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Trademark Appeal Case

称呼類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第15114号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成7年1月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の引用商標

原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第622827号商標(以下「引用商標A」という。)は、「コープ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和36年8月28日登録出願、第31類「調味料、食用油脂、乳製品、但しみそ、食塩、ごま塩、すりごま、化学調味料、ホップ、及びその類似商品を除く」を指定商品として、昭和38年8月15日登録、その後 昭和49年3月8日、同58年10月28日、平成5年10月28日の3回に亘り、商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

同じく登録第1023292号商標(以下「引用商標B」という。)は、「CO−OP」の欧文字と「コープ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、昭和43年10月2日登録出願、第32類「食肉、食用水産物、加工食料品(但し、ハム、ベーコン、加工穀物、こうじ、酵母、イーストパウダー、ベーキングパウダー、酒かす、およびその類似商品を除く)」を指定商品として、昭和48年7月16日登録、その後昭和58年12月21日、平成5年11月29日の2回に亘り、商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

同じく登録第1268123号商標(以下「引用商標C」という。)は、「CO−OP」の欧文字と「コープ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、昭和43年10月2日登録出願、第28類「酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として、昭和52年5月12日登録、その後昭和62年6月18日、平成9年6月10日の2回に亘り、商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

同じく登録第1560622号商標(以下「引用商標D」という。)は、「COOP」の欧文字と「コープ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、昭和49年9月19日登録出願、第29類「清涼飲料(但し、コーヒーシロップを除く)果実飲料、氷」を指定商品として、昭和58年1月28日登録、その後、平成5年7月29日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

3 請求人の主張

(1)請求の趣旨

「原査定を取り消す。この出願の商標は、これを登録すべきものとする、」との審決を求める。

(2)請求の理由

本願商標は黒の背景に白抜きした大きな「D」の文字と、これに一部を重ねて細く白抜き縁取りした片仮名の「コープ」とから成っている。

本願商標は独特な形状的特徴を有しており、「D」の文字は特別目立って認識されることから、それより生ずる称呼は単に「コープ」ではなく、必ず「デイコープ」となる。本願商標は「D」の文字を特別大きく白抜きにしているので、この「D」は商標において特徴的な要部を形成している。

しかも、この「D」は「デイ」と自然に力強く発音される音であり、且つ、「コープ」との語呂的な継がりもよく、簡易迅速を尊ぶ現実の商取引においても「D」を省いて、「コープ」とのみ称呼されることは全くない。まして、「CO−OP」は、「生活協同組合」の観念が生じる完全な普通名詞となっているものである。したがって、引用例が商標として登録されていても、その特別顕著性は著しく希釈化されている。

本願商標は、引用例の「CO−OP」や「コープ」と類似するものではない。審査・審判例からも明らかである。

本願出願人は、「株式会社エーコープ神奈川」であり、その取り扱い商品にすべて「Dコープ」を継続して使用している。この商標を単に「コープ」とのみ称呼されることはなく、常に「デイコープ」と一連一体に使用されて不可分一体に結合しているのであり、完全に類似範囲を脱却している。「コープ」自体も普通名称化されていることもあって、「デイコープ」と必ず「デイ」を入れて識別称呼されているのが実状である。

3 当審の判断

そこで、判断するに、本願商標は、別紙に表示するとおり、黒色の四角形を背景とし、その四角形の左寄りに白抜きした「D」の文字を四角形のほぼ半分を占める面積の大きさで表し、その「D」に一部を重ねて白抜き縁取りし、デザイン化した「コープ」の片仮名文字を書してなるものである。そして「D」の文字は、黒色の四角形のほぼ半分の部分に白抜きで配されていることから、該黒色の四角形背景内に組み込まれ、これと同化した一体のものとして把握される。これに対し、「コープ」の文字は、「D」の文字に半分程度重ねて白抜き縁取りし、デザイン化された書体で書してなることから、「D」の文字を背景に浮き出て顕著に印象づけられるものであって、該「コープ」の文字が、黒色の四角形に同化した「D」の文字を有する背景図形とは、視覚上分離され独立して認識されるものである。のみならず、「コープ」の文字は、語義上も「生活協同組合、共同住宅」を意味する外来語として一般に知られてはいるものの、他の構成部分との結びつきは希薄なものである。

それ故、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中顕著に印象づけられる「コープ」の文字部分に強く惹き付けられ、該文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといわなければならない。

そうとすれば、本願商標からは、該「コープ」の文字部分に相応して、「コープ」(生活協同組合、共同住宅)の称呼、観念を生ずるものと認められる。

他方、引用商標Aは、別紙に表示するとおり、「コープ」の片仮名文字を、引用商標B、C、Dは「CO−OP」の欧文字と「コープ」の片仮名文字を上下二段に書してなるものであるから、該構成文字に相応して、「コープ」(生活協同組合、共同住宅)の称呼、観念を生ずるものである。

また、本願商標は「コープ」の片仮名文字をもって取引にあたる場合のあると認められること上述したとおりであり、引用商標A、B、C、Dもそれぞれ「コープ」の片仮名文字(部分)をもって取引に資されるものといえるから、取引者、需要者が時と処を異にしてこれらに接する場合には、当該構成文字(部分)の綴りを共通にする点で外観上近似した印象、連想等を生じさせるおそれがあることも否定できない。

請求人は、「D」の文字は特別目立って認識されることから、それより生ずる称呼は単に「コープ」ではなく、必ず「デイコープ」となること、「D」は「デイ」と自然に力強く発音される音であり、且つ、「コープ」との語呂的な継がりもよく、簡易迅速を尊ぶ現実の商取引においても「D」を省いて、「コープ」とのみ称呼されることは全くないと主張する。しかしながら、本願商標は前記したとおりの構成であり、図形と文字とが結合した商標であることを考慮して観察すると、「D」の文字は黒色の四角形と同化したものであるとの印象を与えるに止まるものであるから、その構成文字「コープ」に相応し、「コープ」の称呼を生ずるものであること前記認定のとおりであり、本願商標より「デイコープ」とのみ称呼されるとする請求人の主張は採用することができない。また、請求人は、「CO−OP」は、「生活協同組合」の観念が生じる完全な普通名詞となっているものであり、その特別顕著性は著しく希釈化されていること、本願出願人は、「株式会社エーコープ神奈川」であり、その取り扱い商品にすべて「Dコープ」を継続して使用していると主張するが、請求人主張の事実は、何らの立証もなされていないものであり、上記事実を確認することができないものであるから、上記主張も採用することができない。

してみれば、本願商標と引用商標A、B、C、Dとは、「コープ」(生活協同組合、共同住宅)の称呼、観念を共通にし、外観上もある程度近似した印象を与えるものであって、全体として類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一または類似するものであるから、結局、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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