結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−30819(T2000−30819/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1020243号商標(以下、「本件商標」という)は、昭和46年6月26日登録出願、「装道」の文字(漢字)を縦書きに表してなり、旧第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品として、同48年6月28日に設定の登録がされ、該商標権は、同58年9月19日及び平成5年8月30日の両度に亘って存続期間の更新の登録がされているものである。
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の指定商品中「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、化粧品(薬剤に属するものを除く)」の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標の事実経過については、甲第1号証及び甲第2号証に示すとおりである。
(2)本件商標はその指定商品である「旧第4類 せっけん類(薬剤に属するものを除く)、化粧品(薬剤に属するものを除く)」について、本件商標の商標権者である山中ふさ江によって継続して3年以上日本国内において使用されておらず、現在も使用されている事実は見出せない。加えて、商標登録原簿上において、通常使用権および専用使用権の設定登録がなされておらず、使用権者が使用していることも考えられない。
したがって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の登録をその指定商品中の前記商品について取り消すとの審決を求める。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び当審において発した求釈明(平成13年7月13日付審尋書)に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第34号証(枝番を含む)を提出した。
(1)本件商標
本件商標(商標登録第1020243号商標)は、商標権者「山中ふさ江」により商標登録された。
(2)登録商標の使用
(ア)本件商標については、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者である「装いの道株式会社」(以下、「被請求人会社」という。)が商品「せっけん類」について使用をしている。被請求人会社は商標登録原簿上において通常使用権者として登録されていないが、商標法第50条における使用においては、登録されていない通常使用権者でも使用している事実が立証されれば、不使用取消を免れるものである。また、本件商標権者である「山中ふさ江」は、被請求人会社の役員である。「山中ふさ江」と被請求人会社の間には通常使用権許諾関係が成立していた。
(イ)被請求人会社が本件商標「装道」を使用している商品は、本審判請求に係る指定商品の一つである、商品の区分第4類の「せっけん類」である。
乙第1号証(新版)及び乙第2号証(旧版)のカタログの現物から明らかなように、被請求人会社は、「装道」の文字を表紙に書したカタログを用いて、商品「石けん」の製造販売を行っている(乙第1号証第15頁,乙第2号証第16頁)。
これらの使用における「装道」の文字は、双方とも、行書体で縦書きに書された「装道」の文字を左右にずらして配置してなるものであり、登録商標の「装道」の文字とは物理的に同一ではない。しかしながら、登録商標には、当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含むのであるから(商標法第50条第1項但書)、本件における「装道」の使用は、当然に商標法第50条にいう登録商標の使用に該当する。
(ウ)本件商標の使用時期としては、現在でも継続して使用中である。これについては、カタログの納入日を記載した証明書(乙第3号証)により、上記カタログの使用時期を明らかにする。
また、上記カタログにおける商品「石けん」は、セット商品である「足袋クリナールセット」の構成商品として販売されているものであるが、当該使用が、商標法第50条にいう指定商品「石けん」の使用であるとみなされるのは当然である。さらに、被請求人会社は、商品「石けん」を上記の「足袋クリナールセット」として製造販売している他に、「石けん」単品でも製造販売を行っている(乙第4号証)。
なお、参考として、商品「足袋クリナールセット」及び商品「石けん」の現物の写真を添付する(乙第5号証)。
(エ)以上のとおり、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者「山中ふさ江」と通常使用権許諾関係にある被請求人会社及びその関係各社が、その請求に係る指定商品のうち商品「せっけん類」について登録商標の使用をしているのであるから、本件商標は商標法第50条の規定により取り消されるべきでない。
(3)求釈明(審尋書)に対する回答
被請求人は、本件商標が商品「せっけん類」に使用されている事実の主張と補強をするために、すでに提出した証拠(乙第1号証ないし乙第5号証)に加え当該取引書類を追加提出する(乙第6号証ないし乙第34号証)。なお、被請求人は何時でも取引書類原本の提出と証人尋問に応ずる用意がある。
本件審判において、請求人の求める本件商標の登録取消の対象商品は、「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、化粧品(薬剤に属するものを除く)」であるから、被請求人がそれら取消対象商品中のいずれか一つの商品について商標法第50条に定める所定要件の主張、立証をなし得たものとすれば、その登録の取消を免れるものと解される。
そこで、被請求人の提出に係る乙各号証について、以下、検討する。
(1)乙各号証について
(ア)乙第1号証及び乙第2号証は、「装いの道株式会社」(被請求人会社)に係る「和装小物カタログ(保存版)」なる2葉の商品カタログであり、その作成に関わった者と認められる当該印刷会社の証明書(乙第3号証)によれば、そのいずれか一方のカタログは平成12年4月作成のものと認められる。
そして、これら2葉の商品カタログは、いずれもその表紙に大きく「装道」の文字を籠文字風に白抜きし或いは花柄模様の字形としてそれぞれ表してなるものである。また、乙第1号証カタログの第15頁及び乙第2号証カタログの第16頁には、各種和装用品の一つとして「足袋クリナールセット」なる足袋洗い専用品、すなわち、石鹸、足型及び小袋をワンセットとした商品(以下、「石鹸セット」という。)がその仕様写真、価格及び申込番号(品番)とともに掲載されていることが認められる。
(イ)乙第4号証は、被請求人会社の関連事業者ないしその系列下の事業者と認められる当該特定地域の着物の着付けに関する事業所の作成に係る都合3葉の「事情説明書」であって、同文面によれば、一様に「当社は、被請求人会社との契約の下にその取扱いに係る商品を業として販売している。」、「当社は、前記商品カタログにより被請求人会社に係る商品『石鹸』を『足袋クリナールセット』として、或いは、単品のみでも販売している。」旨の記載が認められる。
(ウ)乙第5号証は、「クリナール石鹸」なる石鹸2個詰めの個品包装に設えた商品(以下、「個品商品」という。)及び「足袋・クリナールセット」なる石鹸セットに設えた商品(前記「石鹸セット」)の各写真3葉からなる都合6葉の写真であって、いずれの場合も、当該商品の見本写真1葉とこれをそれぞれ前記認定の商品カタログ(乙第1号証及び乙第2号証)とを相並べて撮影した写真2葉からなるものである。そして、両商品はいずれも当該商品(石鹸)を直接包装する透明のパラフィン様小袋の上面に「SODO」の黒色文字の表示が認められる。
(エ)乙第7号証の1ないし乙第9号証の2は、平成12年2月28日付、同年4月14日付及び同年5月9日付の日付が記載されたいずれも被請求人会社と小田急百貨店新宿店又は同百貨店町田店との間においてとり交わされた受注伝票及びこれに対応する前記百貨店の仕入伝票と認められる。
そして、これら双方の伝票にそれぞれ「キツケヨウヒン」(着付け用品)又は「キモノヨウコモノ」(着物用小物)ないしは「品名」として記載され取引された各種着付け用品のうち、「クリナール石けん」ないし「石けん」及び「セッケン」として取り扱われた各商品は、当該数量・単価等の記載よりみて前記「個品商品」を指すものと認められる。
(オ)乙第16号証、乙第19号証及び乙第21号証は、被請求人会社に係る平成12年3月2日付、同年7月10日付及び同年2月15日付の日付が記載されたそれぞれ当該取引先との取引を示す受注伝票、売上伝票及び納品書と認められる。
そして、これら伝票類にそれぞれ「石けん(2ケ入り)」、「美容クリナール石鹸(小袋付き,3点)」及び「クリナールセッケンセット」と記載され取り扱われた各商品は、当該品名・数量・単価等の記載よりみて前記「個品商品」及び「石鹸セット」を指すものと認められる。
(カ)本件商標権者「山中ふさ江」は被請求人会社(「装いの道株式会社」)の会社役員に任ずるなどしてその事業運営に密接に関わる者であり、その他、被請求人の答弁の全趣旨に照らし、被請求人会社は実質的に本件商標の通常使用権者であることを認めるのに十分である。
以上の(ア)ないし(カ)の各認定によれば、本件商標「装道」は、その通常使用権者(被請求人会社)により、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、その取消請求に係る指定商品中の「石けん」について使用されていたものと認められる。
すなわち、通常使用権者は、その業とする着物の着付けに関する事業に関して製造・販売する各種の着付け用品に関し、その総合カタログを制作・頒布し、同カタログに基づき国内各地の関連事業所又は百貨店等から発せられる注文に応じてそれら着付け用品の供給を行う者であって、本件商標は、同カタログ表紙上に大きく表示されていて、いわば、その取扱いに係る商品及びその業務全体を表彰する標識として機能していたものであるから、取引上、個別的に取り扱われる各商品についてその出所識別の標識(商標)として使用されていたものとみて差し支えないものと認められる。
そして、乙第5号証写真に示される個品商品(クリナール石鹸)それ自体は、前記商品カタログ(乙第1号証及び乙第2号証)に非掲載のものではあっても、前述乙第4号証に示される事情及び上述(エ)、(オ)に認定した乙各号証に係る伝票類との関係その他被請求人の答弁の全趣旨よりして、被請求人会社に係るいわゆる着付け用品の一つとして商品カタログ掲載の各商品と同様に取引対象とされていたことを十分推認させるものである。また、前記「石鹸セット」は、その主材料である「石鹸」が主要な取引の対象であって、他の構成材料はいわば付属的なものといえるから、取引の主たる目的物は「石鹸」にあるというべく、同商品に包摂される商品と認められる。
そして、本件商標は、前記認定のとおり、本件審判の請求前3年以内にその取消請求に係る指定商品中の「石けん」について通常使用権者により使用されていたものであるから、結局、被請求人は、本件審判の請求に対し、所定事項の主張・立証をなし得たものというべきである。
(2)結語
以上によれば、本件商標の登録は、その取消請求に係る「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、化粧品(薬剤に属するものを除く)」について、商標法第50条の規定により、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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