Trademark Appeal Case
称呼・観念の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第18053号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第14類「時計,貴金属,身飾品,カフスボタン」を指定商品として、平成5年6月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして、その出願の拒絶に引用した登録第3332881号商標(以下「引用商標」という。)は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、平成5年4月21日登録出願、第14類「銀,人工ダイヤモンド,人工真珠,その他の人工宝石,本真珠,身飾品」を指定商品として、平成9年7月18日に登録がなされているものである。
3 請求人の主張
(1)請求の趣旨
「原査定を取り消す。本件出願に係る商標はこれを登録すべきものとする、」との審決を求める。
(2)請求の理由
引用商標に対し、登録異議の申立を行ったが、認められず、登録になったものであるので、引用商標に対し、無効審判の請求を準備手配中である。
引用商標は、請求人の登録商標と類似し、過誤登録されたものであるから、その登録は無効にされて然るべきである。仮に、請求人の登録商標と非類似と認容し得るなら、本件商標と引用商標とは、非類似商標であると言わざるを得ない。
4 当審の判断
そこで、審判長は、請求人に対し、平成11年1月12日発送の審尋書をもって、「請求人は、平成9年10月27日付審判請求書において、本件審判請求に係る引用の商標登録第3332881号に対して無効審判の請求を準備中である旨述べているが、商標登録原簿の記載を徴するに、その後相当の期間が経過した現在も、当該無効審判の請求はなされていない。したがって、至急無効審判の請求の手続をするか、若しくは請求の意思について、具体的に記載した書面を提出されたい。」旨について質した。これに対し、請求人からは何らの応答もなされていないものである。また、職権を持って、商標登録原簿を調査するに、引用商標に対し、無効審判の請求がなされていないことを確認し得るところである。
つぎに、本願商標と引用商標の類否について判断するに、本願商標は、別紙に表示するとおり、「THE QUEEN」の欧文字を「THE」と「QUEEN」に間に一文字程度の間隔を空けて横書きしてなるものであって、容易に前記した英語を組み合わせてなるものと理解、認識されるものである。
そして、本願商標の「THE」と「QUEEN」の各語は、我が国でも平易な部類に属する英語といい得るものである。のみならず、構成中の「THE」の文字は英語における定冠詞として認識、理解されるとみられるものであって、その構成態様上「QUEEN」の部分は、語義上も他の部分と常に一体不可分に把握しなければならない特段の事情を有するものとは理解し得ないから、簡易迅速を旨とする商取引の実際において該商標に接する取引者、需要者は構成中の「THE」の文字部分を定冠詞よりなるものと容易に理解し、これに続く語を強調するためのものであると認識し、「QUEEN」の文字部分に着目し、該部分をもって取引にあたる場合も少なくないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、該「QUEEN」の文字に相応し、「クイーン(女王)」の称呼、観念をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、別紙に表示するとおり、「QUEEN」の欧文字を横書きしてなるものであり、該文字に相応して、「クイーン(女王)」の称呼、観念を生ずるものと認められる。
さらに、本願商標は、構成中の「QUEEN」の欧文字部分をもって取引にあたる場合があると認められること上述したとおりであり、両者は、商標の要部と認められるこれら欧文字(部分)の綴りを共通にするものであって、取引者、需要者が時と処を異にしてこれらに接する場合には、両者は当該欧文字(部分)の綴りを共通にする点で外観上近似した印象、連想等を生じさせるおそれがあることも否定しがたいところである。
してみれば、本願商標と引用商標とは「クイーン(女王)」の称呼、観念を共通にし、さらには外観上もある程度近似した印象を与えるものであって、全体として類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も類似するものであるから、結局、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録すべき限りでない。
なお、請求人は、審査例を挙げて、本願商標と引用商標とが非類似である旨主張している。しかしながら、出願商標と引用商標との類否判断は、両商標につき個別具体的に行えば足り、既登録例をその判断要素としなければならない義務は存しないから、本件審判の判断を拘束するものではないことは明らかであって、本願商標の登録の適否は、引用商標との関係でのみ判断されるべきであるから、請求人のこの点の主張も理由がない。
よって、結論のとおり審決する。
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