結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−30024(T2000−30024/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1584754号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示した構成よりなり、昭和53年6月7日登録出願、第22類「かさ、その他本類に属する商品」を指定商品として、同58年4月27日に設定登録され、その後、平成5年10月28日に商標権の存続期間の更新の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
(1)本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用していないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)被請求人は、品番が「CM97006」として取り扱われている商品「傘」及び下げ札の写真、下げ札のカラーコピーを提出し、傘の柄及び下げ札にそれぞれ登録商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていると主張する。そして、かかる商品(品番「CM97006」)が被請求人のエクセル事業部店舗である「エクセルショップ」パームシテイ店、日根野店の各店舗において1998年11月に販売されていたと主張し、その販売伝票を提出している。そして、かかる販売伝票として提出されているのは、各店舗における「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」である。
(3)しかしながら、被請求人が提出する各証拠は、使用事実の証明としては客観性に欠けるものである。
すなわち、被請求人が審判請求登録日前3年以内の販売事実を証明するものとして提出する証拠は、請求人の直営店における1998年11月の「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」にすぎず、これらはいわゆる内部資料にすぎない。そして、いわゆる内部資料のみでは、誰に対して取引されたかどうかの事実を第三者に確認することができず、本件商標が付された商品が実際に取引され、販売されたかを示す証拠としては極めて客観性に欠けるものであると言わざるを得ない。
また、実際に商品を販売しているのであれば、通常、販売先・取引先等の第三者との関係で発行された取引書類、すなわち請求書、納品書、領収書等が存在するはずであるが、このような書類は一切提出されておらず、請求人の直営店における「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」といった内部資料のみをもってしては、1998年11月時点の商品の販売事実を客観的に証明する証拠とすることはできない。
(4)また、商品メーカーとして商品を製造・販売しているのであれば、直営店のみでなく、他の卸売店、販売店等に商品を卸しているのが取引の実情でもあるにもかかわらず、そのような取引が行われている形跡が被請求人の提出する証拠をもっては認められない。第三者を介した客観的な取引書類もなく、また「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」に見られる販売実績においても「着数」の欄から明らかなように、各店舗につき、それぞれわずかに1個のみにすぎない。本件審判の予告登録日である平成12年2月8日前3年間の販売実績が直営店におけるたったの3個のみというのは、取引の実情を考慮すると、極めて不自然であると言わざるを得ない。
(5)以上のように、被請求人が提出した証拠は、第三者との取引の事実を示す証拠として客観性に欠け、その販売事実を客観的に認めることができないものであるから、かかる証拠のみをもって、本件商標が本件審判の予告登録日である平成12年2月8日前3年以内に使用されていると認められないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、請求の理由及び弁駁に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書及び入荷報告書を提出した。
(1)本件商標の使用事実
(ア)本件商標は、その指定商品中「傘」について、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者であるロンシャン株式会社により使用されている。
本件商標の使用事実は、「登録商標の使用説明書」に示すとおりであり、以下、説明する。
(イ)本件商標の使用に係る商品の一例は、「傘」であり、「登録商標の使用説明書」の商品写真(d)の商品下げ札裏面に示すとおり、品番(PrNo)「CM97006」として取り扱われているものである。
当該商品が、本件審判の請求に係る指定商品に含まれることは明らかである。
(ウ)本件商標は、貴婦人と馬の図形の下に欧文字の「Longchamp」と片仮名の「ロンシャン」の文字を併記した構成よりなるところ、商品写真(a)(b)及び商品下げ札のカラーコピーのとおり、貴婦人と馬の図形の下に「Longchamp」の文字を表した商標が使用されている。
そして「Longchamp」の文字からは「ロンシャン」の称呼を生じ、かつ商品下げ札裏面(商品写真(d))に示すとおり、片仮名の「ロンシャン」も商標として使用されているから、当該商品の使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。
(エ)本件商標の使用に係る前記商品の販売事実の一例は、「登録商標の使用説明書」に添付した販売伝票に示すとおりである。
当該商品は、ロンシャン株式会社のエクセル事業部店舗である「エクセルショップ」で販売されている。
例えば、1998年11月2日に、エクセルショップパームシティ店(和歌山県和歌山市中野30「パームシティ和歌山」IF)において、また1998年11月12日に、エクセルショップ日根野店(大阪府泉佐野市日根野2469−1「ジャスコシティ日根野」2F)において、前記写真の商品(品番「CM97006」)の商品が販売されている。
なお、前記「エクセルショップ」(商標権者のエクセル事業部店舗)は、ロンシャン株式会社の会社案内パンフレット及び「エクセルショップー覧表」に示すとおりである。
(2)以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により、本件審判請求に係る指定商品中「傘」について使用されているものである。
(3)本件商標の使用に係る商品「かさ」(品番:97006)が、販売された事実を証する証拠として、次の証拠を補強提出する。
(ア)先に提出の写真に示す商品が被請求人のエクセル事業部各店舗へ入荷された事実を証する書類として、1998(平成10)年9月14日付人荷報告書を提出する。これにより、当該商品が、パームシティ店、日根野店はじめ、春日店、リバーシティ店、大垣店、川崎店、柳津店、桑名店、津店、彦根店、草津店、守山店、奈良店、高槻店、安城店、岡崎店、知立店、京橋店、川西店、塚新店、宝塚店、和歌山店、和泉府中店、加古川店、モール姫路店、アン姫路店、倉敷店へそれぞれ入荷されたことを立証する。
(4)本件商標の使用に係る商品は、商標権者の直営に係る小売店エクセルショップで販売されるものであって、どの客が買い上げたかの立証は不可能であり、また、その立証は要しないものと思料する。
被請求人の提出した登録商標の使用説明書中の「傘の下げ札」の写真よりすれば、「傘の下げ札」の表面に、本件商標の図形(傘をかざした貴婦人が馬の左側に立っている)と欧文字「Longchamp」の表示されていること、また、「傘の下げ札」の裏面に、「ロンシャン」の片仮名文字が表示されていることが認められる。
そして、この「傘の下げ札」に表示された商標は、社会通念上本件商標と同一の範囲内のものと認められる。
また、被請求人の提出した「会社案内パンフレット」および「エクセルショップ一覧表」よりすれば、販売店として「和歌山店」、「日根野店」等が掲載されていること、さらに、この「和歌山店」及び「日根野店」にて商品「傘」が品番「CM97006」として販売されたことが1998(平成10)年11月2日付け「売上日報」及び補強提出された1998(平成10)年9月14日付け「株式会社サラブランド」の「入荷報告書」より認められる。
以上の各証拠を総合勘案すれば、本件商標は、被請求人によって、本件審判請求の登録(平成12年2月16日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を指定商品中の「傘」について使用していたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法50条の規定によりその登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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