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Trademark Appeal Case

犬シルエット図形の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90580(T2000−90580/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4364496号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4364496号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示した構成よりなり、平成11年4月16日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年3月3日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由要旨

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 通知した取消理由

本件商標は、別掲に示した構成よりなるところ、登録異議申立人の引用に係る登録第4327531号商標(以下「引用商標」という。)は、平成10年11月25日に登録出願され、別掲に示した構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成11年10月22日に設定登録されたものである。

そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、両商標は別掲に示すとおりであるところ、両者は犬のシルエットの図形よりなるものであって、子細に対比すれば異なるところがあるとしても、その構成態様が共に犬の立位の図形を黒塗りで表してなり、どちらの犬も左向きで静止している状態であり、かつ、尾を挙げている(垂れていない)点等においてその構成の軌を一にするといえるものであるから、時と処を異にして離隔的に観察した場合には、看者に与える印象が同じものとなり、相紛れるおそれのある外観上、類似する商標といわなければならない。

また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見要旨

本件商標は、しっかりと真正面を見据えつつ頭部を前方に少し突き出し、体勢を少し低めにして、前後の足を交互にしっかりと踏み出している犬の姿態を表したものであり、そのような姿態(低めの前傾姿勢)は、歩行中の犬そのものであるということができる。これに対して、引用商標は、多少上向きに顔を上げて胸を張り、そして、前後の足を大体きちんと揃えた犬の姿態を表したものであり、あたかも飼い主に正対して静止した姿態であるということができる。

しかも、その具体的な形態において、本件商標は全体的に毛深く、しかも、胴体(腹回り)が下方に垂れている等、各部分が概して太目であり、前後の足についても短めであるということができるのに対して、引用商標は、一部に太目な箇所はあるものの、頭部がスマートであり、胴体も引き締まっており、前後の足についても比較的長く、しかも、後ろ足については細いということができる。

そして、上記各形態に原因して、本件商標は「太めで毛深く、どちらかといえばおっとりとした犬がのんびりと歩行している姿態」を表現したものであると理解され、全体的に穏やかな視覚印象を看者に与えるものである。

これに対して、引用商標は「比較的スマートで、賢そうな犬が静止し、胸を張って飼い主にきちんと正対している姿態」を表現したものであると理解され、どちらかといえばきりりと締まった精悍な視覚印象を看者に与えるものである。

このように、本件商標と引用商標とは、動的対静的、穏やか対精悍というような相反する視覚印象を看者に与えるものであり、たとえ黒塗りの横向き犬図形である点で抽象的に共通するとしても、看者においては視覚上、明確に識別されるものである。

この主張は、過去においてなされた数多くの登録例からも十分に裏付けられるものである(参考資料2、3)。

5 当審の判断

本件商標と引用商標を比較すると、両商標は、別掲に示すとおり、いずれも左向きの犬のシルエットの図形よりなるものであるところ、子細に観察すれば、本件商標の犬は、引用商標の犬より頭の位置がやや低く、腹回りがやや太目であり、前足がやや開いている等の点において差異を有するとしても、ともに犬の立位の図形を黒塗りで表してなり、どちらの犬も左向きで静止している状態であり、かつ、尾を挙げている(垂れていない)点等においてその構成の軌を一にするものであり、そのような形態の大型犬のシルエットの図形として看者の記憶に強く印象づけられるものである。

そして、時と処を異にして離隔的に接する場合、必ずしも常に図形の細部まで正確に記憶されているとはいえないのが通常であり、両商標における商標権者が主張している構成上の差異は、両商標の構成全体から受ける共通した印象からすれば、微差の範囲にとどまるものというべきである。

加えて、本件商標の指定商品である「被服」等の取引分野においては、登録異議申立人の提出に係る甲号証からも明らかなように、いわゆるワンポイントマ−クとして、商品に縫いつけたり、刺繍するなどして使用されることも多く、その場合においては、比較的小さく表示され、上記した細部における構成上の差異は一層、曖昧なものとなり、印象が希薄なものとなるといわなければならない。

商標権者は、本件商標と引用商標とは、その構成上の差から、犬の姿態が動的対静的、穏やか対精悍という相反する視覚的印象を看者に与えること、また、両商標が明確に識別され得るものであることは、過去の登録例から十分に裏付けられる旨主張して、参考資料2及び3を提出している。

しかしながら、本件商標と引用商標とは、いずれも、どちらかといえば、静的にして、穏やかな印象を看者に与える犬の姿態を表しているといえるものであり、商標権者が主張するような視覚的印象の明瞭な差異は認め難い。 また、商標の類否の判断は、比較すべき商標につき個別具体的に判断されるべき性質のものであるところ、参考資料の商標は、いずれも、本件商標とは商標の構成を異にするものであるから、商標権者が主張するような事例があるというだけでは、本件商標と引用商標との類否の判断は左右されない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、外観において相紛わしい類似の商標といわなければならない。

また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、通知した取消理由は、妥当なものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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