sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標の要部抽出と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35700(T2000−35700/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4149304号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年1月24日に登録出願され、「PERFECT BALANCE」の文字と「パーフェクト バランス」の文字を2段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」を指定商品として、平成10年5月29日に設定登録されたものである。

2.請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第632121号商標(以下「引用商標」という。)は、「バランス」の片仮名文字と「BALANCE」の欧文字を2段に横書きしてなり、昭和37年7月28日に登録出願、第4類「化粧品、香料及薫料」を指定商品として、昭和38年12月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3.請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品のうち『化粧品』についての登録は、これを無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁書に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第4号証(枝番を含む。)を提出した。

本件商標は、引用商標と類似のものであって、引用商標の指定商品と同一の商品(化粧品)について使用するものであるから、その登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものである。

したがって、「化粧品」についての本件商標の登録は、商標法第46条の規定により無効とされるべきである。以下、理由を述べる。

(1)本件商標は、その構成からみて、容易に「PERFECT」(パーフェクト)と「BALANCE」(バランス)の文字よりなるものと看取されるものであるところ、「PERFECT」(パーフェクト)の文字は、「完壁な」の意味の英語(外来語)として、また「BALANCE」(バランス)の文字は、「釣合」の意味の英語(外来語)として、いずれも日本語同様に親しまれ通用しているものである。

ところで、化粧品の製造者に限らず、およそ商品の製造者は、商品の製造にあたってはその品質管理に十分配慮し、その品質において完壁であると確信できる商品のみを市場に流通させていることは明らかである。

また、需要者も、およそ市場に流通している商品は、その品質、安全性等において完壁なものであると信じて購入に当たっていることも、我々の経験則からみて明らかである。

したがって、あらゆる商品にとって、その品質において完壁なものであるということは、商品の生命といってよい程に極めて重要な要素であるとともに、需要者が最も関心を寄せるところでもある。

そうとすると、例えば、商品に「PERFECT」(パーフェクト)の文字や、この文字を含む商標が使用されているような場合、これに接する取引者、需要者は、この文字を、その商品が品質において完壁なものであることを表示しているものと理解する場合が決して少なくないというべきである。

ちなみに、「PERFECT」及び「パーフェクト」の語及びこれと同義の派生語である「PERFECTION」及び「パーフェクション」の語を、自他商品の識別力を有しないものと認定した特許庁の審査例が存在するが(甲第3号証及び同第4号証)、これらの認定の根拠も、上記と同様の根拠に基づいてなされたものと推察している。

しかるところ、本件商標は、この「PERFECT」(パーフェクト)の文字を含むものである。

してみると、本件商標がその指定商品の化粧品(身体に直接使用するものであるから薬剤と同様、その品質や安全性により一層の完壁さが求められる商品であることは明らかである。)について使用されたとき、これに接する取引者、需要者は、その構成中「PERFECT」(パーフェクト)の文字はその化粧品が品質において完壁なものであることを表示しているものと理解し、自他商品の識別標識として機能するのは「BALANCE」(バランス)の文字と認識して、これより生する「バランス」の称呼及び「釣合」の観念によって取引に当る場合も少なからずあるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、「バランス」の称呼及び「釣合」の観念を生ずるものといわざるを得ない。

一方、引用商標は、「BALANCE」と「バランス」の文字よりなるものであるから、これから「バランス」の称呼及び「釣合」の観念を生ずることは明らかである。

そうすると、本件商標と引用商標は、上記の称呼及び観念を同じくする類似のものといわざるを得ない。

また、両商標の指定商品は、共に「化粧品」を含んでいるものである。

以上のとおり、その指定商品中の化粧品との関係においては、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、この登録は、同法第46条の規定により、無効とされるべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

およそ商品で安全性を必要としない商品はないとはいうものの、とりわけ薬剤や人の肌や髪に直接使用する化粧品には、より高度な安全性の完壁さが求められているというべきである。

そうすると、このような化粧品に用いられている商標が、「完壁な」の意味で一般に親しまれている英語の「PERFECT」やこれに通ずる「パーフェクト」の語を含んでいるものである場合には、取引者、需要者は、これをその化粧品がその安全性において完壁なものであることを表示しているものと理解する場合も、決して少なくないとみるのが相当である。

してみると、本件商標がその指定商品中の「化粧品」について使用された場合にも、取引者、需要者は、これを「完壁なバランス」という一連不可分の意味を表しているものと把握する一方で、その構成中の「PERFECT」(パーフェクト)の語を、その化粧品がその安全性において完壁なものであることを表示しているものと理解する場合も、決して少なくないとみるのが相当である。

してみれば、本件商標がその指定商品中の「化粧品」について使用されたとき、これに接する取引者、需要者が、その構成中の「バランス」「BALANCE」の文字を自他商品の識別標識たり得るものと把握して、これらより生ずる「バランス」の称呼あるいは「釣合」の観念によって取引に当る場合も、決して少なくないというべきである。

したがって、本件商標は、「バランス」の称呼及び「釣合」の観念を生ずるものといわざるを得ない。

4.被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると、要旨次のように答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証を提出した。

(1)請求人は、本件商標に対する登録無効審判を請求することについての法律上の利益を有することに付、なんら言及していない。

よって、被請求人は、その点を確認することができないため、本件審判請求は、却下されるべきである。

(2)請求人は、本件商標が引用商標との関係で商標法第4条第1項第11号に該当すると主張している。

しかし、以下に述べる理由により、請求人の主張は何ら根拠がないものである。

被請求人は、登録第1245378号商標を援用する(乙第1号証の1、同号証の2)。該登録商標は、本件商標と同じく「PERFECT BALANCE」および「パーフェクトバランス」の文字を二段に横書きにしてなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品として出願されたものであり、昭和47年7月11日登録出願、昭和52年1月10日登録にかかり、昭和62年8月20日付で存続期間の更新登録がされ、平成9年1月10日付で存続期間が満了しその後抹消登録されたものである。

すなわち、登録第1245378号商標(「PERFECT BALANCE/パーフェクトバランス」)は、10年間の長きにわたり、引用商標「バランス/BALANCE」と共存していたものであり、このことから、本件商標が、引用商標との関係において第4条第1項第11号に該当しないことは明らかである。

(3)被請求人は、「PERFECT」(パーフェクト)の語は、特許庁における各種商品又は役務についての商標すなわち、各種商品・役務について商標登録されているものであり、自他商品・役務識別力を充分に有していると認識している。よって、請求人の主張は妥当ではない。

(4)本件商標は、全体として格別に冗長でもなく、「PERFECT BALANCE」(パーフェクトバランス)は、一体不可分のものとして把握されるべきものであり、「BALANCE」(バランス)の部分のみから称呼・観念が生じると認識すべき理由は見いだせない。

してみれば、本件商標の称呼は、「パーフェクトバランス」である。一方、引用商標の称呼は、「バランス」であり、両者は音数及び音構成に大きな相違点を有し、非類似である。

また、本件商標は、請求人も認めるとおり、容易に「PEFECT」(パーフェクト)と「BALANCE」(バランス)の文字よりなるものと看取されるものであるところ、「PERFECT」(パーフェクト)の文字は「完壁な」の意味の英語(外来語)として、また「BALANCE」(バランス)の文字は「釣合」の意味の英語(外来語)として、いずれも日本語同様に親しまれ通用しているものである。

したがって、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標から「完全な釣合、完全な調和」の観念を容易に引き出すことができる。

これに対し、引用商標の観念は、「釣合い、調和」であり、両者は非類似である。

以上のとおり、本件商標と引用商標は、互いに非類似の商標である。

よって、本件商標は引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号には該当しない。

5.当審の判断

本件審理に関し利害関係について判断するに、自己の登録商標が存するとき、これと同一もしくは類似の後願にかかる他人の登録商標を排除することは、商標権の本質に照らし当然の権利行使というべきであり、請求人は本件商標の存在によって直接不利益を被る関係にある者というを相当とする。

してみれば、請求人は、本件無効審判を請求するについて利害関係を有するものといわなければならない。

そこで、本案に入って審理するに、本件商標及び引用商標は、前記したとおりの構成よりなるところ、本件商標は、その構成に係る上段の欧文字及び下段の片仮名文字が外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「パーフェクトバランス」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一気に称呼し得るといえるものであり、かつ、全体として「完全(完壁)な釣合い(バランス)」の如き意味合いを看取させるものであるから、その構成文字全体をもって一体不可分のものとして把握し認識されるとみるのが相当である。

なお、請求人は、甲第3号証及び同第4号証を示して「PERFECT」(パーフェクト)の文字は商品の品質を表示したものと理解されるものであって、自他商品の識別力を有さない旨述べているが、かかる証拠及び請求人の理由をもっては、本件商標中の「PERFECT」「パーフェクト」の文字がその指定商品との関係において、「化粧品」の品質を具体的に表示したものとは認められず、自他商品の識別標識としての機能を有しないものとは言い得ないところである。

してみれば、本件商標は、上記認定のとおりであって、その構成文字に相応して「パーフェクトバランス」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。

他方、引用商標は、その構成文字に相応して「バランス」の称呼及び「釣合い」の観念を生ずるといえるものである。

そうとすると、本件商標より後半の「BALANCE」及び「バランス」の文字部分のみを捉えて、これより「バランス」の称呼及び「釣合」の観念をも生ずるとし、そのうえで本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するものであるとする請求人の主張は、認めることはできない。

また、両商標は、その構成はそれぞれ前記したとおりであるから、外観上は明らかに区別し得る差異を有するものと認められる。

してみると、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからしても類似する商標とはいえない。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「化粧品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから、その登録は同法第46条第1項第1号により無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。