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Trademark Appeal Case

周知雑誌名と商標

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成7年審判第25958号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「MARIEFRANCE」の欧文字を横書きしてなり、第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、和服、下着、水泳着、水泳帽、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、耳覆い、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、その他の被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、運動用特殊衣服」を指定商品とし、平成5年7月27日登録出願、その後、指定商品につき同7年8月29日付手続補正書により「フランス製の洋服、フランス製のコート、フランス製のセーター類、フランス製のワイシャツ類、フランス製の寝巻き類、フランス製の下着、フランス製の水泳着、フランス製のエプロン、フランス製の靴下、フランス製の毛皮製ストール、フランス製のショール、フランス製のスカーフ、フランス製の手袋、フランス製のネクタイ、フランス製のネッカチーフ、フランス製のマフラー、フランス製のナイトキャップ、フランス製のヘルメット、フランス製の帽子」に補正されたものである。

第2 当審における拒絶の理由

当審において、請求人に対し、新たに平成11年5月20日付で「本願商標は、『MARIEFRANCE』の欧文字を横書きしてなるものであるところ、『MARIEFRANCE』の欧文字は、『MARIECLAIRE(マリークレール)』『ELLE(エル)』等と並ぶフランス国の代表的な女性月刊誌の名称を表示してなるものと認め得るものである。そして、マリーフランス(MARIEFRANCE)誌は1944年に週刊誌として創刊され、その発行部数は1980年代には52万部に達し、本願商標の出願時(平成5年7月27日)には、フランス国において周知著名なものであったと認められる。しかも、マリーフランス(MARIEFRANCE)誌の掲載内容は女性のファッションが中心であるから、本願商標の指定商品「女性用の洋服、コート、セーター類、寝巻き類、下着、水泳着」等はその掲載内容となるものと推認される。そうすると、本願商標は、上記のとおりの文字構成よりなり、前記女性週刊誌「MARIEFRANCE」の欧文字を全くそのまま流用したものであり、不正の目的をもって使用するものである。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。」旨の拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

第3 請求人の主張

1 請求の趣旨

「原査定を取り消す。この出願は商標登録をすべきものとする」との審決

2 請求人の意見

上記拒絶の理由に対して、請求人は、次のように意見を述べた。

(1)請求人は「MARIEFRANCE」と類似する商標を登録商標(商標登録第3115310号、同第3292759号)として所有している(甲第1号証)。

日本で「MARIEFRANCE」は、請求人が日本のファッションメーカーと共同で商品化を行い、請求人の関連商標として消費者に幅広く知られ、フランスの雑誌名とは関連のないものとして認識されている(甲第5号証ないし甲第7号証)。

(2)海外の有名な雑誌のタイトルでも日本国内において多くの日本人の登録が認められており、それが一般化している(甲第3号証)。

同時に日本国内のファッション雑誌に対しても、その各種商品分野に、それぞれ他人の商標が多数存在している。

以上をみても、ファッション雑誌名が全ての商標分野に権利が及ぶものではない(甲第9号証)。

(3)「MARIEFRANCE」誌がフランス国内で52万部発行されていたとは考えられない。日本の3分の1のフランスの人口から考えてもありえない発行部数である。そもそも同雑誌は発刊から数回も会社が倒産(1993年11月頃会社倒産、実質雑誌廃刊、甲第8号証)されている程人気がなかった雑誌であることを考えれば、5万部前後の発行部数であろう。そのうえ、知られているのはフランスだけで、他のヨーロッパや各国では全く知られていない雑誌である。

「MARIEFRANCE」誌は、日本では「日本語版」も発行されていないため、同じフランスの雑誌でも「日本語版」をすでに発行している「MARIECLAIRE」「ELLE」とは全く違う。

3 証拠方法

請求人は証拠方法として審判請求書記載のとおり商標登録原簿謄本及び商標公報、意見書記載のとおり甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。

第4 当審の判断

(1)「MARIE FRANCE」の周知性について検討する。

件外平成9年異議第90074号商標登録異議申立事件(この事件の商標権者は本件審判請求人であり、登録異議申立人はマリークレールアルバンである。)の登録異議申立人提出の(株)トラベルジャーナル1997年8月28日発行「ヨーロッパカルチャーガイド4 フランス もうひとつのパリを愉しむ」(第164頁)、(株)大修館書店1977年7月10日発行「事典 現代のフランス」(第245頁、第246頁)、「マリーフランスの歴史」(訳文付き)によれば、以下の事実が認められる。

フランスの女性週刊誌「MARIE FRANCE」誌は、1944年にフランス国において週刊誌として創刊され、「MARIE FRANCE」の欧文字は、「MARIECLAIRE(マリークレール)」「ELLE(エル)」と並ぶフランス国の代表的な女性月刊誌であって、その発行部数は1980年代には50〜52万部に達し、同誌の内容は、女性のファッションに関する情報等であり、イタリア、ベルギー、スイス、カナダ等フランス以外の国においても販売され、本願商標の登録出願時(平成5年7月27日)にはフランス国において周知著名なものであったと認められる。

(2)本願商標は、「MARIEFRANCE」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、前記フランスの雑誌の題号である「MARIE FRANCE」とその文字の配列が全く同じであり、社会通念上同一の商標といえるものであって、本願出願人が「MARIE FRANCE」誌を知得することなく、無関係に又は偶然に同一配列の文字を採択、出願したとは到底考えられないもので、「MARIE FRANCE」誌の題号をほとんどそのまま流用したものである。

そして、本願商標の指定商品は、「女性用の洋服、コート、セーター類、寝巻き類、下着、水泳着」等を含む商品であるところ、「MARIE FRANCE」誌の掲載内容は女性のファッションに関する情報等であり、しかも、フランスのファッションについては我が国においても高い関心が寄せられている事情をも考慮すると、女性ファッション誌の需要者と本願商標の指定商品の需要者とは、ある程度重なることが想定される。そうとすれば、「MARIE FRANCE」誌の正当な商標所有者又はこれと関連のある者が我が国に参入しようとする場合には、本願商標との出所の混同のおそれが生じ、ひいては我が国への参入が阻止されるという結果を招来するものである。

したがって、本願商標は、外国で周知著名な商標についてこれをほとんどそのまま流用して出願されたものであって、信義則に反する不正の目的をもって使用をするものといわざるを得ない。

(3)請求人は当庁における審査例を挙げて種々主張するところあるも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、具体的事案の判断においては、過去の審査例等の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、この点に関する請求人の主張は採用することができない。

(4)以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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