Trademark Appeal Case
識別力と称呼類似による混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90265(T2001−90265/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4444811号商標(以下「本件商標」という。)は、「モリンダ」の片仮名文字(標準文字)よりなり、平成11年1月28日登録出願、第5類、第29類、第32類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品又は役務を指定商品及び指定役務として、平成13年1月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、その指定商品中第5類、第29類、第32類に属する商品については以下の理由によりその登録は取り消されるべきである。
(1)本件商標は、東南アジアで、花房、果実、若葉を薬味として食用とし、或いは民間薬として利用されるハナガサノキの学名「Morinda」の片仮名表記よりなり、本件商標の指定商品中「モリンダ」を原材料とする商品については自他商品の識別力がなく、それ以外の指定商品については商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る下記の登録商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。なお、登録第514827号商標は商標権存続期間満了により消滅した。)と称呼において類似し、その商品も類似する。よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
記
A 登録第 585992号商標
商標の構成 別掲1に示すとおり
指定商品 第40類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和35年 3月31日
設定登録日 昭和37年 5月 7日
更新登録日 昭和57年 6月25日
平成 4年 6月29日
B 登録第1236110号商標
商標の構成 MIRINDA
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和48年 3月12日
設定登録日 昭和51年11月22日
更新登録日 昭和62年 2月24日
平成 8年10月30日
C 登録第1631157号商標
商標の構成 MIRINDA ADE
ミリンダ エード
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和55年 7月21日
設定登録日 昭和58年11月25日
更新登録日 平成 6年 4月27日
D 登録第1631158号商標
商標の構成 ミリンダ
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和55年12月 3日
設定登録日 昭和58年11月25日
更新登録日 平成 6年 4月27日
E 登録第1761875号商標
商標の構成 別掲2に示すとおり
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和57年 5月11日
設定登録日 昭和60年 4月23日
更新登録日 平成 7年 9月28日
F 登録第1761876号商標
商標の構成 別掲3に示すとおり
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和57年 5月11日
設定登録日 昭和60年 4月23日
更新登録日 平成 7年 9月28日
G 登録第1761877号商標
商標の構成 別掲4に示すとおり
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和57年 5月11日
設定登録日 昭和60年 4月23日
更新登録日 平成 7年 9月28日
H 登録第1761878号商標
商標の構成 別掲5に示すとおり
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和57年 5月11日
設定登録日 昭和60年 4月23日
更新登録日 平成 7年 9月28日
I 登録第2664846号商標
商標の構成 別掲6に示すとおり
指定商品 第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成 3年 5月23日
設定登録日 平成 6年 5月31日
J 登録第4298918号商標
商標の構成 別掲7に示すとおり
指定商品 第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成10年 6月11日
設定登録日 平成11年 7月30日
(3)本件商標は、「清涼飲料」について世界的に著名な申立人の商標「ミリンダ」「MIRINDA」と称呼において相紛らわしく、その指定商品も「清涼飲料」と同じ食品の分野に属するものであるから、これを上記商品区分に属する指定商品に使用した場合、「ミリンダ」「MIRINDA」との間で出所の混同を生じる。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「モリンダ」の文字よりなるところ、申立人の提出に係る証拠、世界大百科事典(甲第2号証)によれば、「ハナガサノキ(Morinda umbellata)」は、東南アジアでは花序、果実、若葉を薬味として食用とし、また民間薬としても利用されるアカネ科の常緑性低木であることが認められる。しかしながら、「日本の野生植物」(甲第3号証)には「ハナガサノキ(Morinda umbellata)」について詳述されているものの、これを食用或いは薬用とするなどその用途について記載されておらず、他に「モリンダ」が食用として或いは薬として利用される植物であることを認め得る証拠はない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、「モリンダ」の文字が申立てに係る指定商品について、その原材料を表示するものとして普通に使用されている事実を示す証左として充分なものということはできないから、本件商標は、商品の原材料を表示するものではなく、かつ、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(2)本件商標及び引用商標は、前記又は別掲に示した構成よりなるものであり、それぞれの構成に相応して本件商標は「モリンダ」、引用商標は「ミリンダ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「モリンダ」の称呼と引用商標より生ずる「ミリンダ」の称呼とを比較すると、両称呼は第2音以降の音を同じくし、第1音において「モ」と「ミ」の音の差異を有するものである。
そして、相違する「モ」と「ミ」の音は、子音が同じであるものの母音を大きく異にするものであって、称呼識別上重要な地位を占める語頭における差異でもあるから、この音の差異が両称呼全体の音調、音感に与える影響は大きいものといわざるを得ず、それぞれを一連に称呼するもなお十分聴別し得るものと判断するのが相当である。
その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない
(3)申立人は、商標「ミリンダ」「MIRINDA」は清涼飲料について世界的に著名な商標であると述べるが、申立人の提出に係る証拠によっては、必ずしも「ミリンダ」「MIRINDA」商標が清涼飲料について需要者の間に広く認識され著名であるものとは判断し難く、また、本件商標は、「ミリンダ」「MIRINDA」商標とは前記のとおり類似しない商標であり、他に両商標間に誤認混同を生ずる事由の見出し得ない別異の商標といわざるを得ないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これから直ちに引用商標を連想、想起するものとは判断することができない。
してみれば、本件商標は、申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとは認められない。
(4)以上のとおりであって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号の規定に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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