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Trademark Appeal Case

著名商標と結合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35056(T2000−35056/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4315327号の指定商品中「新聞」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4315327号商標(以下、「本件商標」という。)は、「BILLBOARDPLACE」の文字を横書きしてなり、平成8年7月31日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,紙製幼児用おしめ,荷札,印刷物(「雑誌を除く。」),書画,写真,写真立て,かるた,歌かるた,トランプ,花札,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),昆虫採集用具,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はりつけ機,事務用電動ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,装飾塗工用ブラシ,封ろう,マーキング用孔開型板,観賞魚用水槽及びその付属品」を指定商品として、同11年9月17日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第1664965号商標(以下、「引用1商標」という。)は、「Billboard」の文字を横書きし、昭和55年9月29日に登録出願、第26類「雑誌、新聞」を指定商品として、同59年3月22日に設定登録されたものである。

同じく、登録第891410号商標(以下、「引用2商標」という。)は、「ビルボード」の文字を横書きし、昭和44年3月5日に登録出願、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの付属品」を指定商品として、同46年3月2日に設定登録されたものである。そして、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至甲第25号証(枝番号含む)を提出した。

1.本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものである。

2.引用商標の著名性について

「Billboard/ビルボード」は、1805年に発行されてから100周年を超える歴史を持つ世界的に最も著名な権威のある音楽及びエンターテイメントの専門雑誌の名称である。

Billboard誌は、日本にも古くから輸入され、音楽愛好家の間で親しまれていたが、昭和45年に請求人及び株式会社電波新聞との合弁によって、株式会社ミュージックラボ(東京都品川区東五反田1一11−5 電波ビル)が設立されて以降は、同社が直接の年間購読者及びレコード店及び書店にて継続して販売を行っている。

Billboard誌は、毎週発行され、分野ごとのその前週における人気を読者のアンケート等によって集計し、「ポピュラーソングのシングル盤売上ランキング」や「ポピュラーソングのアルバム盤売上ランキング」、「カントリーミュージックのシングル盤・トラック盤売上ランキング」等のチャートにして発表している。これらチャートは時の流行を知り、人気の傾向を知り、将来を予測する世界で最も権威のある指標として受けとられており、また、これがためにBillboardの名を著名ならしめている(甲第4号証乃至同第8号証)。

株式会社ミュージックラボでは、雑誌Billboardと全面的に提携して音楽とその関連業界のビジネス情報を取扱った週間雑誌、Music Laboを発行しているが、雑誌の表紙には「Billboard」のロゴを表示すると共に随所にBillboardの記事をその旨表示し、和訳して転載している(甲第9号証乃至同第11号証)。

Billboard誌のヒットチャートは、他の音楽雑誌「ミュージック・ライフ」「FM Fan」「電波新聞」等にも本件商標出願の日よりもはるか以前からライセンスによってその旨を表示して転載されている(甲第12号証乃至同第14号証)。

また、テレビ神奈川は、昭和58年の10月、請求人からライセンスを受け、Billboard誌のヒットチャートに基づくテレビ番組を制作し、放映している。また、この番組は同社のネットワークを通じて、同年以降近畿放送、福岡放送、北日本放送、日本海テレビ、三重放送によっても放映されている(甲第15号証)。

Billboard/ビルボードの名称は、1989年音楽自体には無縁の株式会社日本石油のサマーキャンペーンにも利用されたことがある。このこと自体、Billboardの著名性を物語るものである(甲第16号証乃び甲第17号証)。

請求人は、Billboard誌のヒットチャート上位にノミネートされているヒット曲を収録したカセットテープ及びCD(コンパクト・ディスク)を、毎年Billboard Hitsとして販売しているが、これらカセットは日本にも輸入され、レコード店で販売されている(甲第18号証)。

請求人は、1955年以降アルバム盤上位40を収録した書籍「THE BILLBOARD BOOK TOP 40 ALBUMS」を1991年に発行し(甲第19号証)、また、「THE BILLBOARD BOOK OF NUMBER ONE HITS」と題し、1955年以降各年のシングル盤チャート100にランキングされた曲を解説した書籍を1988年に発行したが、この書籍は日本語に翻訳されて、音楽の友社から「ビルボード・ナンバー1・ヒット」の題名で1988年発行され、それ以降、版を重ねている(甲第20号証)。

日本において、Billboard/ビルボードの著名性及びヒット・チャートの評判を不正に利用しようとする者に対し、警告を与えてその行為を中止させている。警告してもなおその不正行為を継続する者に対しては、民事裁判による法的手段を用いて完全に中止させる処置を講じてきた(甲第21号証乃至同第22号証)。

以上のとおり、Billboard/ビルボードの名称は、本件商標の出願の日前において、既に日本国内は言うに及ばず、米国その他の国においても音楽及びエンターテイメントに関する専門雑誌・書籍の名称として周知されるに至っていた。

3.本件商標は引用1及び2商標に類似する。

本件商標は英語で「BILLBOARDPLACE」と横書きした商標であって、引用1商標をそのまま構成要素とし、これに「PLACE」の語を単に結合した商標である(「PLACE」の語は指定商品との関係において、何ら意味を持つものではない)。

著名な商標に他の文字を結合させた商標は、その著名な商標に類似すると考えるべきことは、多くの審査、審判例により樹立されており、また、審査基準にも示されている(甲第23号証)。

したがって、請求人の著名な商標をその構成要素の一つとし、これに単に「PLACE」の語を結合させたにすぎない本件商標は、引用1及び2商標に類似する。

本件商標の指定商品中「印刷物(雑誌を除く。)」は引用1商標の指定商品「雑誌,新聞」と同一又は類似であり、引用2商標の指定商品「印刷物」とも同一又は類似であり、本件商標の指定商品中「写真,写真立て,書画」は引用2商標の指定商品「書画,写真」と同一又は類似である。

よって、本件商標は、引用1及び2商標に類似し、同一又は類似する商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4.本件商標は、請求人の引用1商標「Billboard」をそのままの文字構成で、その構成要素としている商標である。しかもその構成部分「Billboard」は本件商標中3分の2を占める割合となっていて、しかも語頭に位置しているから、本件商標の看者に訴求する直感的な印象は「Billboard」の部分に集中され印象づけられる。

著名な商標は、近時、その著名性を利用して顧客を吸引すべく、他の商品にライセンスして使用されることが行われている。例えば、「SNOOPY」は文房具,家屋用品,娯楽用品,事務用品など広くライセンスによって使用されている。

請求人の著名な商標Billboardをその構成要素として、しかも看者の注意を引きつける部分に配してある本件商標が、その指定商品に使用されるときは、それら商品があたかも請求人の許諾を得て製造、販売されているものであるかの如き、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

5.引用1及び2商標は、請求人の商品を示す商標として需要者間に周知されており、著名な商標である。この著名な商標をその構成要素とする本件商標が使用されると、引用1及び2商標の著名性が稀釈化される結果を招来する。引用1及び2商標の著名性が損なわれることは請求人の換価し難い無形財産を侵食することになり許さるべきことではない。また、本件商標は、その構成中需要者の注意を引きつける語頭部分に、引用1商標を配することにより、引用1及び2商標の著名性を自己の有利に利用しようとするもので、不正の目的を以て出願したものということができる。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙第7号証(枝番号含む。)を提出した。

1.商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標と引用1及び引用2商標とは、外観及び観念について非類似である点は明らかであり、以下に問題となる称呼について考察する。

本件商標「BILLBOARDPLACE」は「BILLBOARD」と「PLACE」とが同書同大で外観上まとまり良く一体的に表現されている結合商標であり、構成要素「BILLBOARD」の部分が独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出すことはできない。上述の構成から、「BILLBOARD」の部分が特に印象付けられることはなく、本件商標が「BILLBOARD」と省略されて称呼される可能性は皆無と言えるから、本件商標の称呼は、「ビルボードプレイス」であり、「ビルボード」の称呼は生じない。

したがって、本件商標と引用1及び2商標とは称呼においても非類似といえる。

(2)また、本件商標の構成要素「PLACE」は乙第1号証の1乃至同号証の6に示す登録例よりして、同構成要素「BILLBOARD」と同様に自他商品識別力を有する言葉である。

したがって、本件商標は、識別力ある「BILLBOARD」と識別力ある「PLACE」との結合商標であり、両者の結合は強固といえ、このことからも、本件商標が引用1及び2商標と非類似である点は明らかといえる。

(3)被請求人は、乙第2号証の1乃至同11に示すとおりの「BILLBOARDPLACE」の登録を保有しており、これらは先行登録商標「ビルボード」及び「BILLBOARD」と区別されて登録されたものである。これらの登録例に徴しても本件商標と引用1及び2商標とは非類似といえる。

以上から、本件商標に商標法第4条第1頃第11号違反の無効理由は存しない。

2.商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)日本において、音楽業界誌「BILLBOARD」を知っている者は音楽関係の人達や米国の音楽に関心がある一部の人達だけであり、一般需要者が音楽業界誌「BILLBOARD」を知っていることはないものと思料する。

百歩譲って、音楽業界誌「BILLBOARD」が多くの一般需要者が知っている雑誌であったとしても(各甲号証には翻訳のないものもあり、提出された各甲号証のみで「BILLBOAED」が雑誌において著名であるとは到底いえるものとは思わないが)、本件商標「BILLBOARDPLACE」は音楽業界誌「BILLBOARD」と出所の混同を生じるようなことはない。

けだし、本件商標は「BILLBOARD」と「PLACE」とが一体不可分に結合した商標であり、「BILLBOARD」と「PLACE」とを分断する必然性はなく、「BILLBOARD」を含んでいる商標とは評価できないからである。すなわち、本件商標は「BILLBOARD」の文字をその構成中に有するに過ぎず、このような態様の本件商標が音楽業界誌「BILLBOARD」と出所の混同を生じることはあり得ない。

音楽雑誌において、かつ日本国外において「BILLBOARD」の知名度があったとしても、なぜ、雑誌が除かれており、「BILLBOARD」そのものではない本件商標と出所の混同が生じるのであろうか、理解に苦しむところである。

この点は前述の審査例のとおり「BILLBOARDPLACE」は各分類で登録されており(乙第2号証参照)、また、過去の審査例においても、「BILLBOARD」,「ビルボード」が乙第3号証の1〜8に示すように各分類において登録されている事実に鑑みれば、被請求人の主張は裏付けられるものと考える。

(2)また、特許庁がインターネットで提供している特許電子図書館中の「日本国周知・著名商標検索」で著名商標の検索が可能であるが、引用1及び2商標が掲載されていない。

(3)更に、引用1商標の「BILLBOARD」は辞典(乙第4号証)に「掲示板,広告板」と掲載されているように創造語ではなく、周知性を獲得しにくい既成語である。

(4)以上の事実に鑑みると、たとえ引用1及び2商標が周知著名商標であったとしても、指定商品から「雑誌」が除かれている本件商標と引用1及び2商標が出所の混同を生じるおそれがあるとは到底考えられない。

この点は、本件商標の審査において、商標法第4条第1項第15号の拒絶理由(乙第5号証)の後、「雑誌」を除けばこの商標法第4条第1項第15号の拒絶理由は解除するとの拒絶査定(乙第6号証)からも明らかといえる。

(5)確かに「周知・著名商標の審査基準」の改正により、「指定商品について著名な商標と他の文字とを結合した商標は、原則として、その著名な商標と類似する」となった。これはあくまで原則であり、本件のような「BILLBOARD」と「PLACE」とが完全に一体化したケースにまでこの改正審査基準は適用されるべきではない。本件のようなケースにまで適用することになれば、上述の登録例(乙第2号証,乙第3号証)をすべて覆滅させることを意味し、既得権の保護という観点から不合理といえる。

3.商標法第4条第1項第19号該当性について

本件商標は「BILLBOARDPLACE」であって「BILLBOARD」とは非類似であり、かつ、出所の混同は生じない。

よって、「不正の目的」があるとは到底言えず、商標法第4条第1項第19号違反の無効理由は存しない。

第5 当審の判断

1.商標法第4条第1項第11号該当について

本件商標は、「BILLBOARDPLACE」の欧文字を横書きした構成よりなるところ、構成各文字は同じ書体・同じ大きさで外観上まとまりよく表されており、特に軽重の差を見出すことができないばかりでなく、これより生ずると認められる「ビルボードプレイス」の称呼も格別冗長とはいえないものであり、淀みなく一連に称呼し得るものである。

また、構成中の「BILLBOARD」の文字は「掲示板、広告板」、「PLACE」の文字は「場所、位置」を、それぞれ意味する比較的親しまれた英語であるから、「BILLBOARDPLACE」の文字の全体からは、「掲示板・広告板のある箇所(場所)」の如き一連の意味合いを看取するものとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標からは「ビルボードプレイス」の一連の称呼のみが生ずるものと認められる。

他方、引用1商標は、「Billboard」の文字を横書きしてなるものであり、また、引用2商標は「ビルボード」の片仮名文字よりなるものである。そして、その構成文字である「Billboard」は「掲示板、広告板」を意味する英語として比較的親しまれた語である。しかして、これらよりは、その構成に相応して「ビルボード」の称呼が生じ、「掲示板、広告板」の意味合いを看取させるものである。

そこで、本件商標から生ずる「ビルボードプレイス」の称呼と、引用1及び2商標から生ずること明らかな「ビルボード」の称呼とを比較すると、両者は後半部における「プレイス」の音の有無に顕著な差異を有するものであり、両者は称呼上紛れるおそれはないものである。

さらに、本件商標よりは「掲示板、広告板のある箇所(場所)」の如き一連の意味合いを看取するのに対して、引用1及び2商標よりは「掲示板、広告板」の意味合いを看取するものであるから、両者は観念上区別し得るものであり、かつ、それぞれの構成よりみて外観上区別し得るものである。

してみれば、本件商標と引用1及び2商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれよりみても、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断されるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとは認められない。

2.商標法第4条第1項第15号該当について

本件審判の請求理由及び甲第9号証乃至同第15号証を総合すれば、以下の事実が認められる。

(1)「Billboard/ビルボード」は、米国で創刊され100年以上の歴史を持つ世界的にも権威のある音楽業界誌の名称である。

我が国においては、昭和45年に請求人及び株式会社電波新聞との合弁によって、株式会社ミュージックラボが設立され、それ以降は、同社が直接の年間購読者への販売又はレコード店及び書店にての販売を継続して行っている。

株式会社ミュージックラボでは、「Billboard誌」と提携して音楽とその関連業界のビジネス情報を取扱った週間雑誌「MusicLabo」を発行しているが、雑誌の表紙には「Billboard」のロゴを表示し、「Billboard誌」の記事を転載している。

「Billboard誌」のヒットチャートは、他の音楽雑誌「ミュージック・ライフ」「FM Fan」「電波新聞」等にも転載されている。

また、テレビ神奈川は、請求人からライセンスを受け、「Billboard誌」のヒットチャートに基づくテレビ番組を制作し、放映している。また、この番組は同社のネットワークを通じて、同年以降近畿放送、福岡放送、北日本放送、日本海テレビ、三重放送によっても放映されている。

(2)以上によると、「Billboard」商標を使用した音楽雑誌は、本件商標の登録時はもとより、本件商標の出願の日前に、音楽業界誌の分野においては、周知・著名なものとなっていたと認め得るものである。

(3)しかして、本件商標は、前示のとおり「BILLBOARDPLACE」の文字からなるものであるところ、その商標の語頭部分に、大文字と小文字の差違はあるが、前記の音楽業界誌として周知・著名な「Billboard誌」と同一の欧文字の綴りよりなる「BILLBOARD」の文字を有するものである。

そして、本件商標の指定商品中には商品「新聞」が包含されているものであるところ、商品「新聞」と商品「雑誌」は、商品の編集・発行部門、流通経路、販売部門、需要者の範囲等を同じくすることの多い商品であり、現に、「雑誌」を発行する新聞社及び「新聞」を発行する出版社はかなりの数にのぼることなど、関連性が極めて高いものである。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品中の「新聞」について使用するときは、本件商標にあって看者の注意を惹き易い語頭部分に表された「BILLBOARD」に着目した結果、取引者・需要者をして前記周知・著名な商標を想起・連想させ、請求人若しくは同人と関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるといわざるを得ないものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「新聞」については、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(4)しかしながら、本件商標をその指定商品中の「新聞」以外の商品について使用した場合は、音楽業界誌という需要範囲の限られた「Billboard誌」の特殊性よりみて、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。

3.商標法第4条第1項第19号該当について

本件商標と引用1及び2商標が類似せず別異の商標であることは、上記「第5の1.」に示したとおりである。

そして、引用1及び2商標を構成する「Billboard」及び「ビルボード」の文字は、「掲示板・広告板」を意味する英語及びその字音表示であって、請求人の創造に係る標章とみることはできないものである。

さらに、本件商標権者が本件商標を採択し出願した行為に不正の意図があったものと認めるに足りる証拠はない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しないものと判断される。

4.したがって、本件商標は、その指定商品中の「新聞」については、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものであり、その余の指定商品については、同法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第46条第1項の規定によってその登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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