Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90019(T2001−90019/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4424743号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年12月15日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年10月13日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、下記の(a)ないし(e)に示す登録商標と称呼及び観念において類似する商標であって、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
(a)昭和62年1月30日に登録出願され、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録されている登録第2204200号商標(以下「引用商標1」という。)
(b)平成10年8月10日に登録出願され、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年9月17日に設定登録されている登録第4316456号商標(以下「引用商標2」という。)
(c)平成3年4月10日に登録出願され、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年10月29日に設定登録されている登録第2586520号商標(以下「引用商標3」という。)
(d)昭和45年2月14日に登録出願され、「イング」の文字を横書きしてなり、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同47年4月17日に設定登録されている登録第958376号商標(以下「引用商標4」という。)
(e)平成11年5月24日に登録出願され、「ILC」の文字を標準文字とし、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月2日に設定登録されている登録第4389206号商標(以下「引用商標5」という。)
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
「INC/アイ・エヌ・シー」の商標は、申立人の業務に係る商品「被服」の商標として、少なくとも関西地区においては広く認識されていたものであるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して「アイエヌシー」の称呼をも生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、別掲あるいは上記に示すとおりの構成よりなるところ、引用商標1は、仔細にみれば、その中央部分の円形内に「INC」状の英文字が配置されているとはいえるが、該部分は、内部を4等分して市松模様のように白黒に色分けされており、「INC」状の英文字部分も背後の色と白黒反転となるように塗り分けられ、円形図形の内部は渾然一体として一つの模様を形成しているが如くに看取され、英文字状部分と他の図形部分の判別は困難なものとなっている。そして、この円形図形の上部には王冠様の黒塗りの図形が配されており、下部にはリボン形の図形を、左右には天馬様の図形が対称に配されているものである。
そうとすれば、引用商標1は、全体として不可分一体の一つの紋章風図形というべきであり、英文字状部分のみが独立して認識されることはないものとみるのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標1とは、称呼において比較することはできない。
また、引用商標2は「インクス」の称呼を、引用商標3及び4は「イング」の称呼を、そして、引用商標5は「アイエルシー」の称呼を生ずるものと認められる。
してみれば、本件商標と引用商標2ないし5とは、相違する各音の音質の差、音構成の差等により、称呼上十分区別し得るものである。
その他、本件商標と引用各商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
本件商標と引用各商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標であるばかりでなく、申立人の提出に係る甲号各証を検討したが、申立人が使用しているのは、多くの場合、「アイエヌシーカンパニー(INCカンパニー)」の構成からなる商標であり、引用各商標あるいは「アイ・エヌ・シー(INC)」の構成からなる商標が申立人の業務に係る商品「被服」を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに十分なものとはいえない。
したがって、商標権者が、本件商標を指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標あるいは申立人の使用に係る「アイ・エヌ・シー(INC)」の構成からなる商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえない。
(3)以上のとおり、本件商標は、上記いずれの法条の規定にも該当するものとはいえないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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