Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成7年審判第13336号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ロッキードライ」の文字を横書きしてなり、第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、平成5年4月14日登録出願、その後、指定商品については、平成7年6月19日付けの手続補正書により 「日本酒、中国酒、薬味酒」と補正されたものである。
2 原査定の引用商標
これに対し、原査定において本願の拒絶理由に引用された登録第1453265号商標(以下「引用商標」という。)は、 「ROCKY」の文字を横書きしてなり、昭和52年5月13日登録出願、第28類「日本酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、昭和56年1月30日に設定登録され、その後、平成3年5月29日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
3 当審の判断
そこで、本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は、その構成前記したとおり「ロッキードライ」の文字よりなるところ、指定商品との関係から考察するに、該文字は、全体として特定の意味合いを表現した熟語的文字というよりは、むしろ、「ロッキー」と「ドライ」の2語の結合よりなるものと容易に認識、把握されるものとみるのが相当である。
そして、構成中の後半の「ドライ」の文字は、例えば、「新版世界の酒事典」(株式会社柴田書店・1982年5月20日発行)によれば「ドライ(Dry)」の項に「辛口のこと.リキュール,ジン,ウィスキー,ワインなどすべての酒,混成飲料に用いる.....」との記載、「コンサイス外来語辞典 第3版」(株式会社三省堂・1982年12月1日発行)によれば「ドライ[dry]」の項に「▲1▼乾いた,無味乾燥の,おもしろみのない.▲2▼非情な,打算的な,さっぱりと割り切った.▲3▼禁酒していること.★とくに米国で1918年の禁酒法実施後の状態をさすことがある.▲4▼(洋酒で)辛口.....」との記載、「広辞苑第五版」(株式会社岩波書店・1998年11月11日発行)によれば「[ドライ[dry]」の項に「▲1▼乾いているさま。無味乾燥のさま。▲2▼物事をわりきったさま。感情的でなく合理的・現実的なさま。非情。▲3▼禁酒。▲4▼ドライ‐クリーニングの略。▲5▼洋酒で、辛口であること。....」との記載、同じく、「知恵蔵 THE ASAHI ENCYCLOPEDIA OF CURRENT TERMS 1999」(朝日新聞社・1999年1月1日発行)によれば「ドライ[dry]」の項に「乾いた、無味乾燥の,割り切った,禁酒の,辛口の.....」との記載が認められる。
また、本願の指定商品を取り扱う業界においては、例えば、「[’91SAKE]世界の酒/日本の酒」(株式会社サンケイ新聞データシステム・1991年5月15日発行)の京都・伏見株式会社山本本家の「本醸造 生貯蔵酒」の広告頁に「COOL/DRY クール・ドライ」及び「御愛飲者の幸せと健康の願いを込めたニュータイプ 辛口+5 ゚」との記載、「清酒近畿 兵庫県」の項に「白鶴ひしょう/飛翔ドライ」及び「清酒白鶴を代表する飲み飽きしないスッキリした味わい。」、「白鶴生貯蔵酒 ドライ アルミ缶」及び「スッキリ爽やかなのどごし。」、同じく「白鶴 ドライ 生貯蔵酒」及び「スッキリ爽やかなのどごし。」との記載、「本格焼酎(乙類)鹿児島」の項に「でんえん/田苑 芋 DEN‐ENドライ」及び「薩摩の誇る伝統の味。辛口だが端麗でさわやかな味わい。喉ごしの切れ味のよさは秀逸。」との記載、「地酒大図鑑」(株式会社ネコ・パブリッシング・1997年6月30日発行)によれば「中部・東海・北陸」の項に「株式会社福光屋●石川県 鏡花DRY/kyoka DRY」及び「山田錦のみを使用した純米吟醸酒....種類は金箔入りと、辛口の二種類から選べる」との記載が認められるところである。
さらに、該文字について、いわゆるインターネットにより情報を公開しているサイトをみると、「軽快なめらかタイプ 爽酒/SOHSHU」について「松陰 純米吟醸 山縣本店(山口)」及び「柑橘系の果物のような鮮やかな香り。ドライでハツラツとした酸味が清涼感あふれる味わいを感じさせる。中辛口。」との紹介が認められる。
また、「日本の名酒事典【清酒・焼酎】増補版」(株式会社講談社・1998年4月10日発行)によれば「▲き▼き酒名人が指南 酒を▲き▼く、酒を楽しむ」(松崎 晴雄)の題のもとに著された「味タイプ別10分類マトリクス」中に「〈吟醸酒〉〈本醸造〉D(Dry)すっきりしたスマートな辛口タイプ」との記述が認められる。
そして、「灘の酒 用語集(灘酒研究会・昭和54年10月1日発行)」によれば、商品「清酒」を味覚により大別する場合の用語として一般に「甘口」(一般に清酒中の比重の重いエキス分と軽いアルコール分のバランスを表す「日本酒度」−5より甘いものをいう。)と並び「辛口」(同じく「日本酒度」±0より辛いものをいう。)の表現が用いられている事実が認められる。
そのうえ、本願の指定商品には包含されていないが、酒類という概念を同じくし、需要者層を共通にする商品である「ビール」について「知恵蔵 THE ASAHI ENCYCLOPEDIA OF CURRENT TERMS 1999」(朝日新聞社・1999年1月1日発行)によれば「ビール(beer)」の項に「1987年にアサヒビールが発売、ブームを生んだドライビールは新しい酵母、醸造法を用いてビール中の糖分などを極力アルコールに変えた辛口ビール。」との記載が認められる。
これらの事実からすると、「ドライ」の文字は、
▲1▼「辛口」の意味を有する語であること
▲2▼商品「清酒」について「辛口」が品質を表すものとして用いられていること
▲3▼商品「ビール」について品質を表す文字として用いられているばかりでなく、商品「清酒、焼酎」について商標の一部として使用され、かつ、商品の品質を表す文字として用いられていること
を認めることができるものである。
そうとすれば、本願商標の「ロッキードライ」の文字が一連に横書きされているとしても、これを指定商品中の「清酒、焼酎」について使用した場合、上記の事実からして、これに接する取引者、需要者は、後半の「ドライ」の文字を辛口の意味合いにおいて商品の品質(辛口の酒)を表した部分であると容易に認識、理解するとみるのが相当である。
そうすると、本願商標の構成中後半の「ドライ」の文字は、商品「清酒、焼酎」の品質を表示した部分といえるものであるから、本願商標において自他商品の識別機能を果たす文字部分は、前半の「ロッキー」の文字にあるといわなければならない。
してみると、本願商標は、構成文字全体に相応して「ロッキードライ」の称呼を生ずる他、前半の「ロッキー」の文字に相応して、単に「ロッキー」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
他方、引用商標は、上記のとおり「ROCKY」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して、「ロッキー」の称呼を生ずるものと認められる。
したがって、本願商標と引用商標とは、その外観及び観念の点について考慮したとしても、「ロッキー」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならず、かつ、本願商標の指定商品中の「清酒、焼酎」は引用商標の指定商品中に包含されているものであるから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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