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Trademark Appeal Case

慣用表現の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第6479号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示すとおり「畑の肉」、「はたけのにく」、「HATAKENONIKU」の各文字を三段に併記してなり、第29類「油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」を指定商品として、平成4年5月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において「本願商標は、植物性タンパク質に優れている大豆を表す語として一般に使用されている『畑の肉』、『はたけのにく』、『HATAKENONIKU』の各文字を3段に書してなるのであるから、これを本願指定商品中『油揚げ、凍り豆腐、豆乳、豆腐、納豆』に使用するときは、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、その構成前記のとおり「畑の肉」、「はたけのにく」、「HATAKENONIKU」の各文字を三段に併記してなるものである。

ところで、「万有百科大事典19植物」(昭和53年10月31日株式会社小学館発行)のダイズ[大豆,・・・]の項には「・・・【調理】日本では古くから畑の肉といわれ、植物性タンパク質としては最高である。脂肪はリノール酸、リノレン酸などの脂肪酸を含み、・・・加工品では豆腐類が最も多く・・・」、そして「食材図典F00D’S F00D」(1995年8月1日同発行)のダイズ[大豆]の項には「・・・アミノ酸の製造、練り製品の添加物、人工肉の製造などに使われる。畑の肉といわれたダイズから本当に肉がつくられるようになったのである。・・・」との記載が認められる。

また、該語について一般の日刊新聞掲載記事の用例をみると、例えば、「見出しを『大豆 中川紀子(正月を彩る 茨城のの食材:9)とする記事に『・・・水戸納豆を支えるのは外国の大豆だ。納豆製造販売大手のタカノフーズ(本社・小川町)では九割以上の大豆を米国などから輸入しているという。大豆は縄文時代に朝鮮半島から入ってきたという作物で、品種が多く色も多彩。タンパク質と脂質に富み、『畑の肉』ともいわれます。・・・」(96.12.18 朝日新聞朝刊 茨城版)、「見出しを『枝豆(くらしの知恵)』とするQ&A記事に『夏の風物の一つである枝豆は、大豆のさや、豆ともに未熟なものを言います。・・・五月から初秋にかけてが旬。畑の肉と言われる大豆同様、良質のタンパク質や脂質、・・・」(94.07.05 朝日新聞朝刊 奈良版)、「見出しを『[食]プロのこつアマの知恵 黒豆料理 手軽で多彩 本場『篠山』もうすぐ旬』とする記事に『・・・黒豆。『畑の肉』といわれる大豆の中でもとりわけ栄養価が高く、近年の健康ブームで人気が高まっている。兵庫県篠山町はその本場・・・・・・」(98.10.27大阪読売新聞朝刊)等の用例をもって大豆の栄養特性(又は成分特性)を解説している事実が認められる。

以上によれば、大豆には食肉と同様にその成分中にタンパク質、脂質を多く含むことは、すでに社会一般の常識であって、これが畑より収穫されるところから、その組成特性又は栄養特性を端的にいい表すものとして、比喩的に「畑の肉」と称していることは社会一般に広く知られるところと認められる。

そうとすれば、本願商標をその指定商品中の大豆を主原料とする「油揚げ、凍り豆腐、豆乳、豆腐、納豆」について使用した場合、これに接する取引者、需要者はその主原料である大豆を比喩的に言い替えて表現したもの、すなわち商品の品質、原材料を表したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないものといわなければならない。また、これを主原料としない食材に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するものというべきであるから、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消す理由はない。

よって、結論のとおり審決する。

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