Trademark Appeal Case
データとMDの結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第7659号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第9類「測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,レコード,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,録画済ビデオディスク及びビデオテープ,写真複写機,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成4年7月13日に登録出願されたものである。
第2 当審の拒絶理由
当審において、請求人に対し、新たに平成10年6月11日付けで、『本願商標は、「データMD」の文字よりなるものである。ところで、本願商標の指定商品中、電気通信機械器具、写真機械器具等を取り扱う業界においては、「MD」の語は、「ミニディスクと称される光磁気記録方式のデジタルディスクメディア」、また、「データ(data)」の語は、「プログラムを運用できる形に信号化・数字化されたもの」を意味するものとして理解され、映像、画像をデジタル信号化してCD(コンパクトディスク)或いはFD(フロッピーディスク)等に収録するサービスを「フォトCD」「フォト・ジョイ」等、ディジタル・スチルカメラの記録媒体としてMD(ミニディスク)を用いて、取引上普通に使用している事実がある。してみれば、本願商標をその指定商品中の「写真フィルムの像、画像をデジタル信号化して収録した媒体(MD)、当該媒体を搭載したコンピュータシステム」等について使用した場合、これに接する需要者は、前記事情よりして、該商品の品質、機能を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわざるを得ない。また、前記商品以外の「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号の規定に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号の規定に該当する。』旨の拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。
第3 請求人の意見
上記拒絶の理由に対して、請求人は以下の意見を述べている。
1「MD」の語が「ミニディスクと称される光磁気記録方式のデジタルディスクメディア」を意味するものとして理解されるものであることは、認める。
2本願商標は、全体として格別長い構成を持たず、同書体で一連に書かれていることから、「MD」部分を分離して「ミニディスクと称される光磁気記録方式のデジタルディスクメディア」が認識されるとする特段の理由もなく、一体不可分の格別の意味合いを有しない造語として、認識する商標である。
3本願商標が、「データ」と「MD」に分離して認識されるとしても、「データ」は「立論・計算の基礎となる既知の或いは認容された事実・数値。与件。」の意味合いを有する語であり、本願商標からは、「ミニディスクに関連するもの、何らかのデータを扱うために使用されるもの」の意味合いしか連想されるにすぎず、具体的に商品の品質、機能が認識されることはない。
4本願商標は、自他商品の識別力を有する商標であり、いずれの指定商品に使用しても商品の品質の誤認を生じさせるおそれはない。
第4 当審の判断
本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなるところ、その構成中の「データ」の文字は「資料、情報、文献」等、また、「MD」の文字部分は「光磁気記録方式のデジタルディスクメディア」を意味する語(MiniDisk)(imidas〜 98 1998年1月1日(株)集英社発行1191頁ミニディスク(MDの項)をそれぞれ意味する外来語として、いずれもよく知られているところである。
そうすると、本願商標は、容易に前記した外来語を組み合わせてなるものと理解、認識されるものである。
しかして、「データ」の文字が他の語を伴う場合について、当審において調査したところ、「データーサービス(各種の情報を必要に応じて提供すること)」「データ通信(コンピューターに通信回路を直結することによって、大量の情報を収集、整理し、情報の交換利用ができるようにしたもの)」「データファイル(データを組織的に記録、整理したファイルで、プログラムを含まないもの)」「データベース(情報、資料を組織的に記録、整理したもの)」等、情報、資料をも表す語として使用されている事実が認められる。
また、最近の文字、音声、写真(映像、画像)等を記憶する媒体として、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、MO(光磁気ディスク)、FD(フロッピーディスク)、HD(ハードディスク等があり、これらを利用した種々の記録方法(手法)があることも、よく知られているところである。
そうすると、本願商標は、別紙に表示するとおり、「データMD」の文字を書してなるものであり、その構成よりみて「データ」と「MD」の二語よりなるものと容易に看取され、各語が前記した意味の外来語であって、かつ、その語義が我が国において親しまれた語であり、しかも、「データ」の語が上記のとおり用いられている事実をも考慮すると、全体として「情報、資料を記録するMD(ミニディスク)、MD(ミニディスクに記録された情報、資料」の意味合いを容易に認識させるものである。
加えるに、「データMD」の文字について、▲1▼読売新聞(1997年1月23日朝刊9頁 読売新聞社発行)によれば、「シャープは二十二日、ミニディスク(MD)を使って撮影するデジタル・スチールカメラの開発に成功し、・・・今回導入するMDは「データMD」と呼ばれる専用のものだが、音楽を録音したり、再生する機能もある。」、▲2▼産経新聞(1997年2月22日朝刊8頁 産経新聞社発行)によれば、「シャープは記録媒体にデータMD(ミニディスク)を使ったデジタルカメラ「MDデータカメラ MD−PS1」を来月10日発売する。従来のフラッシュメモリーの代わりにデータMDを使うことで、撮影枚数を10倍以上の2000枚に高めた。」、▲3▼日本工業新聞(1997年2月19日情報・電機4頁 日本工業新聞社発行)によれば、「シャープは最大二枚の制止画をMD(ミニディスク)に記録できる業界初のMDデータスチルカメラを発売。・・・記憶容量一四〇メガバイトのデータMDを採用」、▲4▼化学工業日報(1997年12月11日7頁 化学工業日報社発行)によれば、ソニー・川島章由上席常務の企画記事として、「メディア事業の拡大が続いていますが、・・・急速にMDが伸びていますね。・・・データMDは、六五〇メガバイト容量の「MDデータ」が出てくるとアプリケーションが広がる。」、▲5▼化学工業日報(1997年12月8日9頁 化学工業日報社発行)によれば、「日立マクセルが、データMD(ミニディスク)に進出する方針を固めた。・・・開発メーカのソニーが六四〇メガバイト容量の「データMD2」の投入を明らかにしていることから、データメディアとしての新たな可能性が生まれている。」旨の新聞記事が報じられている事実が認められる。
上記事実に徹すると、本願商標「データMD」は、その指定商品中、「情報、資料などを記録するMDに対応できるデジタルカメラ、コンピューター」等に使用する場合には、該商品が「情報、資料を記録することのできるMD付の機能をもつもの」であることを認識させるにすぎないものであって、商品の品質、機能を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。そして、前記商品以外の電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
請求人は、「データ」は「立論・計算の基礎となる既知の或いは認容された事実・数値。与件。」を意味する語であるから「ミニディスクに関連するもの、何かのデータを扱うために使用されるもの」の意味合いしか連想されない旨主張する。
しかしながら、「データ」の語は前記したとおり、使用されている事実があること、また、前記した記録媒体を使用し、データをコンピューター等に取り込み、情報として利用、提供することもよく知られているものであるから、取引者、需要者は「データ」の文字を「情報、資料」をも含めた語として理解し、認識されているものとみるのが相当であり、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした、上記の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願はこの拒絶理由によって拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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