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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠評価

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31397(T2000−31397/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第2188336号商標(以下、「本件商標」という。)は、「マンテン」の片仮名文字を横書きにしてなり、昭和62年10月1日に登録出願され、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成1年11月28日に設定登録されたものである。そして、当該商標権は、存続期間の更新登録を経て、現に有効に存続するものである。

2.請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『肉製品、加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)』について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

(1)請求人の調査したところでは、本件商標は過去3年以上にわたり取消を求めた商品には全く使用されていないことが判明した。よって、本件登録は商標法第50条の規定により取消を免れないものである。

(2)答弁に対する弁駁

(イ)「加工いか」が「加工水産物」と同じ類似群に属することの資料として乙第1号証を提出しているが、同号証は「剣先するめ」が32F01の類似群に属することの証明にはなっても、他の証拠には被請求人の商品が「剣先するめ」であるとの記載は見当たらないから、これが加工水産物に属する証明とはならない。

(ロ)提出に係るシールや包装材には作成年月日もしくは販売日等の記載がないので、いつ使用されたものか不明である。そのような記載があるとしても、直ちにその商品が市販されたことにならないことは明らかである。さらに、ここにいう「加工いか」「加工こんぶ」「加工魚」が指定商品中の加工水産物であるかは不明である。

特に包装材用シール(乙第21号証)には「味付乾燥」の記載があるが、原材料等の表示がないので商品が何であるかは全く不明である。被請求人は「煮汁のもと」と主張するが、そうであるなら加工水産物であるかはなおのこと疑問であり、「カレー・シチュー又はスープのもと」に属すると考えるのが妥当と思われる。さらに、シールや宣伝用ちらしの「かむ運動はあごを発達させ・・・」等の記述から、「加工水産物」というよりも「(よくかむことを目的とした)健康食品の一種」ではないかと思われる。

(ハ)納品書(乙第3号証、同19号証及び20号証)には本件商標が一切記載されていないので、これが「まんてん」商標が付された商品の納品書であるか疑問である。納品書に記載の記号と商品との整合性を裏付けるものは何ら提出されていない。

(ニ)商品の写真を提出しているが、その撮影年月日は本件審判請求登録日以降であり、前記登録日前の使用の事実を立証するものとはいえない。

(ホ)宣伝用ちらし(乙第13号証乃至同17号証)も、前記(ロ)シール・包装材と同様の理由で、本件商標の「加工水産物」についての使用を証明するものと認めることはできない。

(ヘ)乙第23号証乃至同28号証は、「ひよこ豆」「落花生」等に係り、いずれも「加工水産物」についてのものではない。

3.被請求人の答弁

被請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同32号証を提出した。

(1)本件商標を指定商品に使用している事実について

(イ)本件審判の請求登録日である平成12年12月13日前 3年以内、すなわち同9年12月14日から同12年12月13日までの間に、被請求人は、以下に示すとおり、本件商標を指定商品の「加工水産物」(類似群32F01)にあたる加工いかに使用している。なお、加工いかが同類似群に該当することは、特許庁の商品・役務名リストにおいて、「剣先するめ」が32F01に分類されていることからも明らかである(乙第1号証)。

(ロ)乙第2号証は、加工いかである 「まんてん かみいか」の包装材である。その大袋内に、加工いかを包装した小袋10個を封入して販売しているが、乙第2号証は、その小袋3つ分の包材であり、実際には、両脇の黒い長方形が印刷してある個所で裁断してそれぞれで1つの小袋となっている。その小袋には、「マンテン」、「まんてん」または「満点」のいずれかが付されている。

(ハ)乙第3号証は、「まんてん かみいか」を平成10年9月11日にオギノ食糧株式会社に納入した際の納品書の控えである。納品書には、漢字、平仮名、片仮名の全てを記載するのは実際的ではないので、「(マン46)」と記号で記載している。「マン」は商標「マンテン」を用いた商品であることを示す記号であり、「46」は、被請求人の社内における整理番号である。実際の商品には、前記のとおり、漢字、平仮名、片仮名でそれぞれ「満点」、「まんてん」、「マンテン」と記載した小袋が大袋に詰めてある。

(ニ)乙第4号証は、商品の実物を撮影した写真であり、大袋内には、乙第2号証の包装材を使用した小袋が詰めてあり、その小袋には本件商標が付されている。

(2)商標法第50条第1項括弧書きの主張

(イ)被請求人は、本件商標の使用に加えて、これを平仮名で表示した「まんてん」を多くの「加工水産物」に使用している。

(ロ)乙第5乃至同第9号証は、被請求人が、「加工水産物」である加工こんぶ、加工魚、加工いかに「まんてん」を用いた商品の包材用シールである。これらのシールを、各製品の大袋に貼付している。

(ハ)乙第10乃至同12号証は、被請求人が、「加工水産物」である加工こんぶ、加工魚、加工いかに商標「まんてん」を用いた商品の包材である。これらの包材で各商品を封入した小袋を形成し、その小袋を上記(ロ)の大袋に一定数詰めて販売している。

(ニ)乙第13乃至同第17号証は、被請求人が、「加工水産物」である加工こんぶ、加工魚、加工いかに商標「まんてん」を用いた商品の宣伝用ちらしである。これらのちらしのうち、「まんてん いわしっ子」のちらし(乙第14号証)には、「キビナゴを天然素材そのまま乾燥(遠赤焼き)したものです。」と記載されており、「加工水産物」であることが明記されている。

(ホ)乙第18号証は、「まんてん あたりめぇ」の実物を撮影した写真である。

(ヘ)乙第19号証は、「まんてん あたりめぇ」を平成10年2月18日に株式会社ジーケーエスに納入した際の納品書の控えである。「品番・品名」欄に記載された「(マン40)あたりめ」は、乙第16及び18号証の「まんてん あたりめぇ」を示している。すなわち、「(マン40)」の「マン」は、本件商標を用いていることを、「40」 は、被請求人社内で各製品に付している整理番号である。

(ト)乙第20号証は、「まんてん いかバー」を平成10年12月16日にオギノ食糧株式会社に納入した際の納品書の控えである。「品番・品名」欄に記載された「(マン55)いかバー」は、乙第15号証の「まんてん いかバー」を示している。前記同様、「(マン55)」の「マン」は、本件商標を用いていることを示すものであり、「(55)」は、被請求人社内で各製品に付している整理番号である。

(チ)乙第21号証は、ひじき、納豆、油揚げを味付け乾燥させた、煮汁のもとである「満点 まんてん」の包材用シール、乙第22号証は、その現物の写真である。賞味期間は2000年9月11日とされていることから、その略1年前に製造されたものである。

(3)被請求人は、、商標「満点」、「まんてん」及び「マンテン」を、前記の加工水産物以外の商品にも使用している。すなわち、被請求人は、商標「満点」、「まんてん」及び「マンテン」を、自社の製造販売する一連の加工食品に付して使用しており、これらの商標は、いわば「マンテン」シリーズとして被請求人の顧客には知られており、被請求人にとって、極めて重要な商標である。

4.当審の判断

(1)平成3年改正前の商標法施行規則第3条別表には、その第32類の「加工水産物」に属すべき商品として「す干し魚介類」「塩干し魚介類」「煮干し魚介類」等が例示されている。また、魚介類乾(干)製品といわれる水産加工食品は、一般にその乾燥前の処理あるいは乾燥方法によって、素乾品、塩乾品、煮乾品、焼乾品、節類、くん乾品、凍乾品、調味干し品などに区分されている(東洋経済新報社「水産ハンドブック」、同社「商品大辞典」参照)。しかして、するめは素乾品の一であり、また、魚介類を焼いてから乾燥させたもの、魚介類を味付けした後乾燥したものは、それぞれ「焼乾品」「調味干し品」といわれ、いずれも本件商標の指定商品である「加工水産物」の範疇に包含されているものというべきである。

(2)そこで、被請求人の提出した乙号証をみると、大袋用シール(乙第8号証)には、「名称 魚介乾製品」「品名 かみいか」「原材料 いか・しょう油」の表示及び製造者として被請求人の名称・住所の記載が認められ、また、「サッポロ巻きの」「まんてん」「2本入×10袋」の各文字が三段に併記され、右下側に烏賊を図案化したと思しき図とともに円形内に「かみ」「いか」の文字等の表示が認められる。そして、商品の写真(乙第4号証)によれば、前記のシールが商品の包装袋に貼付され、その包装袋に中身の詰まった小袋が入っていること、及び、その小袋にはそれぞれ「満点」「マンテン」「まんてん」の標章が表示されていることが認められる。この小袋の表示については、小袋用包装材(乙第2号証)でも明確に確認し得るところである。

しかして、前記使用に係る標章「マンテン」は、本件商標と構成文字を同一にするものであり、また、「マンテン」「まんてん」「満点」の各標章がそれぞれ付された小袋を大袋に詰めた形態で取引するという前記事情よりすれば、使用に係る標章「まんてん」は、取引上本件商標と同一の称呼・観念を生ずるものとみるのが相当であるから、社会通念上同一と認められる商標とみて差し支えないものである。

また、使用に係る商品は、包装に付されたシールの、名称並びに原材料の記載及び写真に示された商品実物の形態に照らせば、烏賊の加工食品で魚介乾製品の一であると認められるものである。

さらに、納品書写し(乙第3号証)によれば、被請求人から甲府市在のオギノ食糧株式会社に対して、平成10年9月11日に、納品がなされたことが認められ、同納品書には、その品名・品番の欄に「(マン46)」「かみいか」「(2枚)」との記載及び数量・金額等の記載が認められる。そして、同品名・品番の欄の「(マン46)」にあって、「マン」が商標「マンテン」を用いた商品を指す記号である旨の被請求人の主張は、他の納品書における品名・品番欄にも同様の「(マン+数字)」の記号が用いられていること、及び被請求人と継続した取引者であるオギノ食糧株式会社の代表取締役荻野英治の陳述(乙第29号証)の内容並びにその添付資料とを併せ勘案すれば、これを首肯し得るものであり、さらに、納品書及び上記シールにはともに品名として「かみいか」の表示がなされている。してみれば、納品がなされた商品は、上記シールの貼付された袋で包装された烏賊の加工品(魚介乾製品)であると推認し得るものである。

以上によれば、前記年月日に本件商標及びこれと社会通念上同一と認められる商標を使用した商品の取引がなされたことを推認することができ、被請求人(商標権者)によって、本件商標が商品「加工いか(魚介乾製品)」に使用されたと認め得るところである。

そして、使用に係る商品「加工いか(魚介乾製品)」は、前記(1)に述べたとおり、取消請求に係る指定商品「加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)」に包含されるものである。

してみれば、証拠提出に係るその余の商品の使用事実について論及するまでもなく、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品について使用されていたということができる。

(3)したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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