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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「要部認定と商標類似性」の商標審決・判断理由(審判番号:平成7年審判第19537号|請求不成立)

審判番号
平成7年審判第19537号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「オールマイティ ルーフ」
争点(論点)
要部認定と商標類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成7年審判第19537号・不服)は、本件商標と引用商標「オールマイティ ルーフ」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「要部認定と商標類似性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「内吊オールマイティ」の文字を横書きしてなり、第7類「雨樋用吊り金具」を指定商品として平成3年6月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由に引用する商標

原査定が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標登録第2705717号に係る商標(以下、「引用商標」という。)は、「オールマイティ ルーフ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成2年11月5日登録出願、第7類[ソーラシステム内蔵金属製屋根材、その他の金属製屋根材、ソーラシステム内蔵陶磁製屋根材、その他の陶磁製屋根材、ソーラシステム内蔵セメント製屋根材、その他のセメント製屋根材、ソーラシステム内蔵合成樹脂製屋根材、その他の合成樹脂製屋根材」(以下、「屋根材」という。)を指定商品として平成7年3月31日に登録されたものである。

3 請求人の主張

(1)請求の趣旨

「原査定を取り消す。この出願は登録すべきものとする」旨の審決

(2)請求の理由

本願商標と引用商標とを比較すると、両者は「オールマイティ」の7文字を共通にするが、漢字まじりの本願商標に対し、全体カタカナの引用商標とは外観上区別できる。

称呼上比較すると、「オールマイティ」の部分は英語で「almighty」の語が「全能、何にでも使える」の意味で広く用いられていることから、識別力に乏しく、引用商標は、「ルーフ」の部分と連続することにより自他識別力をもち、構成全体をもって一体不可分のものである。してみると、引用商標は、通常の取引においてはその構成全体より「オールマイティルーフ」の称呼のみ生ずる。

他方、本願商標も「内吊」の部分がなくては識別力に欠けるから、連続して「ウチヅリオールマイティ」の称呼のみ生ずる。

そうすると、両者は称呼上も相違し、通常の取引において混同を生ずるおそれはない。

観念上比較すると、本願商標の「内吊」の部分は「内側から吊る」の意味を有するが、引用商標の「ルーフ」は「屋根」の観念を生ずるので、共通の観念を生ずることはない。また、「オールマイティ」の部分は識別力に乏しく一定の商品を想起させるものでないから、取引上混同を生ずるおそれはない。

以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は理由がなく、本願商標は登録されるべきものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、上記のとおりの文字構成よりなるところ、その構成中「内吊」の文字部分は、請求人主張のとおり「内側から吊る」を意味する語であり、その指定商品「雨樋用吊り金具」に使用する場合には、「雨樋を内側から吊す形状の金具」の意を容易に想起するものであり、また、「オールマイティ」の文字部分は、英語の「almighty」より来た外来語であって、「万能の、全知全能の、」を意味する語であると認められる。

そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、「内吊」の部分については、商品の品質を表示したものと認識させ、本願商標の自他商品の識別機能を有する部分は「オールマイティ」の文字部分と認め、該部分に着目して、「オールマイティ」の称呼、「万能の、全知全能の、」の観念をもって取引に当たることも少なくないものとみるのが相当である。

(2)他方、引用商標は、「オールマイティ ルーフ」の文字構成よりなるところ、その構成中「オールマイティ」の文字部分は、上記(1)で述べたとおりの観念が生ずるものであり、また「ルーフ」の文字部分は、英語の「roof」を片仮名書きしたものと認められ、我が国においても「屋根」を意味する語として親しまれているものである。そして、本願の指定商品が「屋根材」であることから、引用商標に接する屋根材を取り扱う取引者、需要者においては「ルーフ」の文字部分について商品の用途を表示したものとの感を懐かせるものと認められ、自他商品の識別機能がないか又は弱いものというべきである。

そうすると、引用商標は、「オールマイティルーフ」の称呼が生ずるほか、「オールマイティ」の称呼及び「万能の、全知全能の、」の観念も生ずるものといわなければならない。

(3)しかして、本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、「オールマイティ」の称呼及び「万能の、全知全能の、」の観念を共通にし、しかも、両商標における要部である「オールマイティ」の文字部分は片仮名書きされているものであるから、両者を時と処を異にして離隔観察する場合には、取引者、需要者をして外観上も近似した印象、連想を生じさせるものである。

(4)請求人は、「オールマイティ」の文字部分は、「全能、何にでも使える」の意味で広く用いられていることから、識別力に乏しく、引用商標は「オールマイティルーフ」の称呼のみ生ずる旨主張する。

しかしながら、請求人の主張どおり「オールマイティ」の文字部分が識別力がないとし、「内吊」が「内側から吊る」の意味を有すると請求人も述べていることからすると、「内吊オールマイティ」の文字よりなる本願商標についても結局識別力がないということに帰し、本願商標の登録を求める請求人の主張としては、矛盾した主張となるから、その主張は失当である。そして、「オールマイティ」の文字部分については、「万能の、」を意味する語であることから、暗示的表示ではあるが、商品との関係からみて直接的、具体的に商品の品質を表示したものということはできず、調査するも、識別力がないとする事実は発見することができない。したがって、請求人の主張は採用することができない。

(5)以上のとおり、本願商標と引用商標とは、観念及び称呼を共通にし、外観において近似した印象、連想を与えるものであって、全体として相紛れるおそれのある類似する商標であり、かつ、その指定商品「雨樋用吊り金具」と「屋根材」とは、いずれも建築用材であり、取引者、需要者を共通にする類似する商品である。

したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願について拒絶をした原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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