結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31678号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
(1)被請求人は、本件商標の使用の事実を立証すべく、乙第1号証として、本件商標の登録原簿の写しを提出し、乙第2号証の1として、商品「足ふきマット」(以下、「マット」という。)の写真を示し、乙第2号証の2として、それに使用されている商標の下札を拡大した写真及び同号証の3として裏面織ネームの縫着部同じく4としてその拡大した写真を提出する。
これにより、商品「マット」に本件商標が使用されている事実を立証することができる。更に、乙第3号証として、商標の下札を、又、乙第4号証として織ネーム等の現物を提出する。
尚、乙第3号証、同乙第4号証等の印刷業者への発注依頼証明書等は、現在依頼中の為、後日提出の予定である。
(2)被請求人は、本件商標の使用の事実を立証すべく、乙第5号証の1乃至乙第5号証の9として、商品マット及び「花瓶」等の写真を提供する。
本件商標の使用者である株式会社フォークランドは、当該権利者から通常使用権を受託した者であり、乙第5号証の1は、株式会社フォークランドの小売店舗の入口の写真であり、乙第5号証の2は同店舗内の日用品雑貨売場コーナーの全景であり、乙第5号証の3は商品「マット」の販売場所風景であり、乙第5号証の4は同上商品の拡大写真であり、乙第5号証の5は商品「花瓶」コーナーの陳列棚であり、乙第5号証の6乃至乙第5号証の9は同上花瓶の拡大写真である。
更に、乙第6号証は、本件商標の通常使用権者である株式会社フォークランドの会社目的を示す証明書であり、この中には「日用品雑貨」が含まれている。
(3)被請求人は、補強証拠として、乙第3号証及び乙第4号証に示す織りネームの製作会社の製作証明書並びに本件商標の通常使用権者「株式会社ジェイ・アンド・アール」が経営するゴルフ場「ロペ倶楽部」で販売された商品「花瓶」に請求の3年以内に使用し、販売した証拠として領収書写し等を乙第7号証ないし乙第10号証(枝番号を含む)を提出する。
(4)以上に述べたとおり、被請求人は、本件商標と同一性を有する商標「Beverlyhills」がその指定商品中の「マット」及び「花瓶」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことを主張・立証し得たものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定によって取り消されるべきではない。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る商品について当該商標を所定の期間内(審判請求の予告登録日前3年以内)に使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消を免れない。そこで、被請求人提出の乙各号証について、以下、検討する。
(1)乙第2号証1ないし同4は、被請求人「株式会社ジュン」の従業員の撮影に係るいわゆる足ふきマット及びこれに付されている当該下げ札及び織りネームの写真(拡大写真を含む)4葉であり、また、乙第3号証及び乙第4号証はそれら商品に付して用いる下げ札及び織りネームの現物見本とみられるところ、これに本件商標と社会通念上同一といえる商標を表示したものであることが認められる。
しかしながら、これら乙号証からは、当該商品とその使用に係る商標のみが把握できるだけで、誰が、どの時期に、何処で陳列し販売したものか(陳列の時期は、当該写真の撮影日である平成12年3月であって、前記所定の期間内における陳列の事実を示すものではない。)、また、その取引状況及び広告・宣伝の状況等は具体的にどうであったのか等の事情も全く不明というほかはなく、さらに、乙第3号証及び乙第4号証に関しその後提出された乙第7号証の1及び同2については、本件商標の使用を証明し得るものでないこと後述(3)に示すとおりであるから、それら書証をもって本件商標の所定の期間内における使用を明らかにするものとはいい難く、したがって、本件商標の所定期間内における指定商品についての使用は客観的に証明されない。
(2)乙第5号証の1ないし同9は、被請求人会社従業員の撮影に係る本件商標の通常使用権者とする「株式会社フォークランド」の店内写真とみられるところ、これらはいわゆる足ふきマット及び花瓶並びにこれに付されている当該下げ札ないしはラベルまたは織りネームの写真(拡大写真を含む)9葉であって、それら下げ札ないしはラベルまたは織りネームは前記(1)と同様に乙第3号証及び乙第4号証に示されるもので、これに本件商標と社会通念上同一といえる商標を表示したものであることが認められる。
しかしながら、これら乙号証からは、当該足ふきマット及び花瓶が被請求人主張の使用者及び陳列場所(本件商標の通常使用権者とされる「株式会社フォークランド」の店舗内)に当該写真の撮影日である平成12年4月に陳列されていたことを示すに止まるものであって、前記所定の期間内における陳列の事実を示すものではなく、また、同期間における取引状況及び広告・宣伝の状況等は具体的にどうであったのか等の事情も全く不明というほかはないから、それら書証をもって本件商標の所定の期間内における使用を明らかにするものとはいい難く、したがって、所定の期間内における本件商標の指定商品についての使用は客観的に証明されない。
(3)乙第7号証の1及び同2は、被請求人会社従業員により撮影された東京都渋谷区在の株式会社エポック(以下、「エポック社」という。)に係る株式会社フォークランド宛て「織りネーム及び下げ札制作証明書」及び「織りネーム制作証明書」とする証明書であって、それら文面によれば、本件商標を表示した織りネーム又は下げ札の現物見本(乙第3号証及び乙第4号証)が添付されていて、これらをエポック社が平成9年3月及び平成9年7月に制作依頼を受け制作した旨証明するというものである。
しかしながら、これら織りネーム又は下げ札の体裁をみる限り、いずれも一般に衣料品類に付され又は縫い着けて用いられるものとみられるところ(乙第5号証の3及び同4参照)、それらが具体的に何の目的でどの商品について使用されたものか、また、その使用状態は具体的にどのいうものであったのか、さらに、その商品の取引が具体的に何時行われたものか等の事情は全く不明というほかはなく、したがって、本証拠によっては、所定期間における本件商標の使用は客観的に立証されない。
(4)乙第8号証の1ないし同5は、被請求人会社従業員により撮影された本件商標の通常使用権者とする「株式会社ジェイ・アンド・アール」所有のゴルフ場内小売店内の写真とされているもので、同陳列品中の一つである花瓶側面に本件商標を表示したラベルが貼付されていることが認められる。
しかしながら、これら写真は被請求人主張の陳列場所(本件商標の通常使用権者「株式会社ジェイ・アンド・アール」経営のゴルフ場内小売店)にその撮影日である平成12年4月に当該花瓶が陳列されていたことを示すに止まり、本件審判の請求前3年以内における当該花瓶の取引状況及び広告・宣伝の状況等は全く不明というほかはないから、それら書証をもって本件商標の所定の期間内における本件商標の指定商品についての使用は客観的に証明されない。
また、これら写真によっては当該陳列に係る店舗の全容は不明であり、かつ、当該ゴルフ場施設との関係も十分に明らかでなく、さらに、乙第9号証の2に示される当該ゴルフ場(ロペ倶楽部)「パンフレット」によっても同ゴルフ場施設と写真提示の小売店又はその陳列状況等の具体的関係が明瞭でないから、同写真に示される事物と当該ゴルフ場(ロペ倶楽部)との関係が依然はっきりしない。そして、当該花瓶に貼付されたラベルについても、前出乙第3号証に示される下げ札、すなわち、本来、衣料品類に吊り下げて付着すべくひも付きで製された下げ札を敢えてその体裁を変えて当該花瓶に直接貼付するなど不自然な点があり、さらに、一般に、ゴルフ場関連施設において、そのオリジナルグッズ(前出「ゴルフ場パンフレット」参照)として取り扱われるもの以外にこの種商品を普通に取り扱い・販売するものかどうかの点も俄に認め難く(少なくとも、当該商品の仕入れ伝票・取引先等を具体的に示す書証が必要となる。)、その販売状況を客観的に認め得る証拠はないから、結局、それら陳列写真のみによっては、本件商標の指定商品についての使用は客観的に証明されない。
(5)乙第10号証は、前出ゴルフ場(ロペ倶楽部)が平成9年11月18日に「さんご会」なる名称の第三者に対し「ビバリーヒルズ花瓶一点」なる品目のものを6.300円で販売したとする領収証と認められる。
しかしながら、その取引先である「さんご会」とは具体的に誰を指しているのか、その取引先及びその取引状況が必ずしも明瞭でなく、また、手書き文字により記入された「ビバリーヒルズ花瓶一点」とした商品が具体的にどの商品を指していうのか全く不明であって(当該「ビバリーヒルズ」の文字も本件商標とは相違する。)、特定し得ないから、この一片の領収証のみをもってしては、本件審判請求の所定期間内における本件商標の指定商品についての使用は客観的に証明されない。
すなわち、仮に、領収証記載の品目のものが前出乙第8号証の1ないし同5に示される花瓶を指すというのであれば、少なくともその前提となる当該ゴルフ場施設における花瓶の陳列状況及びこれに関連する取引状況が客観的に明らかであることを要すというべきところ、前記(4)に認定したとおり、被請求人主張の販売状況を認めるに足りる証拠はなく、また、ラベルによる本件商標の使用も不自然であって信用性に欠けるものといわざるを得ないから、それら不確実・不透明な状況のまま提出された一片の領収証は、形式的つじつま合わせの如き疑念を払拭し得ないから、本領収証をもって本件商標の所定期間内における使用を客観的に明らかにし得るものとは到底認め難く、これに基づく被請求人の主張は妥当性を欠くものであって、採用の限りでない。
このほか、被請求人の主張を認めるに足りる証拠はなく、前記認定を覆すに足りない。
(6)結語
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の予告登録日前3年以内に本件商標をその指定商品について使用したことを証明し得なかったものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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