Trademark Appeal Case
海外周知商標の国内適用
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第10902号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1. 本願商標
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第25類「履物,運動用特殊靴」を指定商品として、平成4年9月18日に登録出願されたものである。
2. 原査定の理由
原査定は、第25類「セーター,ジャケット,スカート,アロハシャツ,ティーシャツ,スーツ,ハーフコート,子供服,ブラウス,ネクタイ,帽子,ソックス,手袋,スカーフ,寝巻き類及びその他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指−定商品とする登録第3099256号商標(以下「引用商標」といい、その構成は別紙に表示したとおり)を引用した登録異議の申立を審査した結果、引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、1990年8月より衣料品について使用を開始して以来、新聞、雑誌、ラジオ、テレビジョン等のマスコミに継続して広告、宣伝をした結果、本願商標登録出願時には、韓国国内において取引者、需要者間に広く認識されていたものと認められる。そして、近隣国の韓国で取引者、需要者間に広く認識されていることは、国際交流の盛んな今日においては、取りも直さず、我が国においても、いわゆる周知著名になっているものといい得るものである。しかして、本願商標と引用商標は、別紙に表示したとおりの構成であって、引用商標中の「ANGLOAMERICAN STYLE」の文字部分を除けば両者は構成の軌を一にするものであり、また、本願の指定商品と引用商標に接する取引者、需要者層とは同一にする場合がむしろ多いことから、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、該商品が、申立人或いは申立人と何等かの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとしている。
3. 請求人の主張
請求人は、本願の拒絶査定に対し、概要次のとおり主張している。
引用商標の大韓民国内における周知性については、上記異議申立に対する平成8年3月13日付答弁書で述べたとおり大韓民国においてさえ疑問のあるところであり、仮にその周知性が是認されたとしても、それはいかに近隣国とはいえあくまで他国における事実であって、それをそのまま我が国に適用することはできない。この点につき原審は日韓間において国際交流が盛んであることを理由として大韓民国における事実をそのまま我が国に適用しているが、引用商標を付した申立人の商品が我が国に多く流通している事実が全く示されていない状況下において、原審のような判断を下すことは、合理的理由を欠く不当なものといわざるを得ない。
周知性の認定は国内における事実に基づいて行わなければならないものであるところ、原審の認定はこれに反するものであり、かつ、合理的理由も示していないので、到底承服することができない。まして、申立人が周知性を主張しているのは本願指定商品とは非類似の衣服類についてであり、この点だけをとってみても、原審認定のような出所の混同の問題は起きない。
4. 当審の判断
(1)申立人の使用商標の周知性について
原審異議申立事件において提出された甲第2号証の4(以下、原審異議申立事件において、申立人の提出した証拠については、単に「甲第○○号証」と表示する。)、乙第4号証の2、登録第3099256号商標に関する登録原簿と商標公報によれば、申立人は、大韓民国で、主として衣服についての国内販売及び国内販売を大きく上回る輸出を行う企業であり、日本において登録した引用商標及び引用商標と同一の構成からなり、セーター等の衣服が含まれる指定商品について、大韓民国で登録した商標(以下「原商標」という)を所有するものである。
そして、甲第2号証の1ないし甲第2号証の4、甲第3 号証の17、19、28、29、44、48、52、53、54、55、56、57、59、61.62、6 4、72、77、78、79、80、81、82、83、84、甲第4号証の1及び甲第4号証の2によれば、申立人は本願商標の出願日前である1990年6月から1992年8月までに、主として衣服について原商標を使用した相当な規模の宣伝、広告を継続的に行った事実が認められる。
上記事実からすれば、原商標は、本願商標の出願前、大韓民国において、申立人の業務に係る衣服等を表示するものとして、その需要者、取引者に認識されていたものというのが相当である。
(2)本願商標と引用商標の類似性について
本願商標と引用商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなるところ、両商標は、細部において若干の差異はあるとしても、「∧∧」を、先細りする弓なりの曲線が左下から右上へと横切るように描かれ、あたかもアルファベットの「A」を図案化して二つ並べた印象の図形部分、左端の「O」と右端の「S」を大きく描いた「OMPHALOS」の文字部分、ハングル文字部分を有すること、を共通とし、いずれも看者の注意を強く惹くと見られるから、両商標は、外観上極めて類似するものといえる。
また、両商標は、「OMPHALOS」の文字部分に着目し、これを英語風に読んだ「オンパロス」の称呼を共通にする類似の商標といえる。
(3)混同のおそれについて
原商標は、前記(1)で認定したとおり、本願商標の出願前大韓民国において申立人の業務に係る衣服等を表示するものとして、その需要者、取引者に認識されていたものであるが、日本にとって大韓民国は革製衣類、毛皮衣類、革靴等の有数の輸入先であることを考慮すれば、原商標は、本願商標の出願前に申立人の業務に係る衣服等を表示するものとして、大韓民国製の衣服、履物の買い付け、輸入の業務を行う日本の取引者、需要者に認識されていたものとみるのが相当である。
また、本願商標の指定商品に係る履物と原商標及び引用商標の指定商品に含まれる衣服に関する商品とは、一般需要者がトータル・ルックとして、互いの調和をはかるため、双方の商品を対比して観察しがちである。
そうすると、原商標と引用商標とが同一の構成よりなるものであること前記のとおりであるから、本願商標を付した履物と引用商標を付した衣服とが市場に出回るとき、これに接する一般需要者は、これら商品力瓢互いに同一出所の商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといえる。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、その商品があたかも申立人の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であり取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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