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Trademark Appeal Case

商標使用の立証要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30622(T2000−30622/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2424687号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第2424687号商標(以下、「本件商標」という。)は、「Sister」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成2年2月26日に登録出願、同4年6月30日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について本件商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により登録を取り消すべきである。

(2)答弁に対する弁駁

(イ)第一に、被請求人は、本件商標の前権利者による使用について、その使用を立証していないから、被請求人は、本商標権の譲渡による移転登録日(平成12年5月15日)から本件審判請求の予告登録日(平成12年7月12日)までのほぼ2ヶ月間における本件商標の使用を立証しなくてはならない。

乙第1号証に添付の写真には、撮影日を示す「4 9’00」の数字があることからすると、当該写真は、平成12年4月9日もしくは同年9月4日に撮影されたものと推測することができる。そうとすると、これらのいずれの日も上記2ヶ月間以外の日であるといわざるを得ず、上記写真は、商品「ティーシャツ」が、上記2ヶ月間に現実に存在していた事実を証明するものではない。

また、乙第1号証は、写真以外に、通常使用権者が、被請求人宛に作成した証明書及び「アニマル社」の平成12年5月31日付納品書の写しからなるが、これらの書類に記載されている商品が、上記写真に示す商品と同一のものであることを示す証左はない。

(ロ)第二に、被請求人は、「アニマル社」が、被請求人の了解の下に本件商標を使用したから、「アニマル社」は本件商標の通常使用権者である、と主張している。

しかしながら、乙第1号証には、被請求人が、「アニマル社」に本件商標の使用を許諾したことを示す記述は一切存在せず、それを推測させる記載もない。乙第1号証からは、「アニマル社」が被請求人に何らかの商品を納品したことのみが推測できるだけであり、両者の関係は単なる商品の製造の発注者と製造業者である可能性が高い。そうであれば、「アニマル社」は、被請求人から注文を受けた商品を製造し、被請求人に納品したに過ぎないから、自ら本件商標を商品の流通過程において使用したことにはならない。

仮に、「アニマル社」が、本件商標の通常使用権者であるというのであれば、本件商標を使用した商品を、「アニマル社」が自ら製造し、不特定多数の一般消費者あるいは問屋や小売店等に販売していることを立証する必要がある。

また、被請求人が、「アニマル社」に対し、本件商標の使用を許諾している事実、あるいは、通常使用権の存在を推測させ得る資料は提出されていないので、「アニマル社」が、本件商標の通常使用権者であるとする被請求人の主張には妥当性がない。

(ハ)第三に、商標が使用されたというためには、本件商標が使用されている商品が、取引の対象物たる商品として流通過程におかれていなければならない。

しかるに、乙第1号証は、添付写真に示す「ティーシャツ」が、「アニマル社」から被請求人に納品されたことを示しているだけであり、「ティ−シャツ」が、一般当業者あるいは消費者に現実に販売されたこと、あるいは、販売のために展示されたことを示すものではない。

したがって、当該商品は、商品としての流通過程におかれたものといえないから、それに使用されている商標は、現実に使用されたことにならない。(ニ)第四に、本件商標は、英文字「Sister」からなるところ、乙第1号証に添付の写真に示す商品に使用されている商標は、英文字「Sister」と「animal of air」の二段書きであり、両者の構成上の差異は明白である。

したがって、仮に、乙第1号証に添付の写真に示す商品に使用されている商標の使用が、十分立証されたとしても、使用商標と本件商標との間に同一性が認められないので、使用商標の使用をもって本件商標の使用とすることはできない。

3.被請求人の主張

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担

とする。」との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。

(1)本件商標は、その指定商品中、「ティーシャツ」について、通常使用

権者によって、審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において使用されている。この事実を立証するために、被請求人は、商品の写真及び納品書が添付された「アニマル社」による証明書(乙第1号証)を証拠として提出する。

本件商標は、平成12年4月20日に前権利者「水川英男」から被請求人に譲渡され、同年5月15日に移転登録がなされているものである。

(2)本件商標は、欧文字「Sister」を横書きした商標であるところ、使用に係る商標は、これと同一である。また、使用に係る商品「ティーシャツ」は、本件商標の指定商品に含まれるものである。

(3)本件商標は、被請求人の了解の下に、東京都渋谷区に所在する「アニマル社」が使用したから、「アニマル社」は、通常使用権者に他ならない。

(4)乙第1号証に添付された証明書、商品の写真及び納品書により明らかなとおり、「アニマル社」は、商品「ティーシャツ」に本件商標「Sister」を、襟ネームに付して使用し、これを本件審判の予告登録日(平成12年7月12日)前である同年5月31日に被請求人に納品した。

したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者が、本件商標の指定商品について使用しているものである。

4.当審の判断

請求人の提出した、甲第1号証によれば、本件商標権は、前権利者「水川英男」から被請求人(現在の商標権者)に平成12年5月15日(受付日、同年4月24日)に移転登録されていることが認められる。

次に、被請求人の提出した、使用の事実を示す写真(乙第1号証)をみるに、商品「ティーシャツ」の襟ネーム部分に、「Sister」の文字を使用していること及び該写真の撮影日を示す「4 9’00」の表示からすると、該写真は平成12年4月9日に撮影されたものと認め得るとしても、その撮影日は前記した移転登録日の僅か1ヶ月前にすぎないこと、撮影者、撮影場所等が明らかでないことから、本件審判請求の予告登録前3年以内の使用であると断定する証左には不十分である。

また、被請求人が、「アニマル社」に本件商標の使用を許諾したことを示す証左はない。仮に、「アニマル社」が、本件商標の通常使用権者であつたとしても、納品に係る証明願・証明書(乙第1号証)は、「アニマル社」が、被請求人(商標権者)に対して、前記した写真の商品「ティーシャツ」を納品したとの文言に双方が単に捺印しただけのものであり、これのみをもって、商品「ティーシャツ」を不特定多数の者に取引・販売した事実を客観的に立証する証左としては、信憑性に欠けるものである。

さらに、納品書(乙第1号証)は、前記した写真の商品「ティ一シャツ」の納品であると認め得る記載もなく、「シスターブランドネーム」という記載も、前記した写真の商品「ティ一シャツ」の納品と断定することはできない。

そして、被請求人は、請求人の弁駁に対し、何ら答弁していない。

してみれば、「アニマル社」は、仮に、本件商標の通常使用権者であったとしても、通常使用権者が本件商標を審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、その指定商品について使用していたものと認めることができない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録

を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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