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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の成否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30307(T2000−30307/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3218664号商標(以下「本件商標」という)は、「LIGNA−Z」及び「リグナZ」の文字を2段に書してなり、平成6年2月1日に登録出願され、第19類「建築用又は構築用の非金属鉱物,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,建具(金属製のものを除く。),無機繊維の板及び粉(石綿製のものを除く。),石こうの板,鉱さい,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),人工魚礁(金属製のものを除く。),吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。),養鶏用かご(金属製のものを除く。),区画表示帯,土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,航路標識(金属製又は発光式のものを除く。),道路標識(金属製又は発光式のものを除く。),石製液体貯蔵槽,石製工業用水槽,石製家庭用水槽,送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。),ビッド及びボラード(金属製のものを除く。),石製彫刻,コンクリート製彫刻,大理石製彫刻,石製郵便受け,灯ろう,飛び込み台(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。),セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く),自転車用駐輪器具(金属製のものを除く)」を定商品として、平成8年11月29日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は、その指定商品中「リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,木材及びこれらと類似する商品」について取消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べている。

本件商標は、商標権者により継続して3年以上、日本国内において商品「リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,木材及びこれらと類似する商品」について使用されていない。また、本件商標の商標権には専用使用権は設定されていない。加えて、通常使用権も登録されていないことから、本件商標権の通常使用権者も存在しないことが推認し得る。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取消を免れない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第11号証を提出している。

本件商標は、正当権利者によって、わが国内で本件審判請求の登録前3年以内に、本件取消請求に係る指定商品について現実に使用されている。以下、証拠とともに説明する。

(1)本件商標は、本件商標が出願された平成6年2月1日の翌年の平成7年頃には既に、被請求人会社により正当に使用が開始され、その後間断なく、被請求人会社によって使用継続されて今日に至っているものである。なお、被請求人は周知のように、楽器、音響製品、オーディオ、家具、ホーム用品等を製造・販売する会社である。

先ず、商品「LIGNA−Z/リグナZ」の実物の写真を乙第1号証として示す。この写真では、出荷前の多数の板状の商品を荷台上に積載し、一括りにテープで縛った側面に、「LIGNA−Z」との表示がされており、また側面に付されたラベルの最上段の「Customer/Product Number」の欄にも、「LIGNA−Z」と記載されている。

次に、乙第2号証として、現在配付されている本件商標を掲載したリーフレット「YAMAHA LIGNA−Z/ヤマハ リグナゼット」を提出する。

このリーフレットでは、「YAMAHA LIGNA−Z/ヤマハ リグナゼット」と銘打ったタイトルからも分かるように、(ア)「LIGNA−Z/リグナゼット」はヤマハ株式会社の商品であること、(イ)本件商標に係る商品がどのような特性,特徴,性能をもっているかの説明、並びに、(ウ)この商品の用途が説明されている。それによれば、「LIGNA−Z/リグナゼット」と命名された新開発の住宅部材を宣伝広告し、販売の案内及び促進を目的としていることに、疑問の余地はなく、これらの商品が被請求人のものであることも一目瞭然である。また、このリーフレットには、「LIGNA−Z/リグナZ」はOSBの一種で、木材から作られる、従来の合板に代わる新素材の住宅部材であることが分かる。

ここで、OSBについて説明した資料「OSB日本語版」を、乙第3号証として添付する。この資料によると、例えば、第1頁の「製品概要」には、「OSB(オリエンティッド・ストラクチュラル・ボード、オリエンティッド・ストランド・ボード)は幅広い用途を持つ耐水性接着剤使用のパネル製品です。このパネルは小径木で成長の早い木をウエーハー状に加工し、耐水、耐熱性樹脂により熱圧処理したものです。」と説明され、また、第2頁の「製品」には、「OSBは耐水性接着剤を使用した構造用パネル」であると説明されている。

すなわち、「LIGNA−Z/リグナZ」は、合板と同じように木材から作られ合板と同様の用途に用いられる、という点では「合板」に該当し、また、耐水耐熱性樹脂接着剤を使用し木片を熱圧処理した合板に代わる新しいパネル製品、という点では「合成板」に該当する、「合板」と「合成板」の両方の特性を備えた中間物的な商品と言える。

上記乙第1号証の写真、及び同第2号証のリーフレットから、「LIGNA−Z/リグナZ」が本件商標の指定商品のうち、「合板」及び「合成板」に当たり、「合成板」は「合成建築専用材料」に含まれ、「合板」は「木材」に含まれることから、請求人が使用していないと主張する商品について、本件商標が現に使用されていることは明らかである。

再び乙第2号証を参照すると、「4.リグナ−Zの用途」の項において、本件商標に係る商品は、「1.床下地 2.収納、階段、ドア芯材等 3.フロアー(薄単板は表面処理後) 4.コンクリートパネル(表面塗装をお奨めします) 5.その他合板用途全般」に適用されることが謳ってある。これよりすれば、本件商標は、「床材、ドア芯材」など、合成建築材料中の「床面用の合成舗設材」の用途としても、さらには、木材中の「床板」の用途としても、現に使用されていると認められるものである。

つぎに、ヤマハ(株)の使用権者である子会社の「ワイピー設備システム(株)」から「(株)林本建設」へ商品を販売した際の売上伝票及び商品受領書の写を乙第4号証として提出し、この売り上げ代金の入金に係わる社内処理用の振替伝票の写を乙第5号証として提出する。また、「ワイピー設備システム(株)」は被請求人と同一敷地内に所在地を有する被請求人の100%子会社であるが、その事実を示す証拠として、「ヤマハ株式会社及び関連法人住所録」の抜粋写を乙第6号証として添付する。

上記乙第4号証は1997年8月27日付で発行されたもので、「名称」欄に「リグナ−Zボード」という商品名が記載されており、同じく1997年9月25日に発行された乙第5号証と併せて、この時期に商品「リグナ−Zボード」の取引が実際に行われたことを示している。なお、商品名のうち「ボード」の部分は「板、板状」という商品の形状を表す用語であるから、このような使用商標が本件録商標「LIGNA−Z/リグナZ」と実質的に同一であり、被請求人の商品の識別標識として実質的にその機能を発揮していることは明らかである。

(2)以上のように、乙第1号証〜同第4号証から、被請求人会社は少なくとも商品「合板,合成板」について本件商標「LIGNA−Z/リグナZ」を掲載した宣伝広告を流布し、実際に取引が行われていることが明らかであるが、さらに、ここに乙第7号証ないし同第10号証を提出して、一般消費者向けに広く配布されるカタログ、広告用チラシにおいて本件商標に係る住宅部材が販売促進のために宣伝されている事実を挙証する。

乙第7号証は静岡県浜松市にある(株)林本建設、太平管財(株)、(株)アルコホーム、(株)エステートアルコの4社からなる林本建設グループの会社案内「ARCO」である。同第7号証の第4頁最下段中央の写真には「OSB(リグナ−Z)を用いたコンクリートパネル」との説明があり、第5〜6頁の「ARCO II」の説明に「OSB(リグナ−Z)、ヤマハ製品を建具、建材にふんだんに用いた内装。」との宣伝文が添えられている。このように、太平管財(株)のオリジナルマンションシリーズである「ARCO」シリーズで、内装材としても「リグナ−Z」が採用され、ヤマハ製品として紹介されている。

乙第8号証の1、2は上記「ARCO」シリーズの一つである「ARCO根上り松」の広告用チラシの写である。この広告用チラシは平成11年4月10日から17日迄のナイターキャンペーンに向けて、新聞折込広告等の方法で配布されたものであり、広告有効期限は平成11年4月30日となっている。なお、乙第8号証の1がチラシ表面で、同第8号証の2が同じチラシの裏面である。このチラシ裏面の最右上欄には、マンション内装の説明の1つとして、「下足入れ等ヤマハの開発した『リグナ−Z』を採用」との宣伝文が添えられている。

同じく、「ARCO NEAGARIMATSU(根上り松)」のカタログ中にも、「高級素材「リグナ−Z」の鏡面仕上げを採用」との記載があるので、乙第9号証として提出する。

同様に、乙第10号証の1、2は、伊藤忠商事のオリジナルマンション、くイトーピア〉シリーズの一つである「イトーピア中沢グリーンアベニュー」の販売に係わる広告用チラシの写であり、乙第10号証の1がチラシ表面で、同第10号証の2が同じチラシの裏面を示している。裏面右下欄に「広告表示の有効期限/平成10年3月末日」、「上記いずれの返済例も、平成9年3月1日現在の金利で、」等の記載があり、また表面に「5月17日(土)・18日(日)資金相談会開催」と書かれていることからも分かるように、このチラシは、平成9年5月17日(土)及び18日(日)に行われる資金相談会に先だって、主に新聞折込広告等の方法で配布されたものである。

この乙第10号証においても、裏面中段右側の「細部にまで配慮した先進の設備・仕様」の欄中の最下段OBS+鏡面仕上げ」の項で、「ヤマハ(株)が素材開発した地球環境に優しい合板「リグナ−ゼット」を一部建材に採用。」の記載があり、宣伝文句の一つとなっている。

本件商標の使用に係る商品が「合板,合成板」或いは乙第7号証〜同第10号証に見られる「壁用の合成舗設材」などの住宅部材であることを考えると、一般消費者に対しては、通常、マンション等の住宅の内装の一部として販売されるものであり、上記乙第7号証〜同第10号証では、被請求人が商標の使用を認めている太平管財(株)、伊藤忠商事等が自社のマンション広告の中で、マンションの内装の一部として、ヤマハ製品「LIGNA−Z/リグナZ」を宣伝、販売しているものである。

以上のように、上記の乙第7号証〜同第10号証からも、本件審判請求の登録前3年以内に、「LIGNA−Z/リグナZ」を掲載した宣伝広告媒体を配付した事実は明らかである。

なお、本件商標は、これが被請求人により出願された平成6年2月1日の翌年の平成7年頃から使用開始されたことは前述したが、この使用開始事実は乙第11号証に示す受領書及び送付状(1995年5月26日、及び1995年8月21日発行)から明らかである。本件商標は、このように約5年間にわたって使用され続けてきたものであり、その結果、十分顕著に本件指定商品について出所表示機能、品質保証機能を発揮するに至っていることが明白である。

(3)ところで、本件の乙第1号証〜同第11号証の中で、実際に使用されている商標は、「LIGNA−Z」、「LIGNA−Z/リグナゼット」、「リグナ−Z」、「リグナーゼット」であるが、これらは本件商標の上下段のいずれか一方のみでなるもの、或いは、平成8年の法改正により、商標法第50条にいう「登録商標」の使用である「片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」に該当し、いずれも本件商標と「社会通念上同一と認められる商標」であることは明らかである。

(4)以上述べたように、本件審判の取消請求に係る商品中の「合板,合成板,壁用の合成舗設材」について、本件商標と実質上同一の機能を果たし得ると認められる商標「LIGNA−Z」、「LIGNA−Z/リグナゼット」、「リグナ−Z」、「リグナーゼット」が本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、被請求人によって使用されている事実が充分明らかとなったものと思料される。

してみれば、本審判請求前3年以内に取消請求に係る指定商品について本件商標を使用した事実を発見できなかったとする、請求人の主張は不充分な調査に基づくものであって、到底容認されるべきではない。したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録が取消されるべきものではない。

4 当審の判断

被請求人の提出に係る乙各号証をみるに、乙第2号証(商品のリーフレット)及び同第3号証(STRUCTURAL BOARD ASOOCIATION「OSB日本語版」写し)の記載事項を総合すると、請求人が本件商標について使用している商品は、その素材、製造方法、性能からみて、木質パネルであって本願指定商品中の木材に含まれるとみるのが相当である。

また、乙第1、2、4、5、7、8、9、10、11号証には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されているものである。

以上、乙各号証を総合勘案すれば、本件商標は、被請求人により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定商品中の「木材」に含まれる商品について使用されていたものと認めることができる。

なお、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。

したがって、本件商標の指定商品の請求に係る商品「合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,木材及びこれらと類似する商品」についての登録は、商標法第50条の規定により取消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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