Trademark Appeal Case
欧文字造語の称呼・外観類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90311(T2001−90311/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4448527号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年3月25日に登録出願、「ABGENE」の欧文字(標準文字)よりなり、第1類、第9類及び第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年1月26日に設定登録がされたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の述べる本件登録異議の申立ての理由は要旨以下のとおりである。
(1)本件商標は、申立人の引用に係る商標、すなわち、1996年6月13日米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成8年10月3日に登録出願、「ABGENIX」の欧文字を横書きしてなり、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月16日に設定登録された登録第4263672号商標、同じく、1996年6月13日米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成8年10月3日に登録出願、「ABGENIX」の欧文字を横書きしてなり、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月23日に設定登録された登録第4266625号商標、同じく、平成8年10月3日に登録出願、「ABGENIX」の欧文字を横書きしてなり、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年10月8日に設定登録された登録第4323035号商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)と類似する。
(2)本件商標は、申立人の業務に係る商品及び役務と出所の混同を生ずるおそれがある。
(3)本件商標は、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
(4)本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして外国における需要者間に広く認識されている商標と類似であって、不正の目的をもって使用するものであり、かつ、公序良俗に反する商標に該当する。
(5)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第16号、同第19号及び同第7号に違反してされたものであり、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)前記のとおり、本件商標は「ABGENE」の文字、引用商標は「ABGENIX」の文字よりなるものであるところ、これらを外観上からみると、両商標は、第5文字までの「ABGEN」の文字を同じくするものの、後半部において「E」と「IX」の文字の差異を有するものであり、これらの文字の字形には共通性は見出せないものであるから、時と処を異にして離隔的に考察したとしても彼此見誤るおそれはなく、したがって、両者は外観において紛れることのない非類似の商標と認められる。また、両商標は、共に格別の意味を有しない造語商標であって観念の異同を論ずる余地はないから、この点において両者を類似のものとすることはできない。
さらに、両商標を称呼の点から比較すると、両商標はその構成それぞれ上記のとおりであるところ、かかる外国文字に接する場合、わが国において最も普及し馴染まれている英語の発音方法をもってこれを読みその称呼をもって取引に当たるとみるのが自然である。
そこで、英語の発音方法により称呼した場合、本件商標は「アブジーン」、引用商標は「アブジェニックス」と無理なく自然に発音できるものというべきであるから、両商標はそれぞれ上記称呼のみを生じるものと判断するのが相当である。
そして、これら両称呼を比較するに、両者はその構成音数、音の配列において著しい差異を有するものであるから、称呼において彼此聞き誤るおそれはなく、したがって、称呼上類似のものということはできない。
したがって、本件商標と引用商標とは外観、観念及び称呼のいずれよりしても互いに判然と区別し得る非類似の商標というべきであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(2)申立人は、オーストラリア、メキシコ、シンガポールなど7か国に「ABGENIX」に関する登録商標を有し(甲第5号証ないし同第17号証)、また、インターネット上において「ABGENIX」の文字をキーワードとして検索すると、日本語、英語等のウェブサイトに掲載されている「ABGENIX」が多数検索されるから(甲第19号証ないし同第40号証、甲第42号証ないし同第60号証)、「ABGENIX」、「アブジェニックス」は申立人の略称及び商標として周知著名であると述べている。
しかしながら、世界7か国で「ABGENIX」商標の登録を得ている事実をもって直ちに該商標の著名性が客観的に証明されるものでなく、また、インターネットのウェブサイトは、個々のウェブサイトの運営者が自由に運営できるものであり、当該ページに掲載されている語の多寡が必ずしも略称或いは商標の著名性に直結するものでないことも明らかである。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、「ABGENIX」、(アブジェニックス)が、わが国において申立人の名称の略称又は申立人の商標として著名であり、或いは「ABGENIX」商標が外国において著名であることを立証するには不充分であって、これに基づく申立人の主張は採用することができない。
しかも、前記のとおり、本件商標は、引用商標と類似しない商標であり、両商標間に誤認混同を生ずる事由の見出し得ない別異の商標といわざるを得ないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者が本件商標から直ちに引用商標を連想、想起するものとはいい難く、したがって、本件商標をその指定商品に使用したとしても、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
(3)本件商標と引用商標とは何ら紛れ得るものでなく、また、その出所の混同を生ずるおそれのない別異の商標であること前記のとおりであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものではなく、また、商標自体からみて、これが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標ということもできない。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号又は同第7号に該当するものとはいえない。
そして、本件商標は造語よりなるものであって、特定の商品の品質特性を表示するものでないから、いずれの商品に使用したとしても、その品質について誤認を生ずるおそれはないというべきである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものとはいえない。
(4)以上のとおり、本件商標の登録は、前記各法条のいずれの規定にも違反してされたものということはできない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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