも被請求人と取引関係があり、(a)は遅くとも平成9年ころから、(b)は遅くとも昭和48年ごろから、(c)は遅くとも昭和35年ころから、(d)は遅くとも平成1年ころから、それぞれ現在にいたるまで、(a)は「まんてん」標章を付した「まんてん いかバー」、「まんてん あたりめえ」及び「まんてん いわしっ子」を、さらに、本件商標「満点」又は「まんてん」及び「マンテン」標章を付した「まんてん かみいか」を被請求人から購入しており、(b)及び(c)は本件商標「満点」を付した「満点 サッポロ巻」を被請求人から購入しており、(d)は「まんてん」標章を付した「まんてん いかバー」、「まんてん あたりめえ」及び「まんてん いわしっ子」を被請求人から購入していることが述べられている。
4.当審の判断
そこで、本件商標が、被請求人により本件審判請求の登録日前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品に使用されているか否かについて判断する。
(一)商品「昆布巻」について
被請求人が、本件商標を使用していると主張する商品のうち、「昆布巻」は、大正10年12月17日農商務省令第36号を以て公布、同11年1月11日より施行された商標法施行規則における類別第45類に属する「佃煮、昆布、其ノ他他類二属セサル食料品及加味品(但シ『小麦ノ蛋白質ヲ酸類ヲ以テ加水分解ヲ為シ白色ノ粉末トシタルモノ』及其ノ類似品ヲ除ク)」の範疇に属する商品というのが相当であり、これが他に属すと解すべき理由は見当たらない。
しかも、商品「昆布巻」につき、株式会社岩波書店発行「広辞苑」第五版の998頁には、「こぶまき[昆布巻]身欠きニシンなどをコンブで巻いて煮たもの。こんぶまき。」との記載が存することよりすれば、当該商品は、魚介類などの具をこんぶで巻いて煮た加工水産物であると認められる。
してみれば、本件商標「満点」を付した商品「昆布巻」は、取消請求に係る商品中、「加工水産物(『かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり』を除く。)」の範疇に属すということができる。
(二)本件商標「満点」の使用事実を客観的に裏付ける証拠の存否について
被請求人の提出した証拠中には、本件商標「満点」を付してなる商品「昆布巻」の化粧箱の実物(乙第2号証及び同第3号証)及びそれを化粧箱に収めた状態を撮影した写真(乙第1号証)並びに当該化粧箱の上蓋における「賞味期限01.10.10」の表示が見受けられる。
しかるところ、賞味期間は、遅くとも製造年月日から12ケ月内との趣旨の被請求人の主張は頗る妥当なものと認められるから、当該商品「昆布巻」の製造年月日は、少なくとも平成12年10月9日以降と推認し得る。
また、被請求人の提出に係る証拠中、(a)「株式会社丸中商店」宛ての平成10年12月8日付納品書(乙第8号証)、「株式会社新光」宛ての平成11年4月15日及び同12年6月7日付納品書(乙第9号証及び同第10号証)及びそこにおけるそれぞれの「中形」の記載、(b)本件商標「満点」を付した商品「かみいか」(「いかの加工水産物」)の小袋用包装材(乙第15号証)及びそれを大袋に収めた状態を撮影した写真(乙第13号証)、(c)「オギノ食糧株式会社」宛ての平成10年9月11日付納品書(乙第17号証)及びそこにおける「かみいか」の記載、(d)平成13年4月6日付の同社による陳述書(乙第38号証)及びそれに添付の本件商標「満点」を付した商品「かみいか」の小袋及び平成11年2月22日付同社宛ての納品書及びそこにおける「かみいか」の記載、(e)平成13年4月6日付の「三重国分株式会社」による陳述書(乙第39号証)及びそれに添付の本件商標「満点」を付した商品「昆布巻」の化粧箱及び当該商品を化粧箱に収めた状態を撮影した写真及び平成9年12月15日、平成10年9月10日、平成11年3月16日、同年10月14日付の同社宛てのそれぞれの納品書及びそこにおけるそれぞれの「中形」の記載、(f)平成13年4月6日付の「株式会社丸中商店」による陳述書(乙第40号証)及びそれに添付の本件商標「満点」を付した商品「昆布巻」の化粧箱及び当該商品を化粧箱に収めた状態を撮影した写真及び平成9年12月12日及び同17日、平成10年7月29日及び同年12月28日、平成11年1月8日及び同年12月15日、平成12年10月3日付の同社宛てのそれぞれの納品書及びそこにおけるそれぞれの「中形」の記載等をはじめとして提出された全証拠を総合勘案すると、被請求人は、本件審判請求の登録日前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「加工水産物(『かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり』を除く。)」の範疇に属する商品「昆布巻」、「いかの加工水産物」について、本件商標「満点」を使用していたものと認めることができる。
なお、「美味」「栄養」の文字が「満点」の文字の上段に隣接して表示されているからといって、直ちに前記乙号証に示された本件商標「満点」の使用が、自他商品識別機能を有しないものとみなければならない理由は見出せない。
したがって、本件商標の指定商品中、取消請求に係る商品の登録は、商標法第50条の規定に該当するものではないから、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。