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Trademark Appeal Case

外観・称呼の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35602(T2000−35602/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4244653号商標(以下、「本件商標」という。)は、「Probinder」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、1997年5月16日ドイツ連邦共和国を第一国出願を基礎とするパリ条約に基づく優先権を主張して、平成9年11月12日に登録出願、指定商品を第9類「測定機械器具、電子応用機械器具及びその部品」として同11年2月26日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第9号証を提出した。

請求の理由

(a)請求外「株式会社東芝」が所有する「PROVISOR」の欧文字を横書きしてなり、昭和58年4月28日登録出願、指定商品を第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」とする昭和60年9月27日設定登録され、その後、平成8年1月30日更新登録がなされた登録第1806085号商標(以下、単に「引用商標」という。)を引用する。

本願商標と引用商標とは、外観が極めて近似し、称呼において混同されるおそれがあるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(b)請求人は、高性能特殊化学品及びその関連機械の研究・開発・製造を行う世界大企業であり、その製品は世界的に製造・販売されている。世界企業においては、よほどの特殊事情がない限り、同一商品については同一商標を世界中で使用する。この点は、両商標の権利会社とも同様であると解する。

ところで、本件商標は、既に他国にて、請求人の商標「PROBIMER」との間に誤認混同を生ずるとして争いがあり、両社は双方の商標の誤認混同の事実を認め、和解のため相互契約を締結し、双方は互いの商標を一定の商品についてのみ使用することとなっていた。しかるに今般、被請求人はみずから契約に反して本件商標を広範囲の指定商品について登録した。当事者間でかかる状況を解決すべく契約を締結したにもかかわらず、それに反する行為が公然と行われ、かつ、登録が公然と認められることは国際信義にもとるものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当し、登録を認められるべきでないと確信する。

(c)以上のとおりであるから、本件登録商標は、商標法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第5号証を提出した。

答弁の理由

(a)商標法第4条第1項第11号について

イ.外観類似について

本件商標は、頭文字のみを欧文字に書した通常のアルファベット9文字「Probinder」を同書、同大、同間隔をもって左横書きに表示してなる商標である。

これに対し、引用商標は、全て大文字で書した肉太のアルファベット8文字「」を同書、同大、同間隔をもって左横書きに表示してなる商標である。

しかして、両商標は、アルファベットの大文字・小文字間の相違及び後半の「−binder」と「−VISOR」との顕著な差異を有するものである。

したがって、両商標は、通常の観察力を有するものであれば、視覚的に取り違える虞のない外観上非類似の商標である。

ロ. 称呼及び観念類似について

本件商標中後半の「binder」の文字は、一般に「くくる人(特に製本屋)、新聞・書類などの綴じ込み用具(バインダー)、接合剤、稲・麦類の刈取結束機」等の語義を有する日常語化した英語として周知されている。

因みに、被請求人は、ドイツ国最大の印刷機械器具及びその関連製品(製本機械器具を含む)の製造販売会社であり、「binder」の文字は、「くくる人(特に製本屋)」等の語義における使用を案じせしめているものである。

しかして、上記事実に照応して、本件商標からは、取引上、英語読みした「プロバインダー」(プロ用のバインダー(製本)又はバインダー(製本)のプロ)の称呼、観念が生じる。

同様に、引用商標の後半「VISOR」の文字は、一般に「(かぶとの)面頬、(帽子の)まびさし、(自動車の)サンバイザー、日よけ板、仮面、覆面(マスク)」等の語義を有する周知の英語として知られている。

因みに、請求人は、スイス国の半導体製造等の語義装置及びその関連製品(化学品)の製造販売会社であることから、「VISOR」の文字を「仮面、覆面(マスク)」等の語義における使用を暗示せしめているものと思われる。

しかして、上記事実に照応して、引用商標からは、取引上、英語読みした「プロバイザー」(プロ用のバイザー(マスク)又はバイザー(マスク)のプロ)の称呼、観念が生じる。

そこで、本件商標から生じる「プロバインダー」の称呼と「プロバイザー」の称呼とを対比すると、両者は前者が7音、後者が6音とその構成音を相違するのみならず、後半における「バインダー」「バイザー」の顕著な差異を有するものである。

したがって、両者は全体をそれぞれ一連に称呼するも、前述した意味合いの差異も相俟って、称呼及び観念上、互いを明確に判別可能な非類似の商標である。

(b)商標法第4条第1項第7号について

請求人は、「本件商標は、既に他国にて、請求人の商標「PROBIMER」との間に誤認混同を生ずるとして争いがあり、両社は双方の商標の誤認混同の事実を認め、和解のため相互契約を締結し、双方は互いの商標を一定の商品についてのみ使用することとなっていた。」旨述べている。被請求人においても前記請求人の主張を否定するものではない。

しかしながら、当該契約は、あくまで両者の使用商品の制限を規定したものであり、商標の登録までを禁止することを定めたものではない。

すなわち、上記事実は、当該契約書(乙第5号証)の第1条記載の如く、被請求人は印刷機械器具及びその関連製品(製本機械器具)に使用し、請求人は半導体製造装置及びその関連製品(化学品)のみに使用することを定めたものである。

しかも、本件商標は、項第1号証記載の通り、「第9類 測定機械器具、電子応用機械器具及びその部品」に登録されたものであり、当該契約書(乙第5号証)に定めてある請求人の使用する半導体製造装置及びその関連製品(化学品)とは、商品を異にするものである。したがって、請求人の「本件商標は国際信義にもとる」の主張は失当である。

4 当審の判断

(a)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「Probinder」の欧文字を標準文字で表してなり、引用商標は、「PROVISOR」の文字よりなるものであるから、両商標は、外観上相紛れるおそれのない程に相違する。

そして、本件商標からは、「プロバインダー」の称呼を生ずものであるのに対し、引用商標からは、「プロバイザー」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、両称呼を比較するに、両称呼は、7音中の前4音「プロバイ」の音を共通にするものの後半部の「ンダー」の音と「ザー」の音の明白な差異を有し、その差異が称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものということができず、称呼において十分に区別できるものである。

また、観念においては、本件商標が「プロ用のバインダー」の観念が生ずるのに対し、引用商標からは、「プロ用の(サン)バイザー」の観念が生ずるものと認められるから、両商標は、観念においても類似するものとすることもできない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼又は観念の何れよりみても、何ら、相紛れるおそれのない非類似のものである。

したがって、本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとすることはできない。

(b)商標法第4条第1項第7号について

請求人の主張するところは、「本件商標は、既に他国にて、請求人の商標「PROBIMER」との間に誤認混同を生ずるとして争いがあり、両社は双方の商標の誤認混同の事実を認め、和解のため相互契約を締結し、双方は互いの商標を一定の商品についてのみ使用することとなっていた。しかるに今般、被請求人はみずから契約に反して本件商標を広範囲の指定商品について登録した。当事者間でかかる状況を解決すべく契約を締結したにもかかわらず、それに反する行為が公然と行われ、かつ、登録が公然と認められることは国際信義にもとるものである。」とするところにある。

しかしながら、これは、畢竟、請求人と被請求人との間に発生した契約違反若しくは信義則違反を主張するにすぎないものである。

そして、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な文字又は図形からなるものでなく、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念・国際信義に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。

してみれば、本件商標を商標法第4条第1項第7号に該当するものとすることもできない。

5 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法4条第1項第11号及び同第7号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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