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Trademark Appeal Case

著名商標POLOと混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第13033号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),時計」を指定商品として、平成6年11月7日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、アメリカ合衆国ニューヨーク州在の『ザ ポロ/ローレン カンパニー』が本願出願前より商品『被服、ネクタイ、眼鏡』等に使用して世界的に著名となっている商標『POLO』の文字をその構成中に有してなるものであるから、これを本願の指定商品に使用する場合、恰も該商品が上記会社、あるいは同会社と、経済的、組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 「POLO」及び「Polo」などの引用商標の著名性について

(1)株式会社講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング同58年9月28日発行「舶来ブランド事典 ’84 ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾界の名誉ある賞「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年に映画「華麗なるギャツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

ラルフ・ローレンのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字、及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形を組み合わせた標章が用いられ、これらの標章は単に「ポロ」と略称されて紹介されていた。

(2)株式会社洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/Polo」の項、及びボイス情報株式会社同59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略 ’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述、及び同63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が同51年にポロ社から「Polo」の文字よりなる標章をはじめ、「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字、及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形を組み合わせた標章などの使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

(3)ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、株式会社スタイル社1971年7月発行「dansen 男子専科」を始め、前出「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社同54年5月発行「世界の一流品大図鑑 ’79年版」、株式会社チャネラー同54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑 ’80年版」、「男の一流品大図鑑 ’81年版」(同55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑 ’80年版」(同55年5月発行)、婦人画報社同55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑 ’81年版」(同56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84 ザ・ブランド」、株式会社講談社同60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、眼鏡については、前出「世界の一流品大図鑑 ’80年版」、同「ファッション・ブランド年鑑 ’80年版」、同「男の一流品大図鑑 ’81年版」、同「世界の一流品大図鑑 ’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」「ポロ」「Polo」「ポロ(アメリカ)」「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の標章の下に紹介されていることが認められる。

(4)ラルフ・ローレンの「POLO」「Polo」「ポロ」の標章について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決として、東京高等裁判所平成2年(行ケ)第183号(平成3年7月11日言渡)をはじめ、同平成11年(行ケ)第250号、同第251号、同第252号、同第267号、同第290号(以上平成11年12月16日言渡)、同第268号、同第289号(以上平成11年12月21日言渡)、同第288号(平成12年1月25日言渡)、同第298号、同第299号(以上平成12年2月1日言渡)、同第192号(平成12年2月29日言渡)、同第333号、同第334号(以上平成12年3月29日言渡)、さらに、最高裁判所平成12年(行ヒ)第172号(平成13年7月6日言渡)等の一連の判決がある。

(5)以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、「Polo」ないし「POLO」の文字よりなる標章、「by RALPH LAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章は、我が国においては、遅くとも本願出願時までにはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、被服類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識され、かつ著名となっていたものであり、その状態は現在においても継続しているものと認めることができる。

なお、上記の事実については、商標法第56条第1項において準用する特許法第150条第5項により、平成13年7月13日付けをもって、請求人に通知し、相当の期間を指定した上で意見を申し立てる機会を与えたが、指定した期間内に意見の申立がなかったものである。

2 商品の出所の混同について

本願商標は、別掲のとおり、文字と図形をもって構成されているところ、その文字と図形とを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事由があるとも認められないものである。しかして、その構成中の文字部分については、上下二段に横書きしてなる構成よりなり、「GREENWICH」の文字を上段に、「POLO」及び「CLUB」の文字(「POLO」と「CLUB」の文字の間には間隔が置かれている。)を下段に書してなるところ、それぞれの文字が既成の意味を有する語であるから、これらの語を結合してなるものであることは明らかであって、「Polo」の文字部分が1つの語に吸収されて埋没しているものではなく、かつ、全体として不可分一体の既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているものともいい難いものである。そして、その構成中には、上記1で認定したとおり、ラルフ・ローレン(関連企業「ザ ポロ/ローレン カンパニー」)が被服類、眼鏡等に使用するものとして周知著名な「Polo」及び「POLO」の標章と類似する「POLO」の文字を含んでなるものである。さらに、本願商標の指定商品は、「身飾品(「カフスボタン」を除く。),時計」にして、引用商標が使用される被服類、眼鏡等の商品と同様に、いわゆるファッション関連の商品といえるものであることから、本願商標と引用商標は、その商品分野においても、密接な関係を有しているといえる。

そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「POLO」の文字に注目し、前記ラルフ・ローレン(関連企業「ザ ポロ/ローレン カンパニー」)が被服類、眼鏡等に長年使用し、本願出願時には取引者、需要者に同人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていた「POLO」を想起し、該商品が恰もラルフ・ローレン(関連企業「ザ ポロ/ローレン カンパニー」)又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。しかして、その混同を生ずるおそれは、本願出願時から現在においても継続していると認められる。

3 請求人の主張について

請求人は、本願商標は、「グリニッチポロクラブ」と称呼され、「米国のグリニッチに所在するポロクラブ」の観念を生ずるものであって、決して「ポロ」の称呼や、「POLO」の観念は生じない旨、また、「ポロ」とは「4人1組の両チームが馬上から打球棒で木製のボールを打ってゴールに入れるホッケーに似た馬上球技」である旨などを指摘して、原査定を取り消して本願商標を登録すべき旨主張しているが、スポーツの「ポロ」が我が国では馴染みのあるスポーツとは言い難いものである一方で、ラルフ・ローレンの「Polo」及び「POLO」の標章が我が国で周知著名となっていること上記認定のとおりであり、さらに、最高裁判所平成12年(行ヒ)第172号を初めとした上記1の(4)に記載の判決や、商標法第56条第1項において準用する特許法第150条第5項の規定による請求人への通知の後に言い渡しのあった東京高等裁判所平成12年(行ケ)第279号、同第278号、同第277号、同第276号、同平成13年(行ケ)第15号(以上平成13年8月9日言渡)の判決等においても、一貫して出所の混同を生ずるおそれがあることを認めていることを踏まえるならば、請求人の主張はいずれも採用できない。

4 結び

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同様の理由により本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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