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Trademark Appeal Case

商標使用事実の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30023(T2000−30023/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第935223号商標(以下「本件商標」という。)は、「LONGCHAMP」の欧文字と「ロンシャン」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和43年7月26日登録出願、第19類「台所用品、日用品」を指定商品として、昭和46年11月6日に設定登録され、その後、昭和57年2月26日及び平成4年2月27日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「商標法第50条の規定により、本件商標の登録は、これを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、請求の理由及び答弁に対する弁駁の理由を次のように述べている。

(1)本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

(2)被請求人は、品番が「PH0015」として取り扱われている商品包装箱の写真及び商品包装箱のカラーコピー、またその包装箱の中に入っている商品の写真を提出し、包装箱の正面、「カップ」底面のシール、「カップ」側面にそれぞれ本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていると主張する。

そして、かかる商品(品番「PH0015」)が被請求人のエクセル事業部店舗である「エクセルショップ」和歌山店、塚新店、知立店の各店舗において1998年11月に販売されていたと主張し、その販売伝票を提出している。そして、かかる販売伝票として提出されているのは、各店舗における「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」である。

(3)しかしながら、被請求人が提出する各証拠は、使用事実の証明としては客観性に欠けるものである。

すなわち、被請求人が審判請求登録日前3年以内の販売事実を証明するものとして提出する証拠は、請求人の直営店における1998年11月の「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」にすぎず、これらはいわゆる内部資料にすぎない。そして、いわゆる内部資料のみでは、誰に対して取引されたかどうかの事実を第三者に確認することができず、本件商標が付された商品が実際に取引され、販売されたかを示す証拠としては極めて客観性に欠けるものであると言わざるを得ない。

また、実際に商品を販売しているのであれば、通常、販売先・取引先等の第三者との関係で発行された取引書類、すなわち請求書、納品書、領収書等が存在するはずであるが、このような書類は一切提出されておらず、請求人の直営店における「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」といった内部資料のみをもってしては、1998年11月時点の商品の販売事実を客観的に証明する証拠とすることはできない。

(4)また、商品メーカーとして商品を製造・販売しているのであれば、直営店のみでなく、他の卸売店、販売店等に商品を卸しているのが取引の実情でもあるにもかかわらず、そのような取引が行われている形跡が被請求人の提出する証拠をもっては認められない。第三者を介した客観的な取引書類もなく、また「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」に見られる販売実績においても「着数」の欄から明らかなように、各店舗につき、それぞれわずかに1個のみにすぎない。本件審判の予告登録日前3年間の販売実績が直営店におけるたったの3個のみというのは、取引の実情を考慮すると、極めて不自然であると言わざるを得ない。

(5)以上のように、被請求人が提出した証拠は、第三者との取引の事実を示す証拠として客観性に欠け、その販売事実を客観的に認めることができないものであるから、かかる証拠のみをもって、本件商標が本件審判の予告登録日前3年以内に使用されていると認められないものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、請求の理由及び弁駁に対する答弁の理由を次のように述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書を提出している。

(ア)本件商標は、その指定商品中「カップ」について、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者であるロンシャン株式会社により使用されている。

(イ)本件商標の使用に係る商品の一例は、「カップ」であり、「登録商標の使用説明書」の商品写真(a)及び商品包装箱のカラーコピーに示す通り、品番「PH0015」として取り扱われているものである。

当該商品が、本件審判の請求に係る指定商品に含まれることは明らかである。

(ウ)当該商品には、金色地にエンボス加工により馬と貴婦人の図形とともに表された「Longchamp」商標が、商品写真(e)(f)の通り、カップ底面のシール(カラーコピーを別添)にて使用されている他、商品写真(a)(b)(c)(e)の通り、包装箱の正面に使用されている。

また、商品写真(d)の通り、カップ側面に「Longchamp」商標が、商品写真(a)及び包装箱のカラーコピーの通り、包装箱に「ロンシャン」商標が使用されている。

前記商品の使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。

(エ)本件商標の使用に係る前記商品の販売事実の一例は、「登録商標の使用説明書」に添付した販売伝票に示す通りである。

当該商品は、ロンシャン株式会社のエクセル事業部店舗である「エクセルショップ」で販売されている。

例えば、1998年11月4日に、エクセルショップ和歌山店(和歌山県和歌山市友田町5ー18ターミナルビル「ジョワ」2F)において、また1998年11月11日に、エクセルショップ塚新店(兵庫県尼崎市塚口本町4−8−1「ヤングライブ館」1F)、1998年11月13日に、エクセルショップ知立店(愛知県知立市長篠町大山18−1「ギャラリエ・アピタ知立」1F)において、前記写真の商品(品番「PH0015」)が販売されている。

(2)以上の通り、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により、本件審判請求に係る指定商品中「カップ」について使用されているものである。

(3)本件商標の使用に係る商品「カップ」(品番PH0015)が、販売された事実を証する証拠の補強証拠

(ア)先に提出の写真に示す商品が出願人のエクセル本部より各小売店舗へ出荷された事実を証する書類として、1999(平成11)年4月1日付店舗簡移動チェックリストを提出する。これにより、当該商品が、宝塚店、塚新店、加古川店、アン姫路店、倉敷店へ100個、およびモール姫路店へ100個出荷されたことを立証する。

(イ)1999(平成11)年4月5日宝塚店の売上日報により、前記出荷商品が販売されたことを立証する。

(4)本件商標の使用に係る商品は、商標権者の直営に係る小売店エクセルショップで販売されるものであって、どのお客様がお買い上げ頂いたかの立証は不可能であり、また、その立証は要しない。

4 当審の判断

被請求人の提出した登録商標の使用説明書中の「(a)包装箱に入った状態の商品」の写真、「(b)包装箱正面」の写真、「(c)包装箱から出したところ」の写真、「(e)包装箱から出したところ」の写真及び「(f)商品底面」の写真よりすれば、傘をさした貴婦人が馬の左側に立っている図形と「Longchamp」の欧文字が表示されているシールが「(a)包装箱に入った状態の商品」の写真、「(b)包装箱正面」の写真、「(c)包装箱から出したところ」の写真及び「(e)包装箱から出したところ」の写真には、包装箱に貼付され、また、該シ−ルが、「(e)包装箱から出したところ」の写真及び「(f)商品底面」の写真には、「カップ」の底面に貼付されていることがそれぞれ認められる。

そして、この「シール」に表示されている商標は、上記のとおりの図形と「Longchamp」の文字からなるものが表示されているものである。 また、該登録商標の説明書中の「(a)包装箱に入った状態の商品」の写真及び「(c)包装箱から出したところ」の写真には、「包装箱」に「ロンシャン」及び「PH0015」の文字及び数字が表示されていることが認められる。

そうとすれば、「Longchamp」の文字及び「ロンシャン」の文字は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

また、被請求人の提出した登録商標の使用説明書中の1998年(平成10年)11月4日の「売上日報」によれば、「店コード 012」及び「店名 和歌山店」と記載され、「品番」の項に「PH0015」が記載され、同じく、1998年(平成10年)11月11日の「売上日報」によれば、「店コード 016」及び「店名 塚新店」と記載され、「品番」の項に「PH0015」が記載され、さらに、登録商標の使用説明書中の「ロンシャン株式会社」の「Longchamp」のパンフレット中には、「エクセル事業部店舗一覧」には「(尼崎つかしん)エクセル店」及び「(和歌山)エクセル店)」の記載が認められる。

してみれば、被請求人の提出した証拠を勘案すれば、本件商標は、被請求人は、本件審判請求の登録(平成12年2月16日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を指定商品中の「カップ」について使用していたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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