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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−91314(T2000−91314/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4418170号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4418170号商標(以下「本件商標」という。)は、「RED SKINS」及び「レッドスキンズ」の文字を二段に横書きしてなり、第25類「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成11年5月11日に登録出願、同12年9月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由の要点

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標が、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の3の規定により取り消されるべきであると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第8号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第7号について

全米プロフットボールリーグ(National Football League 「NFL」と略称され、親しまれている)は、全米で最も人気のあるスポーツイベントの一つであり、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」の名称はアメリカンプロフットボールチームの名称として、NFLの著名性・人気の高さから、世界的に知られており、かかる名称と同一名称からなる本件商標を申立人の何らの承諾を得ることなく出願し、登録することは、正当な商慣習に反し、かつ、国際信義に反する。

上述のとおり、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」は、世界的に著名な全米プロフットボールチームの名称であり、また、この名称を使用した被服等の商品化ビジネスも活発に行われている。そして、NFLの試合の模様は、わが国においてもテレビ・新聞・雑誌等を通じて広く報道されており、「REDSKINS」「レッドスキンズ」の名称は、そのチーム名として周知・著名というべきである。

このような状況にあって、NFLと何らの関係のない本件商標権者が、本件商標をその指定商品「被服」等に使用する行為は、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」のもつ顧客吸引力を不当に利用する行為であって、正当な商慣習に反し、かつ、国際信義に反する行為でもある。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前述のとおり、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」の文字を二段に横書きしてなるから、「レッドスキンズ」の称呼を生ずるものである。

これに対し、申立人が引用する登録第4326077号商標(以下「引用商標」という。)は、「WASHINGTON REDSKINS」の文字を横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,音楽の演奏,放送番組の制作,アメリカンフットボールの興行の企画・運営又は開催,その他のスポーツ大会の興行の企画・運営又は開催,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配」を指定商品及び指定役務として平成10年9月17日登録出願、平成11年10月15日に設定登録されたものである。

そこで、本件商標と引用商標の類否について検討するに、引用商標の構成文字中、前半の「WASHINGTON」(ワシントン)は、アメリカ西部の州名として実際に知られており、それ自体識別力がないので、引用商標における要部は、後半の「REDSKINS」にあると容易に認識できる。

しかも、引用商標は、NFLのチーム名であり、甲第4号証にも示されるとおり、前半の地名「WASHINGTON」が、しばしば省略され、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」と略称され、親しまれている。このことは、他のサッカーチームや野球チームの名称についても同様であり、経験則に照らし明らかである。

よって、引用商標からは、「ワシントン レッドスキンズ」の称呼とともに、その要部より、「レッドスキンズ」の略称も生じる。

そうとすれば、本件商標と引用商標は「レッドスキンズ」の称呼において類似する商標である。

さらに、引用商標が、本件商標の先願及び先登録商標であることは明らかであり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが抵触することも明らかである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号にも該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

(a)「RED SKINS」及び「レッドスキンズ」の著名性

全米プロフットボールリーグ(「NFL」)は、全米で最も人気のあるスポーツイベントの一つであり、特に、そのリーグを二分するAFC(American Football Conference)とNFC(National Football Conference)の一位同士が対決するスーパーボウルは、10万人の観衆を集め、近年では、170以上の国・地域でテレビ中継され、7億人以上が見るといわれるスーパー試合となっており、わが国においてもアメリカンフットボールの人気は高く、スーパーボウルの模様等を含め全米プロフットボールの試合は、新聞・雑誌・テレビ等を通じて広く報道され、さらに、NFLの試合自体、わが国においても衛星放送等で放映されている(甲第4,5,6及び8号証)

(b)申立人の業務

申立人「ナショナル フットボールリーグ プロパティーズ インコーポレイテッド」は、全米プロフットボールリーグ(NFL)のメンバーチームによって、NFL及び各チームのシンボルマーク及び商標等の商業的利用のために設立された法人である。

甲第2号証は申立人が所有する「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」に関する我が国における登録商標であり、甲第3号証は、その所有する世界の商標の一覧表である。

甲第7号証は、米国におけるNFLの公式なライセンス商品のカタログ等の抜粋である。ヘルメットのレプリカ、ラクビーボール、ジャンパー、帽子、T−シャツ、子供用被服、手袋、バッグ、コップ、ぬいぐるみ、時計、カレンダー、靴下、サスペンダー等々広い範囲にわたって、NFLのチーム名やシンボルマークの使用についての使用許諾が与えられている。

このように、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」をはじめ、各チーム名は、商標としても各ライセンス商品に現実に使用され、親しまれている。

このような商品化ビジネスを通じても、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」の名称は、全米のプロフットボールチームの名称として、わが国においても広く親しまれているというべきである。

(c)出所の混同

以上のとおり、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」は、全米のプロフットボールの著名性とともにその所属チームの名称として広く知られており、商品化ビジネスを通じて、商標としても周知・著名である。

これに対して、本件商標は、これと同一名称からなるものであり、かつ、その指定商品は、第25類「被服、仮装用被服、運動用特殊衣服」を指定するものであり、NFLの著名性及び「REDSKINS」の著名性から、これらの商品に本件商標が使用された場合には、その商品は、容易に、申立人乃至NFLの公式の許諾を受けたライセンス商品と認識されるものであって、申立人乃至それと経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品と誤認・混同が生じるのは明らかというべきである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」のチームの著名性をフリーライドしようとするものであり、「不正の目的」で出願されたものであることは明らかというべきである。

「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」は、世界的に著名な全米プロフットボールリーグのNFLに所属する人気チームであり、かつ、商品化事業を通して、商標としても周知・著名なものとなっている。

このような商標を、いわゆる典型的なライセンス商品である「被服」等について、本来の権利者に無断で登録・出願する行為は、商標法第4条第1項第19号にいう「不正の目的」を有するものであることが客観的に明らかというべきである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号にも該当するものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、「RED SKINS」及び「レッドスキンズ」の文字を二段に横書きしてなるところ、それ自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与える文字又は図形からなるものではなく、しかも、それ自体固有の意味合いを有する語であって、これをその指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものでなく、さらに、他の法律によって、その使用が禁止されているものとも認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものということはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記した構成よりなるから、「レッドスキンズ」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、「WASHINGTON REDSKINS」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、前半の「WASHINGTON」「ワシントン」の文字と後半の「REDSKINS」「レッドスキンズ」の文字とは外観上まとまりよく一体的に構成されており、観念上も特に軽重の差を見出すことのできないものである。

また、これより生ずると認められる「ワシントンレッドスキンズ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものであり、他に構成中の「REDSKINS」及び「レッドスキンズ」の文字部分のみが独立して認識され、称呼されるとみるべき特段の事情は見出せない。

そして、申立人が主張する「WASHINGTON REDSKINS」が、「レッドスキンズ」と略称されるという点については、アメリカンフットボールのチーム名として「レッドスキンズ」と略称される場合があるとしても、それが商標として、すなわち、自他商品の識別標識として、その指定商品の分野においても略称されていたとすべき特段の理由はなく、これを認めるに足る証拠もない。

してみれば、引用商標は、その構成文字に相応し、一連に「ワシントンレッドスキンズ」の称呼を生ずると判断するのが相当である。

そうとすると、本件商標と引用商標は、その音構成、構成音数において顕著な差異を有するから、称呼において類似するものということはできない。

その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき事由は見出せない。

したがって、本件商標は、引用商標と非類似の商標であって、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用商標とは前記したとおり、その外観、称呼及び観念のいずれからみても類似しない商標であり、また、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の商標登録出願時、引用商標が申立人の業務に係る商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を表示する商標として、取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認めることはできない。

そうとすると、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、直ちに引用商標を連想又は想起するものとは認められず、当該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。

(4)商標法第4条第1項第19号について

申立人の提出に係る証拠を検討し、かつ、職権をもって調査したが、本件商標が「不正の目的」をもって出願されたことを客観的に理由付ける証拠は見当たらず、その主張は俄かに認め難い。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものということはできない。

(5)結論

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものではない。

したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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