Trademark Appeal Case
ひたしと日立の称呼非類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90331(T2001−90331/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4449460号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年6月21日に登録出願、商標の構成を「ひたし」の平仮名文字(標準文字)とし、指定商品を第30類「菓子及びパン」として、平成13年1月26日に設定の登録がされたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、下記(1)ないし(3)に示す各登録商標を引用し、本件商標は、引用各商標と商標において類似し、その指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。また、申立人会社は、明治43年創業以来、電動機、変圧器、発電機などをはじめとして多くの分野の商品開発の先駆者として、その営業範囲を拡大、発展、現在においては、電力・電機、産業機器、自動車機器、計測器、昇降機、半導体、コンピュータ、家電、情報・通信、デジタルメディアディスプレイ等広範な商品分野のみならず、サービス分野にも旺盛な事業展開をしていること、また数多くのグループ会社を擁し(国内外合わせて千数十社に及ぶ)、それらを通じてさらに広範な事業活動をしていることは周知の事実であり、かつ、「HITACHI」及び「日立」の文字よりなる商標は、本件に係る第30類を含む各類に防護標章として登録されているように(甲第5号証及び甲第6号証)、著名性を獲得していることは明らかである。そして、本件商標は、これら著名商標と類似するものである。したがって、本件商標をその指定商品について使用するときには、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。よって、その登録は取り消されるべきであるとする旨、申立ての理由を述べている。
<引用各商標>
(1)引用登録第799471号商標は、昭和37年7月30日に登録出願、商標の構成を縦書きの「日立」の漢字とし、指定商品を第30類「菓子、パン」として、昭和43年12月6日に設定の登録がされ、該商標権は、昭和54年4月5日、同63年11月16日及び平成10年9月8日の3回に亘って存続期間の更新登録がされているものである。
(2)引用登録第2158752号商標は、昭和62年4月10日に登録出願、商標の構成を「ヒタチ」の片仮名文字とし、指定商品を第30類「菓子、パン」として、平成1年7月31日に設定の登録がされ、該商標権は、平成11年4月6日に存続期間の更新登録がされているものである。
(3)引用登録第2365794号商標は、平成1年1月11日に登録出願、商標の構成を「HITACHI」の欧文字とし、指定商品を第30類「菓子、パン」として、平成3年12月25日に設定の登録がされているものである。
3 当審の判断
本件商標は、「ひたし」の文字よりなるところ、該文字からは、和料理においていう「浸し物」、「おひたし」等の意味合いを認識する場合はあっても、それ以外の他の特定の事物・事柄等を直ちに想起させるというべき特段の事情はなく、また、その証拠も見出せないから、専ら該文字より生ずる「ヒタシ」の称呼及び前記意味合いの印象・認識をもって取引に資されるものとみるのが相当である。
これに対して、引用各商標は、それぞれ「日立」、「ヒタチ」、「HITACHI」の各文字よりなるところ、これら商標が申立人会社に係る各種商品を表示するものとして、また、その業務全体を表彰するいわば代表的出所標識ともいうべき著名性を具えたものとして需要者一般の印象・認識に定着しているものとすれば、それ故にこれら引用各商標はそれ自体の構成上の特徴並びに全体から受ける記憶・印象も鮮明かつ固定化される傾向も強いといえるから、結局、引用各商標は、その外観構成並びに前記固定観念と一体となって「ヒタチ」の称呼の下に取引に資される固有の商標とみるのが相当である。
そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、両者は、その称呼において明瞭に相違し、かつ、それぞれの外観・観念を含めた全体から受ける印象・認識を著しく異にすること前記のとおりであって、その出所について混同を生ずる程度の近似性は全く見出せないから、結局、両者はその外観、称呼及び観念のいずれよりしても互いに判然と区別し得る非類似の商標といわなければならない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。
また、本件商標は、引用各商標とは別異のものであること前記のとおりであって、そのほか、両者間にその出所について混同を来すとすべき事由は見出せないから、如何に引用各商標が本件商標登録出願時に需要者の間に広く認識せられた商標であるとしても、本件商標より直ちに申立人に係る引用各商標を連想・想起することはなく、したがって、本件商標をその指定商品について使用したとしても、これに接する取引者、需要者が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずる虞はないというべきである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。
以上のとおり、本件商標は、前記いずれの法条の規定にも違反して登録がされたものとはいえないから、その登録は、同法第43条の3第2項により、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり決定する。
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