Trademark Appeal Case
記述的商標該当性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第10944号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「デンタルヘルス」の片仮名文字と「DENTALHALTH」の欧文字とを上下二段に書してなり、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),電気式歯ブラシ」を指定商品として、平成8年6月29日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『歯の健康』等の意を認識させる『DENTALHALTH』の欧文字と上段にその表音と認められる『デンタルヘルス』の文字を2段に書してなるから、これを本願指定商品中『歯ブラシ、電気式歯ブラシ』に使用しても単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記の構成よりなるところ、これを構成する前半の「デンタル」「DENTAL」の各文字部分は、「歯」を意味する平易な英語「dental」または外来語「デンタル」であり、同後半の「HALTH」「ヘルス」の各文字部分は、「健康、健全」を意味する平易な英語「health」または外来語「ヘルス」を容易に想起、認識させるものといえるから、該構成からは、全体として「歯の健康」といった意味合いを容易に感得・理解させるものといわなければならない。
すなわち、本願商標にあって、前記「HALTH」の欧文字部分は、当該英語(「HEALTH」)の文字綴りと一部相違するものであるが、全6文字中の5文字の文字配列を同じくし、それ自体の外観、印象にさほどの差異がなく(欧文字綴りの全体では12文字中の11文字を同じくする。)、また、これを含む下段の欧文字綴りは、丁度、上段の片仮名文字(全7文字)の文字幅で全体に隙間なく密に配列されていて当該英語(原語)またはその文字綴りを直ちに認識し得ないまでに混み入った印象を与えるものであるから、かかる場合、取引場理にあって需要者は、その上段にあって平明な片仮名文字に着目し、これを主とすれば、下段の欧文字部分は従たるものと捉え、すなわち、当該英語(原語)の文字綴りの違い等その子細に亘る点にさほど注意を払うことなく、専ら、全体の文字配列から受ける外観、印象を優先させて、その構成を前記各語の結合と理解し、かつ、それぞれの意味合いを容易に感得・理解するとみるのが取引の経験則に照らして相当である。
したがって、「HALTH」の欧文字部分は英語の「HEALTH」を想起させる以外の何ものでもないといわなければならない。
そして、「デンタルヘルス」の文字(語)が社会一般において前記意味合いの語として普通に使用されている状況は、以下の新聞記事及びいわゆるインターネット・ホームページ情報からも窺い知ることができる。
(1)1987年5月7日付け日経産業新聞3頁には、「T・M・C、歯と歯ぐきの健康度 郵送方式で診断」の見出しの下、「医療情報システム開発のテイ・エム・シーは郵送方式で歯と歯ぐきの健康度をチェックする『デンタル・ヘルス・プラン』サービスを始めた・・・」との記載がある。
(2)1987年4月16日付け日経流通新聞21頁には、「日本メディカルソフト、家庭で歯の健康チェック・・質問票で自己診断」の見出しの下、「会員制の在宅健康診断サービス『日本ヘルスバンク』を運営しているニッポンメディカルソフトは、家庭で歯の健康チェックができるシステム『デンタルヘルスチェック』の取り扱いを始めた。・・」との記載がある。
(3)1993年7月26日付け産経新聞東京夕刊6頁には、「働きざかりの健康講座 歯の病気40代は要注意」の見出しの下、「・・・忙しさにかまけて、つい歯のことを忘れがちな働きざかり。突然の歯痛に襲われる前に、もう一度チェックしたい『デンタルヘルス』」との記載がある。
(4)2000年1月19日付け中日新聞福井版には「22日に福井で子育てデンタルヘルス講座 県と県歯科医師会」の見出しの下、「県と県歯科医師会は二十二日午後一時から福井市田原一丁目のフェニックス・プラザで『いきいき子育てデンタルヘルス公開講座』を開く・・・」との記載がある。
(5)福井県のホームページにおける「福井県生涯歯科保険計画の紹介」の欄において「ライフステージに応じた歯科保健対策として「デンタルヘルスプラン21の推進」がうたわれている(http://info.pref.fukui.jp/kenkou/shikahoken.htm)。
以上の事実を総合勘案すれば、主として歯科医療ないし歯科関連社会分野において、「デンタルヘルス」の語は、社会一般において「歯の健康」を意味し、あるいはこれと同義語的に普通に使用されているものと認められる。
そして、本願商標の指定商品中の「歯ブラシ、電気式歯ブラシ」は、歯の健康保持具として日常的に使用されるものであって、前記歯科関連の社会情勢にあって密接に関連するものと認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品中の「歯ブラシ」、「電気式歯ブラシ」その他の歯の健康保持用具に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、それが歯の健康に良いこと、すなわち、歯科の衛生、健康に効果、効能があることを強調し、または喧伝するものと理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識しないとみるのが相当である。
そして、前記以外の商品に使用するときには商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
請求人(出願人)は、健康を意味する「ヘルス」の英語の綴りは「HEALTH」であって、本願商標構成中の「HALTH」の文字は請求人(出願人)が創出した文字であるから、本願商標は自他商品の識別標識としての機能を果たすが如き主張を行っているが、本願商標にあって「HALTH」は英語の「HEALTH」としか認識されないとした前記認定を相当とするから、その主張は妥当でなく採用の限りでない。
してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとした原査定の認定・判断は妥当なものであって、これを取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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