Trademark Appeal Case
「植物性」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−21108(T2000−21108/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「植物性」の文字を標準文字をもって書してなり、願書記載の第16類及び第17類に属する商品を指定商品として、平成12年2月9日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同12年8月28日付け手続補正書において、第16類「家庭用食品包装フイルム,プラスチック製ごみ収集用袋,プラスチック製荷札」及び第17類「プラスチック基礎製品,プラスチック製コンデンサーペーパー,プラスチック製電気絶縁材料,プラスチック製オイルフェンス,プラスチック製ガスケット,プラスチック製管継ぎ手(金属製のものを除く。),プラスチック製消防用ホース,プラスチック製絶縁手袋,農業用プラスチックフィルム,プラスチック製パッキング,プラスチック製防音材(建築用のものを除く。)」に補正されたものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『植物性』の文字を書してなるものであるが、これは『植物体特有の性質であるさま』を意味するものであるから、これを本願指定商品中の、例えば、『植物体特有の性質を有する商品』に使用するときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」との理由をもって、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
本願商標は、上記に示したとおり、「植物性」の文字を書してなるものである。
ところで、当審おいて職権による証拠調べをしたところ、当該「植物性」の文字が商品の品質等を表示するものとして、業界紙をはじめとする各種新聞に、次のような紹介記事とともに掲載されていることが認められる。
(1)1993年1月11日付け朝日新聞東京朝刊の記事によれば、「減量に工夫こらす各社 化粧品・洗剤のプラスチック容器ごみ」の見出しの下、「一方、ごみを出さない新素材も出ている。・・・土に埋めるとバクテリアの活動で完全に分解される植物性プラスチックをせっけんシャンプー、リンスの容器に使っている。」と掲載されていることが認められる。
(2)2000年1月10日付け日刊工業新聞の記事によれば、「ユニチカなど4社、生分解ポリマーを米カーギルから調達」の見出しの下、「国内4社は今後、具体的な事業展開の検討を急ぐことにしているが、ユニチカが農業資材など向けに生分解性シート「テラマーク」を製品化、サンプル出荷を始めており、三菱樹脂も植物性プラスチックフィルムシート「エコロージュ」の販売を始めている。」と掲載されていることが認められる。
(3)2000年1月18日付け毎日新聞東京朝刊の記事によれば、「トウモロコシ生まれです ユニチカなど繊維・化学4社、次世代プラスチックを商業化」の見出しの下、「トウモロコシなど植物から作った次世代プラスチックが商業化されることになった。・・・石油が原料のプラスチックと違って、植物性プラスチックは生分解させて土に戻すことができ、廃棄物処理の心配がない。」と掲載されていることが認められる。
(4)2001年2月18日付け共同通信社の記事によれば、「地球環境特集『ごみゼロ目指す社会』 植物性プラスチックに期待 家電、車リサイクル設計に」の見出しの下、「・・・各社が注目しているのが『二十一世紀のプラスチック』とされる生分解性プラスチック。植物を原料とするため、微生物や酵素の働きで水や二酸化炭素に分解され、土に返るのが特長だ。」と掲載されていることが認められる。
(5)1998年8月20日付け岐阜新聞朝刊の記事によれば、「再利用可能なかみそり開発/植物性プラスチックで環境にも配慮/カイインダストリーズホテル向けに」の見出しの下、「リサイクルできるホテル向けルームサービス用かみそりを開発し、受注拡大に乗り出した。植物性プラスチックを使った製品で、使用後に回収して再利用する。地球環境対応製品として、米国・モンサント社が製法特許を持つ植物性の生分解性プラスチック『バイオボール』をかみそりの柄などに使用。・・・同社では『植物性プラスチックは将来、プラスチックの主流になる。・・・』とし、植物性プラスチックを採用した商品の拡大を検討している。」と掲載されていることが認められる。
(6)2000年11月号(同年9月25日、日本経済新聞社発行)の記事によれば、「植物性プラスチックは本当に環境にやさしいのか」の見出しの下、「植物由来のプラスチックは再生可能な資源から生産されるだけでなく、最終的に地中で生分解されるという2つの点で『地球環境にやさしい』といえる。植物からさまざまなプラスチックを作れれば、同様の利点がある。」と掲載されていることが認められる。
また、本願商標を構成する「植物性」の文字が商品の品質等を表示するものとして、インターネットのホームページ上に前記文字が画像とともに掲載・公開されていることが認められ、例えば次に示すようなものがある。
(7)「HOTWIRED」(wysiwyg://426/http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/3582.html)
「純植物性プラスチックの大規模工場(エンバイロンメント・ニュース・サービス)」
(8)「三菱樹脂」(www.mpi.mpi−mrc.co.jp/kankyo/report/p08.htm)
「環境保全対応新商品開発事例:植物性プラスチックフィルム『エコロージュ』の開発」。「『エコロージュ』は、植物資源から生産されるポリ乳酸を主原料とした生分解性プラスチックフィルムです。」
以上を総合すると、プラスチックフィルム、プラスチックシートをはじめとする各種プラスチック製品を取り扱う業界においては、「植物性」の語が、植物を原料とするため、微生物や酵素の働きで水や二酸化炭素に分解され、土に返るのを特長とする生分解性プラスチック等の素材の属性を表すものとして普通に使用されているというべきものであって、本願商標を構成する「植物性」の文字も、そのような意味合いに理解されるに止まるものとするのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定商品中の「プラスチックフィルム、プラスチックシート」が上記「植物性」と密接な関係を有することから、これを前記商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「環境への影響が少ない植物を素材とするもの」程度の意味合いを容易に認識するに止まり、単に商品の品質を表示したものと把握し、理解するとみるのが相当である。また、これを前記商品以外の商品について使用した場合には、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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