sokuhyo

Trademark Appeal Case

不使用取消審判の正当理由

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30897(T2000−30897/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1990641号商標(以下「本件商標」という。)は、「ノックペイン」の文字を書してなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和60年3月7日に登録出願、同62年10月27日に設定登録、その後、平成9年8月26日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録は、その指定商品中『薬剤』についてこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。

(1)請求人の調査によれば、本件商標が被請求人、専用使用権者または通常使用権者のいずれかにより、過去3年間にその指定商品中「薬剤」について使用された事実を発見することができなかったから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「薬剤」について取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

(イ)被請求人は、平成12年10月16日付で答弁書を提出し、本件商標は本件審判請求の登録日である平成12年8月30日前3年以内にその指定商品中「薬剤」について使用されてはいないが、その不使用については商標法第50条第2項但書に規定されている「正当な理由」があるとして、乙第2号証〜同第5号証を提出した。

(ロ)乙第2号証は、平成12年6月28日付の奈良県薬務課の受付印を付した厚生大臣宛医薬品製造承認申請書であり、またその他の甲号証より解熱鎮痛薬についての製造承認申請であることはこれを認めうるものである。

(ハ)しかし、これをもって直ちに商標不使用の「正当な理由」にあたるかについては疑義があるといわざるを得ない。そもそも商標の登録は商標が商品又は役務に使用され、これによって商品又は役務の出所を需要者は知ることができ、初めて商標登録制度の本来の目的を達し得るものであり、そのため商標権という強力な権利が与えられるにふさわしい事情が存することは、商標登録制度の目的から明らかなところである。

(ニ)本件商標は、昭和62年10月27日に商標登録を受け平成9年に存続期間の更新登録を受け、その上で平成12年6月に至って初めて医薬品製造承認を厚生省に申請しているのであり、当初の商標登録後実に13年を経て後に申請したことになる。この間、商標権者は他人の商標採択を阻止しつづけ、徒らに空権を保持し続けたものであって、このような行為は商標法本来の目的から著しく外れ、制度の趣旨からいって保護に値しないものといわざるを得ないものである。従って、このような場合にまで商標法50条2項但書にいう「正当な理由」に該当するというべきではない。

(ホ)してみれば、乙第2号証乃至乙第5号証の提出にも拘らず、本件商標は本件審判請求の登録前3年以内にその使用がなかった以上、この登録は取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次ぎのように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第7号証を提出した。

(1)確かに、本件商標は、商標権者、専用使用権者、又は通常使用権者のいずれによっても、本件審判請求の登録日(平成12年8月30日)前3年以内にその指定商品中「薬剤」について使用されてはいない。

(2)しかしながら、本件商標の指定商品「薬剤」についての不使用には、以下に述べるように、商標法第50条第2項但書に規定されている「正当な理由」があるものであり、よって同条同項但書の規定に基づき、本件商標は指定商品「薬剤」についてその登録の取消を免れるものである。

(3)医薬品を製造及び販売するに際しては、薬事法により国及び都道府県知事の許認可を受けることが義務付けられているが、被請求人は、本件審判請求の登録日(平成12年8月30日)前である、平成12年6月28日付けで厚生省に対し、解熱鎮痛薬である「ノックペイン」(販売名)の医薬品製造承認申請書を提出しており、現在その承認待ちである(乙第2号証)。

(4)また、被請求人は、上記「ノックペイン」に関する「医薬品製造承認申請書」の進達文の開示を求める「公文書開示請求書」を平成12年9月26日付けで奈良県知事宛てに提出しており(乙第3号証)、同請求に対し平成12年9月28日付けで「公文書開示決定通知書」が奈良県知事から被請求人宛てに送られてきている(乙第4号証)。被請求人は、平成12年6月30日付けの上記進達文の写しを乙第5号証として提出する。

(5)不使用取消審判に係る指定商品が「薬剤」の場合、審判請求の登録日前に「薬剤」に属すると認められる商品に関して医薬品製造承認申請が行われ、その承認待ちであれば、商標法第50条第2項但書に規定する「正当な理由」に該当することは、審判の審決において認められているところである。

(6)被請求人は、医薬品製造承認申請中である旨の平成12年10月27日付の厚生省の証明書を提出する(乙第7号証)。

5、当審の判断

そこで判断するに、被請求人の提出した乙第2号証ないし同第5号証及び乙第7号証によれば、被請求人は、販売名「ノックペイン」という、医薬品(解熱鎮痛薬)の製造の承認を平成12年6月28日付けで厚生省に申請していることが認められる。

ところで、医薬品の製造及び販売するに際しては、薬事法により国及び都道府県知事の許認可を受けることが義務付けられている。

そして、被請求人は、上記のとおり本件審判請求の登録(平成12年8月30日)前である平成12年6月28日に厚生省に医薬品の製造許可申請を行い、現在その許可待ちであることが認められる。

してみれば、被請求人が本件商標をその指定商品中の「薬剤」について使用していない理由は、法令による許可待ちであり、被請求人は本件商標を使用しないことについて正当な理由があるものと認められるから、本件商標は商標法第50条第2項ただし書きによって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。