Trademark Appeal Case
著名商標の類否と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成6年審判第9630号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙の(1)に表示したように、「CRISdunhill」の欧文字を横書きしてなり、第24類「布製身の回り品,敷き布,布団カバー,まくらカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,シャワーカーテン」を指定商品として、平成4年5月19日に登録出願され、その指定商品については、平成6年10月18日付の手続補正書により、「織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,シャワーカーテン」に補正されているものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、イギリス国在の『アルフレッド ダンヒル リミテッド』が、商品『紳士パイプ、ライター、服地、腕時計』等に使用して世界的に著名な商標『dunhill』と類似する『dunhill』の文字を有してなるから、これをその指定商品に使用するときは恰も上記会社と何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)「dunhill」等の文字よりなる商標およびその著名性について
▲1▼「dunhill」等の文字よりなる商標について
原査定が引用した「dunhill」の文字からなる商標は、その配列すべてを小文字で表示したものであるところ、「英和商品名辞典」(株式会社研究社1991年発行)、「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(サンケイマーケティング(サンケイ新聞データシステムマーケティング事業部)昭和58年9月28日発行)、「世界の一流品大図鑑’85年版」(株式会社講談社昭和60年5月25日発行)、「’86〜’87ザ・ブランド」(サンケイマーケティング(サンケイ新聞データシステムマーケティング事業本部)昭和61年10月30日発行)、「The一流品 決定版PART2」(読売新聞社昭和62年3月発行)によれば、別紙の(2)に表示した商標、「DUNHILL」、「Dunhill」、「ダンヒル」の各商標が、イギリス国在の「アルフレッド ダンヒル リミテッド」の取り扱いに係る商品の商標として使用されており、これらの各商標は、相互に同一の称呼(「ダンヒル」)が生ずることから、文字の態様や書体・表示方法が異なってはいても、相互互換的に使用される商標とみても差し支えないと判断される。
そこで、以下、別紙の(2)に表示した態様を有する商標、「dunhill」、「DUNHILL」、「Dunhill」、「ダンヒル」の文字よりなる商標を一括して「dunhill商標」という。
▲2▼「dunhill商標」の起源について
前掲の、「英和商品名辞典」、「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、「’86〜’87ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が指摘できる。
「dunhill商標」は、英国の紳士服・紳士用品・喫煙具の会社である「Alfred Dunhill Ltd.」の略・通称であり、そのブランドであること。
その起源は、Alfred Dunhillが、1907年にロンドンに小さなタバコ屋を開いたことに由来すること。
ダンヒルのパイプの手作りの細工と品質の高さは、当時の愛煙家に絶賛を博し、1921年に王室御用達を許されるに至って、ダンヒルの基礎が確立されたこと。
1924年には、ダンヒルライターを世に出し、その成功によってダンヒルの世界的な名声は決定的なものとなったこと。
さらに、1930年、筆記具、革製品、時計、男性化粧品、サングラス、高級ウイスキー、各種高級紳士用品を扱うようになったこと。
▲3▼「dunhill商標」の著名性について
前掲「▲1▼」の各書籍によれば、「dunhill商標」は、イギリス国在の「アルフレッド ダンヒル リミテッド」が、その取り扱いに係る商品、「ネクタイ、ベルト、財布、男性化粧品、紳士パイプ、ライター、服地、腕時計、万年筆」等に使用して、我が国において、本願出願時までには、男性用ファッションに関連する商品の取引者、需要者の間において広く認識され、かつ、著名になっていたものと判断され、その状態は現在もなお継続しているというのが相当である。そして、他にこの判断を覆すに足りる証拠はない。
したがって、「dunhill商標」の著名性に関する原審の認定および判断に誤りはない。
(2)出所の混同について
本願商標は、前記した構成よりなるものであるところ、その構成中に「dunhill商標」と類似する「dunhill」の文字を有してなるものであって、補正後の本願指定商品は、需要者層の違いや、その好みに応じて形状や色彩等を違えて販売することのある、一定のファッション性を有するものであって、また、男性の需要者においても購入することがある商品というべきであり、「dunhill商標」が使用されている商品との関連性は少なからずあるというべきものである。
そして、本願商標が、その指定商品に使用されるときは、これを構成する欧文字が一体的に把握されるべき特別な事情があるものとも認められず、上記で認定・判断したように、「dunhill商標」が著名となっていることから、取引者・需要者は、本願商標構成中の「dunhill」の文字部分に注目することで、それがあたかも、イギリス国在の「アルフレッドダンヒル リミテッド」の取り扱いに係る商品、または、同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の取り扱い係る商品であるかのごとく商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、本願商標の指定商品と「dunhill商標」が使用されている商品は非類似であり、また、本願商標の構成は一体不可分に構成された非類似の商標であるから、「アルフレッド ダンヒル リミテッド」の取扱に係る商品とは出所の混同が生じるおそれはない旨の主張をしている。
しかしながら、出所の混同は、商品間の類否や商標の類否が基準となるのではなく、引用される商標の周知・著名度を基準に総合的に判断されるべきものであるから、この請求人の主張は採用できない。
4 結語
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、この理由をもって本願を拒絶した原査景の内容は妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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