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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第30977号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2073606号商標(以下、「本件商標」という。)は、「S U N」の欧文字を横書きしてなり、昭和59年4月17日登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア」を指定商品として、同63年8月29日設定登録され、該登録に係る権利は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。

(1)請求の理由

被請求人は、食料品・酒類の輸入販売を主たる業務として昭和35年2月29日に設立された法人であって(甲第3号証)、従業員数は247名程度、年間売上高は223億円内外の事業規模を有する。取り扱う商品の主たる仕入れ先は、トワイニング社(英国)、バンホーテン社(ドイツ国)、フオートナム・メイソン社(英国)、ラバッツア社(イタリア国)等であり、主たる販売先は、三越、高島屋、大丸、伊勢丹、西武百貨店、小田急百貨店、京王百貨店他の百貨店、明治屋、国分、伊藤忠食品等である。大阪、福岡、札幌、名古屋、仙台、広島に営業所を有している。

本件商標の使用の有無について調査すべく、被請求人の各営業部や各地の営業所の担当者数人に接触したところ、誰一人として本件商標の使用に係る商品を知らなかった。また、被請求人のお客様相談の担当者に問い合わせたところ、「本件商標の使用に係る商品の取り扱いはない。」との回答を得た。更に、過去3年以前より今日までの間に発行された被請求人の商品カタログのいずれにも、本件商標の使用に係る商品は掲載されていなかった。

本件審判の請求人は、日本に関連会社「ニッポンリーバビーブイ」(住所:東京都渋谷区渋谷2−22−3)を有しており、かつ、日本国内において永年に亙って紅茶(商標:リプトン/LIPTON)を始めとする商品の販売業務を営んでいる。本件審判の被請求人とは、いわば同業他社の関係にあり、被請求人の事業内容には日頃より敬意を表する次第である。上述のように、本件審判の請求人は、日本の関連会社を媒介にして、日本の「茶、コーヒー、ココア」の生産販売に携わる業界を十二分に知悉しているが、被請求人によって本件商標が「茶、コーヒー、ココア」に関して使用された事実を知らない。

したがって、過去三年以内に、被請求人によって本件商標がその指定商品について使用された事実はないと認められる。

本件商標に関する商標登録原簿には、専用使用権者および通常使用権者は登録されていない(甲第2号証)。

更に、上述のとおり、本件審判の請求人は「茶、コーヒー、ココア」の業界を十二分に知悉しているが、被請求人以外の者が本件商標をその指定商品に関して使用した事実を知らない。したがって、本件商標に関して未登録の通常使用権者が存在し、この者が本件商標をその指定商品について使用したこともないと考える次第である。

以上、本件商標の商標権者、専用使用権者または通常使用権者が、過去3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品について使用したことはないと認められるべきであるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づいて、その登録を取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人提出の証拠方法のうち、乙第1号証は「登録商標の使用説明書」であり、商標の使用者、商標の使用に係る商品、使用時期等が記載され、数葉の写真が添付されている。

しかしながら、説明書の作成者が明示されておらず、また、登録商標の実際の使用(すなわち、商品の販売等)を示すものでもない。

また、乙第2号証ないし同第5号証は、単に、被請求人による商品ラベルの手配を裏付けるにすぎない。これらの資料は、何ら、商標法第50条が規定する 「登録商標の使用」を証明するものではない。

乙第6号証及び同第7号証は、いずれも、被請求人商品の第三者への納入を示す受領書である。各受領書には3種類の商品名が記載されているものの、これらの商品と本件商標(すなわち、商標「SUN」)との関係を示す証拠資料は何ら提示されていない。したがって、これらの資料は、本件商標の使用を証明してはいない。

ちなみに、乙第6号証及び同第7号証として提出された受領書に「エイキ サン 180Gウーロンチャ」なる商品名が記載されているところ、「エイキ」の文字に鑑みれば、納品先ブランドの商品と思われるし、また、「サン」から生ずる観念が多数存在するので、本件商標と社会通念上同一のものであるとは認められない。

以上、被請求人提出の証拠方法(乙第1号証ないし同第7号証)は、いずれも、本件商標の使用を証明するに足りないと言わざるを得ない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証を提出した。

請求人は本件商標の使用の有無につき調査したところとして

(ア)被請求人の営業部や各地の営業所の担当者数人に接触した結果、誰も本件商標の使用に係る商品を知らない。

(イ)被請求人のお客様相談の担当者に問い合わせたが「本件商標の使用に係る商品の取り扱いはない」との回答があった。

(ウ)被請求人の商品カタログのいずれにも本件商標の使用に係る商品の掲載がない。

と主張している。

しかしながら、本件商標は乙第1号証として添付する登録商標の使用説明書により明らかなように商品ウーロン茶の商標として平成10年12月16日から使用されたものであり、また使用に係る本件商標については乙第2号証において証明されるように平成10年11月16日に大輪印刷株式会社から「商品ラベル」(乙第3号証)として納品されたものである。

乙第3号証により明らかなように、使用に係る商標は正方形の台紙に縁に沿って同一形状の枠線を書き表し.その一つの対角線が上下に向くように配置したものにおいて、前記枠線に囲まれる内側の部分の上部に「鳥龍茶」の漢字と「00LONG TEA」の欧文字を上下二段に書き表し商品名を具体的に表す一方、上記枠線の内側の中央部分に「燦」の漢字一文字を大書し、その左右に「一」の字の如く「雲の図」を配置し、更に上記「燦」の文字の直上に本件商標である「S U N」の欧文字3文字をゴシック体で表すと共に、上記「燦」の直下に平仮名の「さん」の文字を表してなるものである。

ここに表される3つの文字は全て「さん」の称呼を生じるものであるが、言うまでもなくゴシックの欧文字で表された本件商標「S U N」は「光り輝く」の意を有する「燦」に「太陽」である「S U N」を結び付け前記称呼の一致に併せて観念的な一致を図りその強調化を意図したものとなっている。

尚、乙第4号証は前記乙第3号証の「商品ラベル」の作成費用に関する証明者大輪印刷株式会社から発行された平成10年11月5日付けの見積書であり、乙第5号証は平成10年11月16日付け発行の納品書である。

一方、乙第6号証及び同第7号証は東京都渋谷区神泉町2一8所在の「英記茶荘」(「えいきちゃそう」東京本店)に平成10年12月16日と同11年1月21日に、本件商標「S U N」を附したウーロン茶の袋詰め(内容量180G)各24個合計48個を納品し、これが受領されたことを証明する受領書である。

当該乙第6号証並びに同第7号証は、前記乙第1号証の使用説明書において証明する使用の事実を裏付け証明するものである。

ところで、被請求人において取り扱うウーロン茶の量は、請求人が審判請求書で挙げる紅茶、コーヒーの取り扱い量に比較したとき、取り扱いの開始時期が遅いこと、また少量であり取り扱いの範囲が現在のところ限られていること、等から「トワイニング紅茶」、或いは「モンカフェコーヒー」の如く知名度がなく、現在のところその存在が薄くはあるが、しかし引き続き販路を拡張し本件商標の使用が続けられるものであるので、少なくとも不使用の対象となることはないものと思料する。

4 当審の判断

被請求人が本件商標を使用している事実を証明するものとして提出した乙各号証をみると、乙第1号証は、「登録商標の使用説明書」と題する書面であり、その中の「商標の使用事実を示す写真」(商標を付した商品の正面図・背面図・開封状態を示す斜視図・陳列状態を示す拡大図・陳列状態を示す説明図)6葉から、商品「ウーロン茶」(鳥龍茶)に「燦」の漢字、「さ ん」の平仮名文字と共に本件商標「S U N」を表示したラベルが貼付されていることを認めることができる。乙第2号証は、乙第1号証の「商標の使用事実を示す写真」(商標を付した商品の正面図)に示された商品「ウーロン茶」(鳥龍茶)に貼付された本件商標が表示されているラベルの作成を被請求人より依頼された大輪印刷株式会社が納品したことを証明する平成12年2月17日付けの書面と認めることができる。乙第3号証は、商品「ウーロン茶」(鳥龍茶)に貼付された本件商標が表示されているラベルであり、乙第4号証は、前記本件商標が表示されているラベル(シール・ステッカー)作成のための大輪印刷株式会社が被請求人宛て発行した平成10年11月5日付けの見積書、また、乙第5号証は、そのラベルを被請求人に納品した平成10年11月16日付けの納品書と認めることができる。

また、乙第6号証及び同第7号証は、取引先と認め得る「英記茶荘本店」(エイキチャソウ)に対し、平成10年12月16日と同11年1月21日に商品「ウーロン茶」(鳥龍茶)を各24個合計48個を納品したことを証する被請求人の受領書であり、その受領書の「商品名」欄に「サン」の文字が表記されているところである。しかして、このような受領書をはじめとする取引書類に商標を表記する場合、正確にその商標そのものを記載するとは必ずしもいえず、まして本件商標が表示されているラベルの如く識別機誰を果たし得る要部が複数ある商標にあっては、最も書き表しやすい部分やその商標から生ずる称呼をもって記載していることを取引の経験則上認め得るところである。

そうとすれば、乙第6号証及び同第7号証の受領書の「商品名」欄に記載されている「サン」の表記の商品は、本件商標が付されている商品「ウーロン茶」(鳥龍茶)とみて不自然であるということはできず、これを覆すに足る証拠は見出せない。

してみると、商品「ウーロン茶」(鳥龍茶)について使用されている商標中の「S U N」の文字は、独立して認識し得るものであるから、本件商標の使用に当たるとみるのが相当であり、使用に係る商品「ウーロン茶」(鳥龍茶)は、本件商標の指定商品に含まれる商品であること明らかである。

してみれば、乙第1号証ないし同第5号証を総合勘案すれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を、取消請求に係る指定商品中の「ウーロン茶」(鳥龍茶)について使用していたものといわなければならない。

したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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