sokuhyo

Trademark Appeal Case

外来語結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第21763号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第9類「測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械 器具,レコード,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,録画済ビデオディスク及びビデオテープ,写真複写機,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成4年7月13日に登録出願、その後平成7年5月18日付 手続補正書により、指定商品を「測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,写真複写機,家庭用テレビゲームおもちゃ」と補正されたものである。

第2 当審の拒絶理由

当審において、請求人に対し、新たに平成10年6月11日付けで、『本願商標は、「フォトMD」の文字よりなるも のである。ところで、本願商標の指定商品中、電気通信機械 器具、写真機械器具等を取り扱う業界においては、「MD」の語は、「ミニディスクと称される光磁気記録方式のデジタルディスクメディア」、また、「フォト(photo)」の語は、「写真等の映像、画像」を意味するものとして理解され、映像、画像をデジタル信号化してCD(コンパクトディスク) 或いはFD(フロッピーディスク)等に収録するサービスを「フォトCD」「フォト・ジョイ」と称し、取引上普通に使 用している事実がある。してみれば、本願商標をその指定商 品中の「写真フィルムの像、画像をデジタル信号化して収録した媒体(MD)、当該媒体を搭載したコンピュータシステム」等について使用した場合、これに接する需要者は、前記事情よりして、該商品の品質、機能を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわざるを得ない。また、前記商品以外の「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号の規定に該当し、前記商品以 外の商品に使用するときは、商品の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号の規定に該当する。』旨の拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

第3 請求人の意見

上記拒絶の理由に対して、請求人は以下の意見を述べている。

1「MD」の語が「ミニディスクと称される光磁気記録方式の デジタルディスクメディア」を意味するものとして理解されるものであることは、認める。

2本願商標は、全体として格別長い構成を持たず、同書体で一連に書かれていることから、「MD」部分を分離して「ミニディスクと称される光磁気記録方式のデジタルディスクメディア」が認識されるとする特段の理由もなく、一体不可分の格別の意味合いを有しない造語として、認識する商標である。

3本願商標が、「フォト」と「MD」に分離して認識されるとしても、「フォト」は「写真そのものを意味するにすぎず、その映像、画像までをも意味するとするのは一般的ではない。本願商標からは、単に「ミニディスクあるいは写真に関連するものといった程度の意味合いしか連想されるにすぎず、何 ら具体的な商品の品質、機能が認識されることはない。

4「フォトCD」及び「フォト・ジョイ」は各社の商標であり、 商品商標として既に登録となっていることに鑑みれば、両商標の使用されている事実をもって、本願商標が商品の品質、機能を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないとするのは相当でない。

第4 当審の判断

本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなるところ、その構成中の「フォト」の文字は「写真」等、また、「M D」の文字は「光磁気記録方式のデジタルディスクメディア(imidas’98 1998年1月1日(株)集英社発行1191頁ミニディスク(MD)の項参照)」をそれぞれ意味する外来語として、いずれもよく知られているところである。

そうすると、本願商標は、容易に前記した外来語を組み合わせてなるものと理解、認識されるものである。

しかして、「フォト」の文字が他の語を伴う場合について、当審において調査したところ、「フォトCD(写真フィルムの象を独自の圧縮方式でデジタル信号化してCDに収録する方式(imidas`98 株式会社集英社発行)、個人がモニターで写真をみたり、映像制作ツールとして用いるCD(コンパクトディスク)を用いた電子写真アルバム。90年イーストマン・コダックとフイリップの両社が開発した。(電子ブック版データパル 小学館発行))」、「フォトレタッチ(スキャナーでコンピューターに取り込んだ写真画像を編集、加工すること)」、「フォトプリント(写真を合成転写したプリント)」、「フォトモンタージュ(異なった複数のネガや印画を組み合わせ、一つの作品を作る合成写真のこと)」(imidas`98 1998年1月1日(株)集英社発行)「フォトテレグラフィー(写真伝送、写真伝送術)」、「フォトアニメ(写真を使った動画)」(日本語になった外国語辞典第2版1988年4月10日(株)集英社発行)等、写真はもとより、画像、映像をも表す語として使用されている事実が認められる。

また、最近の文字、音声、写真(映像、画像)等を記憶する媒体として、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、MO(光磁気ディスク)、FD(フロッピーディスク)、HD(ハ一ドディスク)等があり、これらを利用した種々の記録方法(手法)があることも、よく知られているところである。

そうすると、本願商標は、別紙に表示するとおり、「フォトMD」の文字を書してなるものであり、その構成よりみて「フォト」と「MD」の二語よりなるものと容易に看取され、

各語が前記した意味の外来語であって、かつ、その語義が我が国において親しまれた語であり、しかも、「フォト」の語が上記のとおり用いられている事実をも考慮すると、全体として「写真(映像、画像)を記録するMD(ミニディスク)、MD(ミニディスク)に記録された写真(映像、画像)」の意味合いを容易に認識させるものである。

加えるに、本願商標「フォトMD」について、日経産業新聞(1996年1月14日10頁 日経新聞社発行)によれば、「コニカ、フォトMD拡充、CSKなどとソフト開発。コニカはミニディスク(MD)を使ったデジタル写真システム事業を拡充する。・・・促進策として、CSKなどと共同でソフト開発を進め、・・」、日経産業新聞(1995年6月21日9頁 日経新聞社発行)によれば、「コニカ・ソニー、フォトMD、規格参加を呼びかけ・・・フォトCDに対抗。コニカはミニディスク(MD)を使ったカラー写真画像システム(フォトMD)の普及を促進するためソニーとの協力を強める。」旨の記事が報じられていることが認められ、請求人が使用している事実も窺えるが、他社においても使用している事実を否定することはできないものである。

上記事実に徴すると、本願商標「フォトMDは、その指定商品中「写真(画像、映像)を記憶するMDに対応できるデジタルカメラ、コンピューター」等に使用する場合には、該商品が「写真(画像、映像)を記録することのできるMD付の機能をもつもの」であることを認識させるにすぎないものであって、商品の品質、機能等を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。そして、前記商品以外の電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものである。

請求人は、「フォト」は写真そのものを意味しその映像、画像までも意味するのは一般的でないこと、「フォトCD」「フォト・ジョイ」は登録商標である旨主張する。しかしながら、「フォト」の語は、前記したとおり、使用されている事実があること、また、前記した記録媒体を使用し、通常の写真、デジタル写真を画像編集してテレビ、コンピューターに取り込み、プリンタを利用し印画紙プリントに出力することもよく知られているものであるから、取引者、需要者は「フォト」の文字を写真はもとより画像(映像)をも含めた語として理解し、認識されているものとみるのが相当である。

また、「フォト・ジョイ」「フォトCD」は、本願商標と商標の構成態様が異なるものであり、自他商品の識別力があるものとして登録されているものであるから、上記商標が登録されていることをもって、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められず、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした、上記の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願は、この拒絶理由によって拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。