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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35766号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3332872号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成4年9月28日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第41類「ゴルフ場の提供,ゴルフ練習場の提供,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,ゴルフの教授,テニス場の提供,体育館の提供」を指定役務として、同9年7月18日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標

請求人は、本件商標の登録無効の理由に、下記の3件の登録商標を引用している。

(1)商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年9月30日に登録出願され、「Four」の文字と「Seasons」の文字とを二段に横書きしてなり、第41類「プールの提供」を指定役務として、同7年9月29日に設定登録された登録第3076950号商標(以下、「引用商標A」という。)。

(2)平成4年9月30日に登録出願され、「Four Seasons Hotel」の文字を横書きしてなり、第41類「運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,技芸・スポ―ツ又は知識の教授,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,音響用又は映像用のスタジオの提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,映画の上映・制作又は配給に関する情報の提供,演芸の上演に関する情報の提供,演劇の演出又は上演に関する情報の提供,音楽の演奏に関する情報の提供」を指定役務として、同8年4月30日に設定登録された登録第3139082号商標(以下、「引用商標B」という。)。

(3)商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年9月30日に登録出願され、「Four」の文字と「Seasons」の文字とを二段に横書きしてなり、第42類「宿泊施設の提供,日本料理を主とする飲食物の提供,イタリア料理の提供,中華料理の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,入浴施設の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,宴会のための施設の提供」を指定役務として、同9年1月31日に設定登録された登録第3246765号商標(以下、「引用商標C」という。)。

3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録は、無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第27号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第8条第2項について

本件商標は、盾図形中、上部に英文字「Four Seasons」を書した両端の丸められた短冊と、下部に「Country Club」を書した短冊を配してなるものであるところ。原審における異議決定(甲第4号証)においては、「Four Seasons」と「Country Club」の語とを一連のものと判断している。

しかしながら、「OOカントリークラブ」、「OOゴルフ倶楽部」等の名称が一連のものとして認識されているのは、その前半部分が地名で構成されているものであり、名称中に地名を入れて表示するのが一般的な場合に、他の構成要素である「カントリークラブ」「ゴルフ倶楽部」といった、それ自体では極めて識別力に乏しい表示が、例外的に、役務の提供者を判別するかのように機能する場合があるにすぎない。

これに対して、本件商標の上部英文字部分は、指定役務との関連で説明的な要素は全くなく、十全の出所表示機能を有するものであるから、「Country Club」に識別機能を期待しなければならない事情は全く存しない。

したがって、本件商標は、その構成上からも、両短冊は盾図形内の小盾図形を挟んで上部と下部とに離れて置かれており、意味的にも両文字部分を常に一体に認識すべき理由はなく、「Four Seasons」の英文字部分は要部となるものであるから、これより単独で「フォーシーズンズ」の称呼を生じるものである。

一方、引用商標Aは、その構成文字に相応して「フォーシーズンズ」の称呼を生ずるものであり、又、引用商標Bは、「フォーシーズンズホテル」の称呼が生じるが、後半の「Hotel」の部分は、請求人の主要な役務を表す言葉であり、識別力は弱いこと、更には全体が10音と冗長に亘ることから、前半の「Four Seasons」のみから「フォーシーズンズ」の称呼をも生じ得るものである。

したがって、本件商標と引用商標A及びBとは、「フォーシーズンズ」の称呼、「四季」の観念を共通にする類似の商標であり、両商標の指定役務も類似するものである。

しかして、本件商標及び引用商標A及びBは、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第4条により先願の特例規定が適用となる期間内に出願されたものである。そして、引用商標Aは、使用に基づく出願であり、又、引用商標A及びBは、ホテルビジネス及びこれに関連する総合レジャービジネスに関して世界的に著名な商標である。

してみれば、著名性を獲得している商標、使用を基礎とする出願が優先して登録されるものであるから(附則第5条第2項、第3項)、本件商標の登録は、商標法第8条2項の規定に違反するものである。

(2)商標法第4条第1項第8号について

請求人は、カナダのトロントに本社を持つ高級ホテルチェーン「フォーシーズンズ ホテルズ アンド リゾーツ(Four Seasons Hotels&Resorts 以下、「フォーシーズンズ グループ」という。)の子会社である。

フォーシーズンズ グループは、1961年にトロントで「FOUR SEASONS MOTOR INN」を開業したのに始まり、カナダ国内ではトロント、バンクーバー、アメリカでは12都市に13のホテル、ハワイ等で4つのリゾート、ヨーロッパでは、ロンドン、ミラノ等、30近いホテルチェーンをその傘下に持っている。

そして、世界規模での企業のランク付けで知られるインスティテューショナル インベスター誌(lnstitutionai lnvestor)、アメリカの旅行雑誌コンデ ナスト トラベラー(Conde Nast Traveler)、各種旅行業界紙記事、日経ビジネス等(甲第8号証ないし同第15号証)のいずれにおいても、「FOUR SEASONS HOTEL」あるいは「フォー シーズンズ グループ」を示すのに、「FOUR SEASONS」、「フォー シーズンズ」と略称されている。

したがって、本件商標は、世界的高級ホテルチェーン「フォー シーズンズ グループ」の著名な略称を含む商標であるから、商標法第4条第1項第8号に該当するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用商標Cは、引用商標Aと同一の構成からなる商標であり、請求人の中心的業務である第42類「宿泊施設の提供」について、使用による特例を主張して出願し、登録されているものである。

フォー シーズンズ グループは、「The New Yorker」、「The Economist」等の著名誌への広告も数多く行っており(甲第17号証)、また、我が国では、1992年1月に、フォー シーズンズ グループと藤田観光の合弁により開業された「フォー シーズンズ ホテル椿山荘」が開業以来、その売上げを着実に延ばしており、客室稼働率も71パーセントを維持している(甲第18号証)。そして、テレビ取材は月に4件程度、雑誌の取材は十数件行われており、このことは、「フォー シーズンズ ホテル椿山荘」が一般の関心を広く集めていることを示している(甲第19号証)。

以上の通り、引用商標Cは、世界的にホテル業務に使用され、請求人の名称の略称とも共通し、世界的に著名な商標であり、我が国においても本件商標の出願日以前に全国的に著名な商標となっていることは明らかである。

そして、請求人のホテルグループは、日本では、「ヘルスクラブ」や「プール」を提供しているが、国によっては「テニスコート」「スカッシュコート」更には「ゴルフコース」等広範な役務を実際に提供している(甲第21号証及び甲第22号証)。

したがって、本件商標の指定役務に、本件商標が使用されれば、請求人の役務と出所の混同を生じるおそれのあること明らかである。

(4)商標法第4条第1項第7号について

「Four Seasons」の文字は、請求人の著名な略称であるとともに、請求人が宿泊施設の提供を中心とする役務に使用している著名な商標である。

そして、この著名性は、本件商標の出願時に既に確立されていたものであり、スポーツ施設の提供を業とする被請求人は、十分認識していたものと推認される。

したがって、請求人の著名商標の存在を認識しつつなされた「Four Seasons」の文字を含む商標登録出願は、国際信義に反し、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(5)答弁に対する弁駁

全国コースガイドの「ゴルフ場付近図」(乙第3号証)によれば、被請求人のゴルフ場は「フォーシーズン」とのみ表示されている。このことは、「フォーシーズンカントリークラブ」のうち、識別の役割を果たすのは「フォーシーズン」の部分であることを端的に表している。

また、被請求人は、「フォーシーズンカントリーグラブ」がゴルフ業界において周知・著名であると主張するが、図形商標からなる本件商標がゴルフ場の開設当初から使用されていたことの立証はない。

更に、被請求人の「コース案内」(甲第27号証)を取り寄せてみたところ、「フォーシーズンカントリークラブ」は、二重線により消され、「四季カントリークラブ」のゴム印が押されている。

東都開発観光株式会社への電話問い合わせに対して、その職員は、7月より名称を変更したと説明しており、千葉県勝浦市観光課にも同様の通知がなされていることが確認された。

即ち、被請求人は、かっての名称「フォーシーズンカントリークラブ」を自ら放棄し、対応する日本語による「四季カントリークラブ」に変更したのであり、このことは、被請求人が、請求人の主張を事実上認めたことを意味しているのである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証の1ないし同第7号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第8条第2項について

ゴルフサービス業においては、過去の商標登録例(乙第1号証の1ないし同第2号証の2)及び全国ゴルフ場ガイド東日本編(甲第5号証中の資料)に照らしても明らかなように、語頭部分の文字が地名であるか否かにかかわりなく、「ゴルフクラブ」、「カントリークラブ」の語にも識別力が認められ、「〇〇ゴルフクラブ」「〇〇カントリークラブ」のように、一連に称呼されるのが通例となっている。

したがって、本件商標は、このようなゴルフ場の名称の特殊性及び「Four Seasons」と「Country Club」の文字とが盾型の図形内にまとまりよく配置されていることからも、「フォーシーズン(ズ)カントリークラブ」と一連に称呼されるものである。

また、ゴルフ競技は、草木茂る自然の中で行われ、地形や天候等に大きく影響を受けるものであり、「Four Seasons」と「Country Club」の語とは、観念においても密接な繋がりを持つものであり、本件商標からは「四季のゴルフ場」「四季を通じてプレイできるゴルフ場」という観念が生じるものである。

したがって、本件商標と引用商標A及びBとは、外観、称呼及び観念において充分に区別し得るものであるから、競合する出願ではなく、請求人の主張には理由がない。

(2)商標法第4条第1項第7号、同第8号及び同第15号について

(a)本件商標と引用商標Cとの関係についても、上記したところと同様、外観、称呼及び観念において充分に区別し得るものである。

(b)請求人は、引用商標の著名性に関し、甲第8号証の1ないし甲第19号証を提出しているが、雑誌や新聞の記事は、紙面のスペースの節約のために、省略できるところは省略するのが通例であるから、それらの記事において「Four Seasons」と略して記載されているからといって、一般需要者が「Four Seasons Hotel」をそのように略称して称呼し、その略称が著名になっているとは到底認められない。

また、甲第14号証の5においては、1991年(平成3年)12月の時点で、「フォーシーズンズホテルの名は日本ではまだあまり知られていない」ことが記されており、甲第15号証においては、「上場企業トップ(社長)354人」における認知度が示されているが、海外出張の多いトップ(社長)の認知度がそのまま日本国内の一般需要者における認知度を表すものであるかは甚だ疑問である。

更に、甲第19号証の1ないし2は、1996年以降の「フォーシーズンズホテル椿山荘」に関するTV宣伝・雑誌宣伝内容のリストであり、いずれも、本件商標の出願時における「フォーシーズンズホテル椿山荘」の認知度を示すものではない。

以上のことから、本件商標の出願時において、引用商標が、本件商標と混同を生じるほどに著名性を有していたとは到底認められないものであり、「Four Seasons Hotel」の略称「フォーシーズンズ」が著名なものであったとも到底認識できないものである。

また、「Four Seasons Hotel」の名称が海外において、ある程度著名であったとしても、それは「ホテルの提供」という役務についてのことであり、当該役務は、本件商標の指定役務とは全く類似しないものである。

(c)商標権者の業務に係る「フォーシーズンカントリークラブ」は、昭和51年に開場(乙第3号証)、JGA(日本ゴルフ協会)及びKGA(関東ゴルフ連盟)に加盟しており(乙第5号証)、KGAが主催する関東ゴルフ倶楽部対抗戦にも本ゴルフ場を代表するメンバーが毎年出場し、上位に入賞する(乙第6号証の1ないし6)等、ゴルフ業界においても著名なゴルフ場である。

また、ゴルフ雑誌等にも広告を定期的に掲載し、宣伝活動を行ってきたことにより(乙第7号証)、房総地区における他のコースと比較して、抜群の来場者数を誇っている(乙第4号証)。

そして、本件商標は、「フォーシーズン カントリークラブ/Four Seasons Country Club」の構成からなる登録第3332871号商標と共に、オープン以来20有余年に亘り使用され、本件商標の登録当時はもちろん、本件商標の出願時においても、ゴルフプレイヤ一にとって既に周知・著名なものとなっていたものであり、引用商標と混同を生じるおそれは全くないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号及び同第15号に該当するものではない。

5 当審の判断

(1)本件商標と引用各商標との類否について

そこでまず、本件商標と引用各商標との類否について判断するに、本件商標は、別掲に示すとおり、大きく表された盾形図形(右上方から左下方に伸びる三本線が3箇所に表されている)の中央部に小型の盾形図形を配し、その上下に「Four Seasons」の文字と「Country Club」の文字をいずれも両端の丸められた短冊の中に表し、小型の盾形図形の中には、上記各文字の頭文字と認められるアルファベットを装飾文字をもって、上段部分には「F」と「S」を、下段部分には「C」と「C」を表した構成からなるものであって、図形部分と文字部分とは、一体的に構成され、極めて自然に調和しているものである。

そして、その構成中の文字部分のみを捉えてみても、「Four Seasons」の文字と「Country Club」の文字とは、上下に離れて表されているとはいえ、小型盾形図形内に表されている「F」「S」「C」「C」の装飾文字により、互いに関連付けられているばかりでなく、書されている文字も同一の書体、大きさをもって、全体としてバランスよく配置されているものであるから、これらの文字は、全体として一体の構成のものとして理解・認識されるものというべきである。

そうとすれば、該文字部分からは、「フォーシーズン(ズ)カントリークラブ」の一連の称呼のみを生ずるものとみるのが自然であり、これが略称されるとしても、ゴルフ場の名称にあっては、団体であることを表す「Club」の文字部分のみが省略され、「〇〇カントリー」と略称されている例が多いことに照らしてみれば、本件商標にあっても「フォーシーズン(ズ)カントリー」とのみ略称されるものと判断するのが相当である。

他方、引用各商標は、前記のとおりの構成よりなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、引用商標A及びCからは「フォーシーズン(ズ)」の称呼を、引用商標Bからは「フォーシーズン(ズ)ホテル」の称呼を生ずるものである。

してみれば、本件商標と引用各商標より生ずる称呼は、その音構成及び構成音数において顕著な差異が認められるので、称呼において類似するものとはいえない。

また、両商標は、その構成において顕著な差異を有するものであるから、外観においても類似するところはない。

更に、観念については、本件商標は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標から観念を生ずるとしても「フォーシーズン(ズ)カントリークラブという名称のゴルフ場」あるいは「四季の社交クラブ(ゴルフ場)」の如き観念を生ずるものとみるのが相当である。

これに対して、引用商標A及びCからは「四季」の観念を、引用商標Bからは「四季のホテル」の観念を生ずるものであるから、両商標は、観念においても類似しないものである。

この点について、請求人は、本件商標中の「Four Seasons」の文字は、地名とは異なり、それ自体で十全の出所表示機能を有する語であるから、「Country Club」の文字に識別機能を期待しなければならない事情は全くなく、「Four Seasons」の文字から、単独で称呼を生ずるものであること、又、全国コースガイドの「ゴルフ場付近図」(乙第3号証)によれば、被請求人のゴルフ場は「フォーシーズン」とのみ表示されており、このことは、「フォーシーズンカントリークラブ」のうち、識別の役割を果たすのは「フォーシーズン」の部分であることを端的に表していること、更に、被請求人の「コース案内」(甲第27号証)によれば、「フォーシーズンカントリークラブ」の文字は、二重線により消され「四季カントリークラブ」のゴム印が押されており、このことは、被請求人自身、「フォーシーズンカントリークラブ」を自ら放棄し、対応する日本語による「四季カントリークラブ」に変更したのであり、請求人の主張を事実上認めたことを意味している旨の主張をしている。

しかしながら、本件商標は、「Country Club」の文字の前段にくる文字部分に識別機能があるか否かとは直接かかわりなく、前記したとおりの理由から、構成全体をもって一体の商標として理解・認識されるものである。

又、地図中の表示は、出来るだけ簡略な表示が要請されるところ、乙第3号証の全国コースガイドには、「フォーシーズンカントリークラブ」の表題のもとに、ゴルフ場の案内、コースの特徴、ゴルフ場付近図が掲載されているものであって、地図中の「フォーシーズン」の表示は、「フォーシーズンカントリークラブ」を簡略表示したものと容易に理解されるものであるから、地図中に「フォーシーズン」と表示されているからといって、自他役務の識別標識としての機能を果たすのは「フォーシーズン」の部分であるということにはならない。

更に、甲第27号証の「コース案内」には、確かに、「フォーシーズンカントリークラブ」の文字が二重線により消され「四季カントリークラブ」のゴム印が押されている箇所のあることは認められるにしても、同号証の封筒の社名の左側及びコース案内書には、本件商標と同一又は類似の態様で表された商標が大きく表示されているものであるから、少なくとも、本件商標について、被請求人が請求人の主張を事実上認めたということには繋がらないものというべきである。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似するところのない非類似の商標である。

(2)商標法第8条第2項について

本件商標と引用商標A及びBとは、いずれも、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第4条、第5条等が適用される出願であるところ、そもそも、商標法第8条第2項の規定の適用は、関係する商標が互いに同一又は類似であることを前提とするものである。

しかしながら、本件商標と引用商標A及びBとは、上記のとおり、互いに類似するところのない非類似の商標であるから、引用商標Aが使用に基づく特例の主張を伴う出願であり、引用商標A及びBが周知又は著名となっている商標であったとしても、この点についての請求人の主張は、その前提を欠くものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第8条第2項の規定に違反して登録されたものということはできない。

(3)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、上記のとおり、構成文字全体をもって一体の商標と理解・認識されるばかりでなく、その構成中の「Four Seasons」の語(文字)は、本来「四季」の意味を表す熟語として、我が国の世人一般にも広く知られている平易な英語であるから、該文字部分のみを捉えて考察される場合があるとしても、該文字部分からは、既成語としての「Four Seasons」を認識するものというべきであって、請求人の略称を想起・認識されることはないものとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標とはいえないから、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものということはできない。

(4)商標法第4条第1項第15号及び同第7号について

請求人の提出に係る甲第8号証の1ないし同第19号証の2によれば、「Four Seasons」の文字からなる引用商標Cは、請求人の業務に係る「宿泊施設の提供,飲食物の提供」等の商標として、本件商標の登録出願時においては既に、取引者・需要者の間において広く認識されていたものであることを認めることができる。

しかしながら、本件商標と引用商標Cとは、前記のとおり、判然と区別し得る別異の商標であるばかりでなく、引用商標Cは、ゴルフ場に関連する役務についてまで広く知られていたものとは認められず、しかも、「Four Seasons」の語は、上記したとおり、一義的には「四季」の意味を表す既成語として認識されているものである。

してみれば、被請求人が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標Cを連想又は想起させるものとは認められず、その役務が請求人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

なお、請求人は、商標法第4条第1項第15号の主張が認められた異議決定の例として甲第20号証の1ないし4を挙げているが、それらの異議決定例は、いずれも本件商標とは商標の構成を異にし、指定役務をも異にするものであるから、当該異議決定例が存在することをもって、本件商標と引用商標Cとの間における上記認定を左右することにはならない。

また、本件商標と引用商標Cを含む引用各商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標を出願・登録することが、国際信義に反することになるものとはいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号に違反して登録されたものではない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第2項、同法第4条第1項第7号、同第8号及び同第15号に違反して登録されたものということはできないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすることはできない。

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