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Trademark Appeal Case

著名商標「POLO」と「POLOSTAR」の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第12919号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「POLOSTAR」の文字を書してなり、第17類「被服その他本類に属する商品」を指定商品とし、平成3年10月2日に商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、出願人とは他人であるアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として、本願出願時には既に著名に至っている「POLO」の文字を含んでなるものであるから、このような商標をその指定商品に使用するときは、あたかもその商品が上記他人の業務に係る商品あるいは、同人と何らかの関係がある商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

本件審判請求の理由を次のように述べるものである。

(1)「アメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識」がどのような商標の態様のものであるかが特定されていない。

(2)本願商標中に「POLO」の文字を含んでなるという文言からすれば、その著名商標は「POLO」の文字を構成してなるものであろうかとも思えるがしかしながら、「POLO」の文字で著名商標は、実在しないばかりでなく、ましてや指定商品の業界内にはそのようなものは全く発見しない。また、第17類にあっては現在今日までに、「POLO」の文字を含む商標登録の事例は、提出の証拠に徴し、数多く存在するのであるから、本願商標のみを、開示の如き理由をもって、これの登録を拒否することは、不当な行政処分であることは明らかである。

(3)しかして、本願商標は、「POLOSTAR」の文字をもって構成されてなるものであるから、「POLO」と「STAR」とを分離する必要のない一体不可分のものであり、これよりは、たとえば、「映画スター」の表現が映画に関するスター(注目の人)を指称することと同様に本願商標もまた、スポーツのポロ競技に関係するスター(注目の人)を指称しそれに止まるものである。

(4)本願商標は、説示の如き、デザイナー、ラルフ・ローレンのデザインによる紳士服、ネクタイ等を表示する標識を含んでいないものであるから、本願商標を指定商品に使用しても何ら他人の商品とその出所について混同するようなことは全くないのである。

4 当審の判断

(1)「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標の著名性について

「男の一流品大図鑑」(株式会社講談社昭和53年7月20日発行)及び「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(サンケイマーケティング 同58年9月28日発行)によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立し、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」いう。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」で主演したロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことからアメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

我が国においても、そのころからラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。

そして、「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」(株式会社洋品界昭和55年4月発行)における「ポロ/Polo」の項及び「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」(ボイス情報株式会社 同59年9月発行)の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び同63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、「dansen男子専科」(株式会社スタイル社1971年7月発行)、前出「男の一流品大図鑑」、「世界の一流品大図鑑’79年版」(株式会社講談社昭和54年5月発行)、別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」(株式会社チャネラ一同54年9月発行)、「男の一流品大図鑑’81年版」(同55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(同55年6月発行)、「MEN’SCLUB 1980,12」(婦人画報社同55年12月発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(同56年6月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、「流行ブランド図鑑」(株式会社講談社同60年5月発行)に紹介されている。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Po1o」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決「平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡」がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには、既に、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は前記のとおりの構成よりなるところ、該構成全体をもって特定の意味合いを表わす語として認識し、理解されるものとは認められないものであるばかりでなく、「POLO」及び「STAR」の文字がそれぞれ意味を有する既成語であることから、本願商標はこれら2語よりなる商標とみるのが相当といえる。

そうすると、本願商標は、構成中に「POLO」の文字を有するものと容易に認識、理解されるものであり、また、本願の指定商品は、ファションに関連する商品であって、統一ブランドの下にトータル的にファションをまとめようとする昨今においては、本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、前記した実状からラルフ・ローレンのデザインに係る商品であるかの如く認識し、ラルフローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとして、その出願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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