結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35437(T2000−35437/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4322660号商標(以下、「本件商標」という。)は、「我が家のカレー」の文字(「標準文字」による)を横書きしてなり、平成10年6月22日に登録出願、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(『かつお節・寒天・削り節・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり』を除く。),かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」及び第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料、香辛料、食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、同11年10月8日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第3091689号商標(以下、「引用商標」という。)は、「わが家」の文字を横書きし、平成5年6月4日に登録出願、第30類「調味料,香辛料,脱穀済みの大麦,食用粉類,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト」を指定商品として、同7年10月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『第30類 コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料、香辛料、食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす』についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第3号証(枝番号含む。)を提出した。
(1)請求の利益
本件商標は、引用商標と類似し、指定商品も同一又は類似するものであるからその登録は違法なものである。したがって、請求人は、本件審判の請求につき利害関係を有するものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「我が家のカレー」の文字からなるところ、後半の「カレー」は、指定商品中の香辛料に属する「カレー粉」を指称する語であり、また、カレーパンなどカレー味の食料品などについて、その品質を表示するものとして普通に使われている。
そのため、本件商標が仮に自他商品の識別機能を有するとしても、その構成中、後半の「のカレー」又は「カレー」は、商品そのもの又は商品の品質を表すものとして認識されることになり、いわゆる商標の要部として自他商品の識別に資せられるのは、前半の「我が家」とか「我が家の」部分となることは明らかなところである。
後半の「カレー」なる語が、前半に「我が家」とか「我が家の」の語が付されることにより、前記のような香辛料の「カレー」を意味しなくなったり、また、「我が家」とか「我が家の」の語との結び付きによって、全体が全く別の語となってしまうようなことがあるものとは思われない。
したがって、本件商標は、「我が家」「我が家の」の文字に相応する「ワガヤ(我が家)」とか「ワガヤノ(我が家の)」の称呼、観念によって取引きに当たることになる。
他方、引用商標は、前記のような構成であるから、「ワガヤ(我が家)」の称呼、観念を生ずるものであることは明らかである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、共に「ワガヤ(我が家)」の称呼、観念を生ずる類似の商標であって、指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号について
a)本件商標は、指定商品中「カレー粉」又は「カレー味の」ものについては、商品の品質を表すものであり、自他商品の識別性がない。
およそ、カレーのような嗜好がらみの日常的な食品については、各家庭の味があるといわれるように、千差万別であり、いわゆる、我が家の味として自慢したり、親しまれたりするものである。
したがって、本件商標を指定商品中の「カレー粉」又は「カレー味」の食品について使用した場合、直接に特定の味を示すものではないが、これに接する取引者・需要者は、本件商標をその類の表現とみることになるのが普通である。
そして、「我が家のカレー」なる語が、暗示的に商標使用会社の「我が家のカレー」の味をいうものと認識されようと、この商品の利用者の「我が家のカレー」の味といえるほどの物であることを表すものと認識されるものであろうと、少なくとも、それが特定の者の取扱に係る商品であることを表すものとして認識されるような性質のものではない。漠然としているが、いわば、抽象的な商品の性質をいうものと容易に理解されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号又は同第6号に該当する。
b)本件商標は、その構成中に「カレー」なる語を有するものであるから、これを「カレー粉」又は「カレー味」の食品以外のものに使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれのあることは明白である。
本件商標の指定商品のどれをとってみても、その包装(袋・箱)等に「我が家のカレー」の文字が表示してあれば、誰もが、その中身が「カレー粉」又は「カレー味」の食品であろうと認識することは詳述するまでもなく明らかなところである。
ちなみに、本件商標については、請求人が申立てた登録異議に対し、「申立人提出の証拠によっては、本件商標をその指定商品について使用してもその商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものとは認められない。」との認定が示されている。
前記異議の決定にあっては、「本件商標はその構成文字から『我が家のカレー(ライス)』を連想、想起させるものであって、」という判断がされているのに、「本件商標をその指定商品について使用してもその商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものとは認められない。」というような結論となっている。
「コーヒー及びココア、コーヒー豆、茶、みそ」などの包装(袋・箱)に「我が家のカレー(ライス)」を連想、想起させる「我が家のカレー」の文字が商標として表示されていても、その商品が「カレー」であるとか「カレー味の」ものであると誤認されるおそれはないという方が常識はずれであり、もしもそうであれば、それこそ、証拠を示すべきである。
したがって、本件商標は、これを指定商品中「カレー粉」又は「カレー味」の食品以外のものについて使用すれば、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同法第3条第1項第3号若しくは同第6号又は同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり、「我が家のカレー」の文字よりなるところ、その構成各文字は、同書、同大、同間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「ワガヤノカレー」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであって、構成中の「我が家」又は「我が家の」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき格別の事情が存するものとは認め難く、その構成文字全体をもって、一体のものとしてのみ把握されるものと判断するが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ワガヤノカレー」の一連の称呼及び「我が家のカレー(ライス)」の一連の観念のみを生ずるものといわざるを得ない。
他方、引用商標は、「わが家」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「ワガヤ」の称呼及び「我が家」の観念を生ずること明らかである。
そこで、本件商標より生ずる「ワガヤノカレー」と引用商標より生ずる「ワガヤ」の称呼を比較するに、両称呼は、後半部における「ノカレー」の音の有無に明瞭な差違を有するものであり、音構成上これだけの差違があれば、称呼上相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標と引用商標とは、前記観念において観念上区別し得るものであり、かつ、それぞれの構成よりみて、外観上も容易に区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれからみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号について
請求人は、「本件商標は、その指定商品中『カレー粉又はカレー味の食品』に使用するときは、商品の品質を表すものであって、自他商品の識別性がないものであり、また、その指定商品中前記商品以外の商品に使用するときは、構成中に『カレー粉』を指称する『カレー』の文字を有するものであるから、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。」旨主張する。
しかしながら、「カレー」の文字が請求人主張のとおり「カレー粉」を意味する語であるとしても、本件商標は、一体のものとしてのみ把握され、「我が家のカレー(ライス)」の一連の観念を生ずるものであること前示のとおりであるから、かかる事情の下に表示された「我が家のカレー」若しくは「カレー」の文字にあっては、取引者・需要者をして、それが指定商品の品質を具体的に表示したものとして直ちに理解されるものとはいい難い。
そして、他に前記認定を左右するに足る証拠はなく、また、本件商標を構成する「我が家のカレー」の文字が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も見出し得ない。
してみれば、本件商標は、その指定商品に使用しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、これをその指定商品中のいずれの商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。
(3)以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、請求に係る商品について、商標法第4条第1項第11号、同法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当しないものであって、これらの規定に違反して登録されたものということはできないから、その登録は、商標法第46条第1項の規定により無効とすべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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