Trademark Appeal Case
標語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−6808(T2001−6808/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Health for All People」の英文字を横書きしてなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成12年2月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『Health for All People』の文字を書してなるものであるところ、これらは全体として『全ての人々のために健康を(提供します)』といった意味合いを英文で簡潔に表現した宣伝文句の一つと把握されるにとどまるものであって、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認めます。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当します。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
企業は、その取扱商品や企業イメージに関して、消費者や需要者に親しみや好感、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心掛けているといえるところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ)などを採択し、それを通して商品の広告・宣伝や企業イメージの向上に努めているのが実情である。
そして、これらの中には、端的な宣伝語句であるもののほか、商品や企業のイメージを向上させることを目的とする観念的・抽象的表現の標語も採択されているところであり、その場合、これらが、需要者により、自他商品の識別標識(商標)として認識・理解されるものと、単なる標語(キャッチフレーズ)の一種として認識されるにとどまるものがあるというのも実情である。
そこで、本願商標をみるに、その構成は前記のとおり「Health for All People」の英文字よりなるところ、各語が良く知られた英単語であって、我が国における近時の英語教育の普及程度からすれば、これに接する取引者、需要者は、さほどの困難を伴うことなく、全体として「全ての人々のために健康を」、「全ての人々にとっての健康」というほどの抽象的意味合いを感得・把握するとみて差し支えなく、以て本願指定商品に係る業務を含む請求人(出願人)業務の内容と関連づけて認識・理解するとみるのが相当である。
そして、前記の意味合いを看取した取引者・需要者は、企業における標語(キャッチフレーズ)の採択の実情と、近時の健康ブームが食品と密接に関連している社会的実情よりすれば、食品に関する指定商品を取り扱っている請求人の業務に関し、全ての人々にという願望を込め、健康を増進させるための食品を提供するという企業理念を端的に表現した標語(キャッチフレーズ)の一種と認識し理解するとみるのが社会通念上相当である。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、消費者向けに企業のイメージを訴えるためのキャッチフレーズ(キャッチコピー)の一類型と理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。
請求人は、審査例及び審決例を引用して、本願商標を登録すべきであると主張するが、請求人が援用する登録例及び審決例は、商標の具体的構成において、本願商標と事案を異にするものであり、本願商標の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、それら事例をもって、前記認定が左右されるものではないから、請求人の主張は採用の限りでない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定の認定・判断は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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