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Trademark Appeal Case

称呼類似性における一音の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35613(T2000−35613/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4346216号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4346216号商標(「以下「本件商標」という。)は、「レナベース」の文字(標準文字による。)を書してなり、平成11年2月8日登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、平成11年12月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人が引用する登録商標

請求人が本件商標の登録の無効に引用する登録第1778726号商標(以下「引用A商標」という。)は、「RENIVACE」の欧文字を横書きしてなり、昭和57年12月16日登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和60年6月25日に設定登録され、その後、平成7年11月29日に商標権の存続期間の更新の登録がされ、現に有効に存続しているものであり、同じく、登録第1778727号商標(以下「引用B商標」という。)は、「レニベース」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和57年12月16日登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和60年6月25日に設定登録され、その後、平成7年11月29日に商標権の存続期間の更新の登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、請求の理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む)を提出している。

(1)本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する理由について

(ア)本件商標と引用A及びB商標を比較するに、本件商標と引用A商標を比較すると、両商標の各構成は前記したとおり、本件商標が「レナベース」と呼称されることは明白である。

他方、引用A商標は、その構成より、英語流に「レニベース」と呼称されるものである。そのことは、引用B商標をみても引用A商標の表音文字として「レニベース」で請求人が登録を受けている事実及び現に請求人が「レニベース」として使用している事実をみても明白である。

そうすると、本件商標と引用A商標及び引用B商標との各称呼「レナベース」と「レニベース」とはともに準5音節からなることがわかるものである。そして、第2音節において「ナ」と「ニ」の差異があるも、両音はともに「ナ行音」に属し、子音「n」を同じくするから、ともに酷似する音である。

さらに、本件商標と引用A及びB商標は、ともに第1音にアクセントがおかれ、差異のある第2音が若干弱めに発音されるばかりか、「高中低低低型」の抑揚で発音されるから、全体の語調語音が極めて酷似するものである。

さらに、引用A及びB商標は後述するように、薬品業界では著名商標であるから、本件商標が引用A及びB商標と誤認・混同されるおそれはさらに高まるものである。このような相紛らわしい名称(商標)が同じ薬品業界で使用されることは、薬品が人間の生命、健康に重要な影響を与えるものであるだけに、由々しきことといわなければならない。

それ故、本件商標は、引用A及びB商標と称呼上類似する商標というべきである。

しかも、本件商標の指定商品は引用A及びB商標の指定商品に包含されているから、本件商標は指定商品の点においても引用A及びB商標に抵触するものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)本件商標は、仮に商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、商標法第4条第1項第15号の規定に該当するものである。

(ア)本件商標は、前にも説示したとおり発音上「レ○ベース」のタイプの呼称の商標としてネーミングの発想を同じくするものである。

それ故、本件商標が引用A及びB商標と同一市場(薬品業界)におかれ、離隔的に観察された場合には、要するに両者とも「レ○ベース」のタイプの称呼の商品名(商標)と認識されることになるものである。

(イ)引用A及びB商標は、請求人の子会社である萬有製薬株式会社に、1986年7月以来現在まで製造販売させている血圧降下剤に使用しているところ、その医学的効果は非常に大きく、1990年から1997年まで連続一位である(甲第4号証〜甲第11号証)。

また、1998年医科向け医薬品の分野では第15位である(甲第12号証)。

売り上げ高の点からみると、1999年度321億円、2000年323億円であり、2001年は311億円の売り上げが予想されている(甲第13号証及び甲第14号証)。

さらに、本件商標の使用されている血圧降下剤の広告宣伝費は1999年で278,497,000円であり、2000年では286,639,000円もの経費を広告宣伝のために費やしていることは、それだけの価値と重要があるからである(甲第15号証)。

(ウ)このように、本件商標は、14年間盛大に使用しているものであるから、その同一市場に酷似するネーミングの薬剤が使用された場合には、それも又請求人若しくは請求人の子会社・関連会社が永年製造販売してきた「レニベース」と同人若しくは資本的・取引上関連のある者による製品ではないかと、取引者・一般需要者によって混同されるおそれが多分に存在するものというべきであり、請求人にとっても看過することができないものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 被請求人は、請求人の請求に対し、何ら答弁していない。

5 当審の判断

本件商標は、「レナベース」の片仮名文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応し、「レナベース」の称呼を生ずること明らかである。

これに対し、引用A商標は、「RENIVASE」の欧文字を横書きしてなり、また、引用B商標は、「レニベース」の片仮名文字を横書きしてなるものであるから、引用A及びB商標は、「レニベース」の称呼をそれぞれ生ずるものと認められる。

そこで、本件商標より生ずる「レナベース」の称呼と引用A及びB商標より生ずる「レニベース」の称呼を比較すると、語頭部分において、「レ」の音と後半部分において、「ベ」「ー」「ス」の音を共通にし、第2音において、「ナ」と「ニ」の音の差異を有するのみである。

しかして、該差異音「ナ」(na)の音は、「舌尖を前硬口蓋に触れて発する鼻音(n)と母音(a)との結合した音節」であり、「ニ」(ni)の音は、「舌尖を前硬口蓋に触れて発する鼻音(n)と母音(a)との結合した音節」であるから、該差異音「ナ」の音と「ニ」の音は共に「舌尖を前硬口蓋に触れて発する鼻音」であって、共に50音中の「ナ行」に属する同行音である。また、「ナ」の母音「ア」(a)は、「口を広く開き、舌を低く下げ、その先端を下歯の歯ぐきに触れる程度の位置におき、声帯を振動させて発する音」であるのに対し、「ニ」(ni)の母音「イ」(i)は、「くちびるを平たく開き、舌の先を下方に向け、前舌面を高めて硬口蓋に接近させ、声帯を振動させて発する音」であって、調音方法、音質を近似する音であるばかりでなく、該差異音が比較的聴取され難い中間部分に位置する音であることからして、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても、語調、語感が相近似し、彼此聴き誤るおそれがあるものといわざるを得ない。

また、本件商標の指定商品「薬剤」は、引用A及びB商標の指定商品中に包含されるものである。

してみれば、本件商標と引用A及びB商標とは、外観及び観念において差異を有する点があるとしても、称呼において類似する商標といわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同第15号について判断するまでもなく、同法第46条の規定により、その登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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